こんにちは、宮坂佳奈です!
ワインテイスティングに関する前回までの記事は読んでいただけましたか?まだの方は、お時間のあるときにぜひご確認いただければ嬉しいです!
上記タイトルをクリックすると過去記事まとめて見ることができます。
今回テイスティングコメントを紹介するワインは、東京都「BookRoad〜葡蔵人〜」の「シャルドネ2022」です。
まずは、ワイナリーとワインについて紹介します。「Terroir.media」には、BookRoad〜葡蔵人〜の紹介記事と追跡記事を掲載していますので、ぜひあわせてご覧ください!
▶ワイナリー紹介
東京都台東区の下町にあるワイナリー「BookRoad~葡蔵人~」。御徒町駅から徒歩6分ほどの場所にある醸造所では、ひとりの女性がワインを醸す。醸造責任者の須合美智子さんだ。
BookRoad~葡蔵人~は、料理店を展開する有限会社K’sプロジェクトが運営母体。須合さんは料理店のパートとして働いていたが、ワイナリー事業の参加に名乗りを挙げて醸造家になった。人との絆や縁を大切に考えているBookRoad~葡蔵人~。
掲げる目標は、ワインで笑顔を届けることだ。ワインに使用するぶどうは、契約農家と二人三脚で栽培したもの。ぶどうの個性を生かすため、シンプルな方法で醸造されるワインは親しみやすい味わいだ。
▶ワイン紹介
シャルドネ2022
2022年産白ワインの『シャルドネ』発売です♪
長野県安曇野市産 シャルドネ100%
750㎖ アルコール度数12%
安曇野の冷涼な土地で育ったシャルドネは心地よい酸が特徴のワインになりました。
甘酸っぱいイチゴと一緒に召し上がれ♬
私も何度か訪れたことのある、BookRoad〜葡蔵人〜。
3階建ての建物の1階が醸造所になっていて、トラックで運ばれたぶどうの積み下ろしがしやすいように、窓がフルオープンの造りになっています。
テイスティングルームがある3階はぬくもりも感じる、スタイリッシュな雰囲気。週末にはバルが開催されるなど、都会ならではの楽しさを味わえるワイナリーです。
BookRoad〜葡蔵人〜のワインのエチケットには、テイスティングからイメージされた食材が描かれてるのですが、シャルドネ2022のエチケットにはなんと、イチゴのイラストが!
今回のワイン会では、シャルドネ2022を冷蔵庫で2時間ほど冷やして提供しました。
▶「シャルドネ」とはどんなぶどう品種?
フランス・ブルゴーニュ地方原産の、白ワイン用ぶどう品種の代表格ともいえるシャルドネ。シャンパーニュの原料としても有名です。早熟で寒冷な気候でも育てやすく、世界中で栽培されています。
味わいや香りなど、個性的な特徴はあまりないといわれるシャルドネ。だからこそ、育った土地のテロワールや栽培家・醸造家の影響が強く反映されるのです。
オーク樽の風合いと相性がよいシャルドネは、樽を使った発酵や熟成をするのが典型的な醸造スタイルです。最近では樽の香りが強いものより、ほのかに香る風合いが好まれる傾向にあります。
ぶどうの産地や醸造方法によってワインの個性が大きく変化するシャルドネは、合わせる料理もワインの個性によってさまざま。同じ産地で作られた食材を合わせると、より味わいや深みが増します。前菜はもちろん、鶏や豚肉料理とも相性がよいワインも。樽熟成したワインには、クリームやバターを使った濃厚な料理とのペアリングがおすすめです。
▶ワイン会参加者の声
それではさっそく、8名の参加者の感想を紹介します!
私も、こんなにストロベリーの香りや余韻を感じるシャルドネにはなかなか出会ったことがありません。「シャルドネ2022」は樽を使わずにステンレスタンクで醸造しているので、シャルドネが持つ果実感がダイレクトに感じられます。もぎたての苺、種やヘタの青ささえ感じるほどのフレッシュな苺を感じますね!
ライムやミントのような清涼感も確かに感じました!雪が積もった森の中で、思いきり深呼吸するような爽やかさを想像しました。果実感を感じるフレッシュなワインに使われることが多い、「チャーミング」という表現がぴったりのワインですね。
ブッラータチーズとはイタリア発祥のフレッシュタイプのチーズです。バターのようにクリーミーで濃厚、クセがないのが特徴。甘酸っぱい苺を「シャルドネ2022」が引き立て、ブッラータチーズがまろやかな旨味を足してくれます。
「シャルドネ2022」は、ワクワクとした気持ちを提供してくれるワインですね!「シャルドネ2022」は温度が上がるとミルキーさも感じるので、ショートケーキや、クリームを添えたふわふわのスフレパンケーキなども合いそうです。
シンプルな味わいのワインなので、食材の美味しさをより引き出してくれたのかもしれません。ご家庭で作る場合は、ブッラータチーズの代わりに一口サイズのモッツァレラチーズを合わせるのもいいと思います!
