feel terroir!日本ワインを味わってみよう!『甲斐ワイナリー』「キュベかざまメルロー2019」〜重厚で繊細、華やかで複雑!絶妙なバランスの赤ワイン〜

こんにちは、宮坂佳奈です!

ワインテイスティングに関する前回の記事は読んでいただけましたか?まだの方は、お時間のあるときにぜひご確認いただければ嬉しいです!

feel terroir!日本ワインを味わってみよう!

上記タイトルをクリックすると過去記事まとめて見ることができます。

今回テイスティングコメントを紹介するのは、山梨県「甲斐ワイナリー」の、「キュベかざまメルロー2019」です。

まずは、ワイナリーとワインについて紹介します。「Terroir.media」には、甲斐ワイナリーの紹介記事と追跡記事を掲載していますので、ぜひあわせてご覧ください!

▶ワイナリー紹介

江戸時代から酒造業を営み、現在はワインを醸造している「甲斐ワイナリー」。貯蔵室や売店の建造物は国登録有形文化財に指定されており、古きよき時代の面影を今なお残している。

酒造りの伝統を継承してきた甲斐ワイナリーは、山梨県甲州市にある。日本ワインの聖地ともいえる場所で、丁寧に実直にワインを造っている。1.3haほどの自社圃場では、甲州、メルロー、バルベーラなどを栽培。

栽培はとにかく「丁寧に」がモットーだ。ワイナリーで働くメンバーが、日々目を光らせてぶどうを観察し、どんな小さな異変も見逃さない。

昼夜の寒暖差にさらされ、水はけが良好な圃場でたくましく育ったぶどうは、上質な酸と芳醇な香りを持つワインになる。甲斐ワイナリーのワインは美しいのどごしを持ち、和食に合うのが特徴だ。
特に、旬のたけのこと「かざま甲州」とのペアリングは、ぜひ一度体験していただきたい。日本ワインの粋を感じられるはずだ。

▶ワイン紹介

キュベかざまメルロー2020

*現在ヴィンテージ2019は、オンラインショップで販売するものは全て完売、店頭のみ購入可。

甲州市塩山の自社畑で栽培した凝縮感のあるメルローを完熟を待って収穫。丁寧な選果の上、醸造しました。華やかで複雑な香りと、重厚でありながら繊細な口当たりの自信作です。

【品種】メルロー
【アルコール】13%
【内容量】720ml

なんと、栽培醸造責任者の風間さんから、このワインへのコメントをいただきました!

「キュベかざまメルロー2019はスイスイ飲み進められるワインです。お肉やチーズに合わせてお召し上がりください。私個人的には、常温より若干低めの温度で飲むのが好きです。暑い時期は少し冷やしても美味しいですよ」。

今回のワイン会では、キュベかざまメルロー2019を冷蔵庫で30分ほど冷やしてから提供しました。赤ワインには、冷やすことでタンニンや酸が際立ってしまうものもありますが、キュベかざまメルロー2019は少し冷やすことでよりなめらかになり、スイスイと飲めてしまうワインです。飲み過ぎには注意してくださいね。

▶メルローとはどんな品種?

メルローはフランス・ボルドー地方が原産の赤ワイン用ぶどう品種。栽培面積はカベルネ・ソーヴィニヨンに次いで世界第2位を誇ります。

病気や寒さに強く、早熟でどのような場所で栽培しても比較的よいぶどうが採れることから、世界中で育てられているメルロー。水分を多く含んだ土壌でも完熟するメルローは、雨の多い日本でもすばらしい品質のものが作られています。

特に、長野県塩尻市桔梗ヶ原で作られるメルローは海外からも高い評価を受けていて、いまでは山梨や岩手、山形や大阪など日本各地ですばらしいメルローが栽培されているんです。

味わいの特徴は、なんといってもそのまろやかさとふくよかさ。渋みが少なくなめらかなタンニンで、「ビロードのよう」と表現されることも。プラムやカシス、ブルーベリーやブラックチェリーを連想させる豊かな果実味で、穏やかなスパイス感で酸は低め。長期熟成にも耐えうるポテンシャルを持っています。

品種の個性がそれほど強くないので、メルローは造り手の思いやこだわりがワインにダイレクトに影響する品種ともいわれます。

​​原産地のボルドーでは、メルロー100%のワインが造られることはほとんどありません。とりわけ、主産地であるサン・テミリオンやポムロールなどの右岸エリアでは、カベルネ・フランなどとブレンドされ、左岸エリアではカベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされることで素晴らしい品質のワインが誕生しています。

▶ワイン会参加者の声

それではさっそく、参加者のみなさまの感想を紹介しますね!

