こんにちは、宮坂佳奈です!
ワインテイスティングに関する前回までの記事は読んでいただけましたか?まだの方は、お時間のあるときにぜひご確認いただければ嬉しいです!
上記タイトルをクリックすると過去記事まとめて見ることができます。
今回テイスティングコメントを紹介するワインは、石川県「ハイディワイナリー」の「相承キュヴェメモリアル2020」です。
まずは、ワイナリーとワインについて紹介します。「Terroir.media」には、ハイディワイナリーの紹介記事と追跡記事を掲載していますので、ぜひあわせてご覧ください!
▶ワイナリー紹介
「ハイディワイナリー」は、神奈川横浜市出身の高作正樹さんが、2011年に創業したワイナリー。石川県輪島市の海が見える丘の上に、ワイナリーとぶどう畑が広がっている。ハイディワイナリーの自慢は、自然栽培のぶどうと、温度管理を徹底して醸造したワインだ。
ミネラル豊富な能登半島の土壌の栄養価を、たっぷりと吸収したぶどうを栽培する。草生栽培や微生物農法を利用し、自然環境と共存した栽培方法でぶどうの魅力を最大限に引き出しているのが特徴だ。また、手作業で朝方に行う収穫作業も、大きなこだわりのひとつ。朝方に作業することで、ぶどうの香りが維持されるのだ。
厳しい温度管理が生み出すワインは、海の幸に合うピュアな味わい。スパークリングワインや白ワインは海産物との相性が抜群で、特に寿司とのペアリングは感動の一言だ。一方の赤ワインは、能登半島で収穫される「山菜」との組み合わせが絶妙。地域の魅力を存分に映し出したワインを醸造する、ハイディワイナリー。
▶ワイン紹介
相承キュヴェメモリアル2020白
700年の歴史を誇る大本山總持寺の御用達ワインです。日本海を見下ろすミネラル豊富な土壌で育ったセミヨンとアルバリーニョを使用。洋梨のようなアロマを感じ、特徴的な酸味が心地よい仕上がりです。海のミネラルを感じる能登のテロワールをご堪能ください。
相承キュヴェメモリアル2020白
【白】750ml
700年の歴史を誇る大本山總持寺の御用達ワインです。日本海を見下ろすミネラル豊富な土壌で育ったセミヨンとアルバリーニョを使用。洋梨のようなアロマを感じ、特徴的な酸味が心地よい仕上がりです。海のミネラルを感じる能登のテロワールをご堪能ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
支え合う ご縁から生まれた 曹洞宗大本山總持寺 御用達ワイン
石川県輪島市、門前町。海と里山に囲まれた能登半島・西海岸沿いのちいさな町に、ハイディワイナリーは、ぶどう畑と醸造所を構えています。2012年春にゼロから畑を開墾し、ようやく1年が過ぎた2013年3月。北陸の長い冬が続くなかで、新たに1000本の苗木を植樹することとなった私たち兄妹は、芽吹きの季節が迫るタイムリミットの中でなかなか終わりの見えない作業に悪戦苦闘していました。
そんなとき、曹洞宗總持寺祖院の僧侶の方々が快く苗植えのお手伝いを引き受けてくださったことがすべての始まりです。『輪島市門前町』という地元のご縁が繋がったことにより、約20名の僧侶の皆様と共に無事1000本の苗木を植樹。そのような活動をきっかけに、曹洞宗大本山總持寺より正式に『相承』というロゴを刻んだオリジナルワインの製造依頼を受けることとなります。2015年には横浜市鶴見区にある曹洞宗大本山總持寺より『相承ワイン』が御用達の称号を受けるなど、とても深いお付き合いをさせて頂いています。2017年9月には、共に1000本植樹したメルローが初収穫を迎え、私たちの手でていねいに醸し、熟成。2018年8月よりリリースする運びとなりました。700年という歴史を持つ總持寺祖院がワインという新しい文化を受け入れ、次の世代の産業をこの門前町で一緒に育んでいく。畑は違えど、お寺もワイナリーも土地を想う気持ちは同じ。そんな中生まれた『相承ワイン』は、これから長いスパンをかけどう進化していくのか。そんな未来に思いを馳せながら、是非ワインをお楽しみいただければ幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回試飲させていただく「相承キュヴェメモリアル2020」は、セミヨンを82%、アルバリーニョを18%使用した白ワイン。アルコール度数は12%です。
公式サイトより引用
▶セミヨンとは?
セミヨンは、フランスのボルドー地方が原産とされる白ブドウで、現在もボルドー地方が主な産地となっています。セミヨンは、若いうちはあまり際立った特徴がなく、フランスではソーヴィニヨン・ブランとブレンドされることが多い品種です。
辛口から甘口までさまざまな表情をみせてくれる品種、セミヨン。世界三大貴腐ワインのひとつ、ボルドーのソーテルヌ地区などでつくられる貴腐ワインは、このセミヨンでつくられています。セミヨンは皮が薄いため、貴腐菌がつきやすいのだそうです。
▶アルバリーニョとは?
