シャトー・メルシャンの3つのワイナリーには、それぞれ産地や品種の特徴がありつつも、ワイン造りにおいて共通している考え方がある。それが「フィネス&エレガンス(調和のとれた上品な味わい)」と「日本庭園のようなワイン造り」だ。突出するものはなく、欠けるものもない、完全なる調和がもたらす味わいであることを目指している。
「3つのワイナリーごとの個性はありますが、『フィネス&エレガンス』がベースにあることで、シャトー・メルシャンとしての芯がぶれず、まとまりができています。自然と共生していくこと、ブドウをよく見て向き合うことを大切に、これからも日本庭園のようなワイン造りをしています」。
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山梨県甲州市の勝沼ワイナリーでは、環境変化に適応するためにおこなった品種の整備が進んでいる。また、標高の高い土地にブドウ畑を開場した成果も出始めていると小林さんが話してくれた。
「新しく植えた品種や標高の高いところに新たに移したブドウを、2024年に初めて収穫しました。今私たちが取り組んでいるのは、次世代につながる仕事です。先輩たちから引き継いできた品種があるように、私たちも10~20年先の次世代を見据えた品種整備をし、地球環境が変動する中でも歴史をつないでいかなくてはなりません」。
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2019年に3ワイナリー体制に移行したシャトー・メルシャン。5年が経過して、3つのワイナリーそれぞれの力がようやく出てきたと小林さんは話す。
シャトー・メルシャンが日本ワインの発展に向けて日々取り組んでいることについて、さまざまな角度から深掘りする。
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「Rue de Vinの世界観は、僕が生きている間に完成させなければいけない部分と、その後に発展していく部分があると思っています」と、小山さん。
「事業」としてワイナリーを発展させた先に土地の「産業」が生まれ、地域に根付いて「文化」となる。小山さんが確立させるべきは、まずワイン造りを「産業」にしていくことだ。
「御堂という場所の大規模農場で効率化農業をおこない、しっかりと生活に浸透させられる程度までワインの価格を下げることが必要だと考えます。だからこそ我々は、大量生産を達成しなければならないのです」。
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Rue de Vinが考えるワイン造りは、「オーセンティック」であること。オーセンティックとは、「正統派の」「伝統的な」という意味を持つ言葉だ。小山さんが考えるオーセンティックな造りとは、「ぶどうのよさを酵母で実直に表現すること」だという。
「ワイン造りには多様な微生物が関わってきますが、ワインの味や風味に明確に直接関係するのは『イースト酵母』のみだと考えています。アルコール発酵だけが、土地の個性を、ぶどう品種というプリズムを通して写してくれる存在なのです」。
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赤ワインのふたつの銘柄を紹介しよう。「ドゥー・ローブ・ヴィオレット」と「トリオ」だ。
フランス語で「ふたつの紫色のドレス」という意味を持つ「ドゥー・ローブ・ヴィオレット」は、ボルドー・ブレンドを採用したフラッグシップ・ワインだ。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの2品種を「紫色のドレス」に見立てた上品な赤ワインである。
2022年ヴィンテージは特に飲み応えがある仕上がりとなった「ドゥー・ローブ・ヴィオレット」。2品種のブレンド比率は年によって異なるが、2022年ヴィンテージはメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンが、2:1となっている。
次に、三重奏を意味する名前を持つ銘柄の「トリオ」は、3つの赤ワイン専用品種をブレンドしたワインだ。2022年ヴィンテージでは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、カベルネ・フランを1:1:1の比率でブレンドした。
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LIBERA WINE TERACEが掲げるブランドコンセプトは、「『世直しのワイン』で、夢の扉を開く」。平澤さんたちは、ワインを通じて障がいがある人たちの雇用や自然環境、地域をよりよく変えていきたいと考えて事業を推進してきた。
これまでの成果は、着実にあらわれはじめている。自社畑の土壌を再生して生まれた、ナチュラルなワインが誕生。そして、LIBERA WINE TERACEで働く障がい者たちの賃金を、全国平均の3倍まで引き上げることができた。今後もさまざまな施策をおこなう中で、さらなる賃金アップを目指していく方針だ。