今回、苺はは「とちおとめ」を使いました。「とちおとめ」は果汁がみずみずしくしっかりとした甘さがあり、心地よい酸味がある苺。「シャルドネ2022」もまさにそんなイメージのワインでしたね!
事前に試飲した時に私も苺の香りに驚いたのですが、Gさんが飲んだ瞬間のびっくりした表情に思わず嬉しくなりました。素材の味を生かした新鮮でシンプルな料理に合わせることで、よさがより引き立つワインですね。
キノコのマリネと合わせると、白ワインビネガーの酸と「シャルドネ2022」の酸が重なり、スッキリとした飲み心地でした。シャルドネが本来持つコクがキノコの旨味を引き出してくれます。今回は苺のサラダのドレッシングに、オリジナルのフレンチドレッシングを使っています。
皆さま、素敵なコメントをどうもありがとうございました!今回「シャルドネ2022」とペアリングした料理は苺とブッラータチーズのサラダ。苺のサラダは、「シャルドネ2022」のように樽を使用していない白ワインとの相性がいいので、ぜひ試してみてください!
▶おすすめペアリング
「シャルドネ2022」の色合いは、透明感のあるレモンイエロー。角度を変えると、少しグリーンがかっているようにも見えました。エチケットの「苺」が可愛らしく、心奪われてしまいます。
驚くほどフレッシュな苺の香りが広がり、スライスしたアーモンドやレモン、青リンゴのような香りも感じます。新鮮でみずみずしく、草原の中にいるような爽やかさに包まれます。
口に含んだ瞬間上品でクリアな酸味が広がり、違和感なくスッと溶け込む清涼感があります。喉に流れ落ちた後に鼻から抜ける香りが苺を食べた感覚とそっくりですよ。
温度が上がり始めると、ゆっくりとシャルドネが持つボリューム感と甘みを感じるワインです。
私のおすすめのペアリングをご紹介しますね。
★リンゴのサラダ
ステンレスタンク由来のレモンや青りんごのようなスッキリした酸が、リンゴの酸味や甘みと合うと思います。「シャルドネ2022」は長野県安曇野産のぶどうを使ったワイン。安曇野は日本有数のりんごの産地でもあります。サンつがるやサンふじなどの品種がおすすめですよ!
★野沢菜のおやき
モチモチっと甘い生地を使用した長野県の郷土料理。長野県を代表する漬物といえば野沢菜。その野沢菜を入れたおやきは、キリッとした白ワインと合います。「シャルドネ2022」の、ほのかに感じる青さが野沢菜の酸味とマッチ。おやきの生地の甘味と、温度が上がるごとに感じるワインのまろやかさが相乗効果を生み出します。
★鍋料理
さっぱりとした鍋料理に「シャルドネ2022」を合わせて。白身魚はもちろん、豚肉とも相性がいいのは、シャルドネが本来持つボリューム感のおかげです。ポン酢で食べると酸×酸のペアリングを存分に楽しめます。
★白身魚やイカのお寿司
このワインの酸味や旨味が、クセのない白身魚やイカと酢飯とも合うように思います。わさびは少し多めに、醤油を使わず塩レモンで食べるのもいいかもしれません。
▶まとめ
「シャルドネ2022」は、ワインのエチケットに可愛い苺が描かれているのが特徴。ステンレスタンクで醸造され、シャルドネが持つ果実味がダイレクトに感じられ、酸がしっかりと心地よい白ワインです。私も参加者も、まさに苺!という甘い香りと余韻に驚きを隠せませんでした。
もしもエチケットを隠してテイスティングしても、こんなに苺の香りや余韻を感じるのでしょうか?今度ぜひ試してみようと思います!
「BookRoad〜葡蔵人〜」のワインのエチケットには、ワインごとに相性のよい食材やシーンが描かれています。定番のワインでも、毎年エチケットデザインが変わるそうですよ!ぶどうが持つテロワールによって変化するエチケットという発想が面白いですね。
東京都台東区御徒町にある、遊び心たっぷりのワイナリー「BookRoad〜葡蔵人〜」。今回ご紹介した「シャルドネ2022」は残念ながら完売してしまいましたが、皆さまぜひ一度、ワイナリーに足を運んでみてください!
次回は、「都農ワイン」の「キャンベル・アーリーロゼ2022」のテイスティングについて紹介します。どうぞお楽しみに!
【宮坂佳奈さんプロフィール】
- 2018ミスワイン長野大会準グランプリ受賞
- 2018ミスワイン日本大会準グランプリ受賞
- 日本ソムリエ協会認定ソムリエ/ワインエキスパート
- 日本ワインショップスタッフ
- 日本ワインイベントMC経験多数
- ニッポンのいいお酒 ディレクター