アルバリーニョは、イベリア半島の北西部を原産とする白ブドウ。スペインの白ワインを代表する、高級白ワイン用品種ともいわれています。
アルバリーニョはスペインやポルトガルで、長年この地方でのみ栽培されてきたのですが、近年は日本でも注目され、全国各地で栽培されています!
魚介料理との相性もよく、ハイディワイナリーでも人気の品種とのことです。
さっそく、紹介していきましょう!
▶ワイン会参加者の声
参加者の皆様の感想を紹介します!
セミヨンの甘口ワインとフォアグラを合わせることがあるのですが、レバーパテもフォアグラに少し似た風味があり、そのペアリングを想像しながらいただきました。
レバーパテがまた登場しました!「相承キュヴェメモリアル2020」がレバーパテのうまみや甘みを引き出してくれるように感じました。
複雑な香りと味わいのあるワインなので、お料理に合わせず、ワインだけでゆったりとした時間を味わうのもいいですね。
能登半島の海を臨んだ場所にあるハイディワイナリー。ぶどう畑は大昔、海底だったところが隆起してできた土地で、土壌にはミネラル分が豊富だそう。塩味を感じ、魚と相性がいいこともうなずけます。
セミヨンとアルバリーニョの複雑な香りは、エスニックなお料理に合わせてみたいですね。
ウニのパスタにも合いそうです。
注いでから少し時間が経つと、たしかに「冷凍ミカン」のような風味を感じました!最終的には、ほとんどの参加者が「懐かしい!冷凍ミカンだ!」との感想を持ったようで、とても盛り上がりました。
しんじょが入ったお椀を開けると、ゆずや三つ葉の香りがするシーンが想像できました。温泉旅館でお風呂上りにこのワインとお食事を楽しみたいです。
ジャスミンの香りも感じました!「相承キュヴェメモリアル2020」はとても香り豊かで、想像が膨らむワインです。
▶おすすめペアリング
セミヨンとアルバリーニョをブレンドした「相承キュヴェメモリアル2020」。
グラスに鼻を近づけるとフワッと華やかな香りに包まれ、その後感じる磯の香りが心地よいワインです。セミヨンからくる紅茶のような深みある香り、飲んだ後に鼻から抜ける香りはダージリンの香りに近く、後味は口の中に余韻を残すしっかりとした味わいです。
少し時間が経つとアプリコットを思わせる甘味や酸味も感じました。
お料理とのペアリングとしては、アスパラベーコンやホタテ・イカのフリット、山菜の天ぷらなどと相性がよさそうです。
ローズマリーをきかせたローストチキン、魚介であればアクアパッツァなど、ハーブやスパイスの効いたお料理とも相性が良さそうだなと感じました。
見下ろせば海、という高台にあるハイディワイナリーのワインは、白ワインは魚介に、赤ワインは山菜に合うワインを醸造されているそうです。ワインと合わせるお料理に迷ってしまったら、あまり難しく考えずに、ワイン用ぶどうが育った場所を想像して、そこでいただきたいお料理と合わせてみるのもひとつの方法ですよ。
▶まとめ
今回テイスティングした「相承キュヴェメモリアル2020」は、セミヨンとアルバリーニョをブレンドした、少し珍しいワイン。ワイン会参加者の方も「相承キュヴェメモリアル2020」をテイスティングする際は想像がふくらんだようで、話が盛り上がり楽しい時を過ごしました。
ハイディワイナリーでは、シャルドネとセミヨンを使用したワイン、「相承キュヴェメモリアル 2019 白」も販売していて、こちらもぜひ試してみたくなりました。
毎年変化する味わいから目が離せないハイディワイナリー。皆様もぜひ「相承キュヴェメモリアル2020」を召し上がって、ワインの中に秘められた香りや味わいを楽しみながら素敵な夏の思い出をつくってみてはいかがですか。
次回は、涼海の丘ワイナリー「涼海の丘の風2020」のテイスティングについて紹介します。どうぞお楽しみに!
【宮坂佳奈プロフィール】
YouTubeチャンネル「宮坂佳奈の日本ワインて楽しい!」では、「feel terroir!日本ワインを味わってみよう!」の記事で紹介する、おすすめワインのテイスティングの様子も公開予定です。
- 2018ミスワイン長野大会準グランプリ受賞
- 2018ミスワイン日本大会準グランプリ受賞
- 日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
- 日本ワインショップスタッフ
- 日本ワインイベントMC経験多数