LIBERA WINE TERACEの売り上げの80%は、障がい者の賃金と、彼らが安全に働ける環境の整備、自然栽培農法促進による自然環境の改善などに使われる。1本のワインが障がい者の仕事とやりがいを生み出し、農業のあり方や自然環境を変えていくきっかけとなっている。
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LIBERA WINE TERACEのワインやシードルを「古いけれど、新しい」と評価してくれるお客様がいるそうだ。農薬や肥料、ボルドー液さえ使わず、手間暇をかけるが余計な手は加えない造り方だからこそ生まれる、ぶどう本来の美味しさを表した言葉である。
「『木村式自然栽培』は土壌を再生し、土地や植物の力を最大限に生かす農法です。地球温暖化など環境問題への対策が必要な今こそ、環境負荷がかかりにくい農業を積極的に取り入れるべきだと考えています。そもそも、農薬を使用しない農業は昔の人類が数千年前からおこなってきた営みです。『古くて新しい』取り組みこそが求められているのではないでしょうか」。
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リリース済みのワインの中から、平澤さんおすすめの銘柄を紹介しよう。余市町の自社畑で栽培したナイアガラを使った「【MILO】ナイアガラ 2023」は、まるで清らかな水のように滑らかな舌触りが特徴のワインだ。
「樹齢30年以上のナイアガラを使った『【MILO】ナイアガラ 2023』からは、余市のテロワールを感じることができます。癖がなくすっきりとしていて、酸味や苦味などが後味に残らない滑らかな味わいに仕上がりました」。
他の産地で育ったナイアガラにはない風味を感じることができるというので、ナイアガラのワインが好きな人にはぜひ試していただきたい1本だ。
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LOWBROW CRAFTのワイン造りの強みは、先入観にとらわれないところ。赤城さんが自由気ままに表現したエチケットにも、お客様からは多くの反響がある。ワインの味だけではなく、エチケットデザインをきっかけに興味を持ってもらえることが面白く、嬉しいという。
「デザイン制作時にインスピレーションを受けたミュージシャンのファンが、私のワインに興味を持って購入して下さったこともあります。逆に、ワインを飲まれたお客様から『あのアーティストのCDを買って聴いてみました』という声をいただいたこともありますよ」。
ワインはこうあるべきだという既成概念にとらわれずに造った、LOWBROW CRAFTならではの自由な表現が、ワイン好きにも音楽好きも受け入れられたということなのだろう。
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LOWBROW CRAFTのワインは、エチケットやネーミングも魅力的だ。アーティスティックでおしゃれなデザインには、赤城さんのこだわりが詰まっている。栽培から醸造までひとりでおこなっている赤城さんにとって、ワインはひとつの作品といえる存在だ。そこで、エチケットも自分でデザインし、作品を完成させているという。
「ラブルスカ種のワインのエチケットは、私が好きなミュージシャンのレコードジャケットやロゴのオマージュです。一方、自社畑で栽培したヴィニフェラ種のワインエチケットは自分が描き下ろしたイラストを使いました」。
赤城さんは音楽から受けたインスピレーションをもとに、エチケットをデザインする。たとえば、ナイヤガラのワイン「NIAGARA 2022」のエチケットに込められた思いは、「後先考えず突っ走る思春期のような衝動」。エチケットのデザインを眺めて、造り手の思いを感じながら味わってみてほしい。
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「Lo-Fi(ローファイ)」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。音楽をレコーディングする際に録音状態が悪いことや、音質が悪いことを表す言葉だという。完璧ではない音楽のジャンルを指す言葉として、「ローファイ・ミュージック」のようにも使われる。意図的に音質の悪い録音機器を使用したり、あえてノイズを取り入れたところに魅力を見出す音楽で、「ローファイ・ミュージック」には、低予算で手軽にできるというメリットがある。
「Lo-Fi」の対義語は「Hi-Fi(ハイファイ)」で、音響機器においてノイズを最小限に抑えて原音に近いことを指す言葉だ。音楽における「Lo-Fi」の定義をふまえた上で、LOWBROW CRAFTのワインは「Lo-Fi」なワインだと表現する赤城さん。
「必要最低限の設備で、シンプルな醸造を目指しています。醸造家ではなく、あくまで農家が造るワインですね。理想のワインありきでコントロールした「Hi-fi」なワインではなく、品種の個性があって洗練されすぎてない、ピュアで雑味のある「Lo-Fi」なワインです」。
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