■Aさん

今回提供した和牛のローストは醤油ベースの玉ねぎソースを使っています。お肉の旨味をキュベかざまメルロー2019がしっかりと引き出してくれました。

■Bさん

キュベかざまメルロー2019はどっしりと重厚、かつ穏やかなタンニンや酸も兼ね備えた繊細で複雑なワイン。日本の気候風土で育ったぶどうだけが持つ、さまざまな表情をぜひ感じながら和牛を味わってみてください。

■Cさん

ショウガを加え、砂糖や醤油で甘辛く煮た牛のしぐれ煮とも相性が良さそうです!ショウガやゴボウなどの根菜とキュベかざまメルロー2019を合わせるとピッタリですね。

■Dさん

確かに!味噌との相性もいいですね!スパイシーで甘塩っぱい手羽先を、キュベかざまメルロー2019が柔らかく包み、よりふっくらとした鶏の旨味を引き出してくれそうです。

■Eさん

どっしりとした深みがある中にも、赤い果実の明るさや軽さを兼ね備えた赤ワインですね。今の時期、脂のたっぷり乗った戻りガツオを厚切りにして、薬味をたっぷり載せてキュベかざまメルロー2019と合わせてみたいです。キュベかざまメルロー2019のほのかに感じる青さがマッチしそうですね。

■Fさん

意外な組み合わせから美味しさが広がるところも、ワイン会の醍醐味です。今回の秋刀魚ご飯にはショウガとキノコも入っていて、秋の味覚たっぷりのお食事でした。ぜひキュベかざまメルロー2019と合わせてご家庭でも試してみてください!

■Gさん

キュベかざまメルロー2019の複雑さと秋刀魚のほろ苦さが合うのではと、今回秋刀魚の炊き込みご飯をチョイスしました。秋刀魚の脂味や苦味をキュベかざまメルロー2019が見事に引き出してくれましたね。

■Hさん

差し入れでいただいた山梨銘菓「菓子処澤田屋」の「くろ玉」とも合いました。2種類の青えんどう豆でつくった餡を丸め、黒糖羊羹で包んだ上品な和菓子です。ねっとり濃厚な餡の甘さを、キュベかざまメルロー2019のほんのり感じる青さが口の中をさっぱりと中和してくれますね。

■Iさん

本当に優しくエレガントなワインですね。上質で脂が乗った料理と合わせたい上品なワイン。
ワインの香りの表現として、樽の使い方が絶妙だと表現されることがありますが、樽の香りに負けないぶどうの強さも、このワインの特徴だと思います。

■Jさん

ブルーベリーやカシスなどの果実の香りもしっかり感じつつ、樽香も感じました。どちらかに片寄るのではなく、バランスのとれた見事なワインですね。まろやかな酸味も感じるので、飲み飽きず、最後まで余韻を楽しめます。

▶おすすめペアリング

キュベかざまメルロー2019は宝石のガーネットを連想させる色で、澄んでキラキラと輝いています。

香りはブルーベリーやブラックチェリー、カシスを連想させる赤い果実の香り。さらにラズベリーのような華やかな香りと、ふんわり漂う樽の香りも心地よく鼻をくすぐります。赤やピンクなど、明るい色調の花束を思わせる香りです。

ひとくち含むと、まろやかでシルキーな心地よさが口の中をやわらかく包み、華やかな果実感がゆっくりと鼻から抜けていきます。穏やかな酸もしっかりと存在し、飲み疲れすることなくずっと飲んでいられる心地よさが続きます。
重厚さ、繊細さ、果実感、複雑さ、なめらかさといった特徴がバランスよく溶け合い、立体感ある余韻が長いワインです。

私のオススメのペアリングをご紹介しますね。

★和牛ステーキ
サシがきめ細やかな和牛のステーキを、わさびと塩でシンプルに。わさびのツンと鼻に抜ける辛さは、赤ワインに含まれるタンニンによってマイルドに調和するといわれます。キュベかざまメルロー2019の複雑さとなめらかなタンニンがバランスよく調和して、上質な和牛ステーキの旨味をさらに引き出してくれそうです。

★鴨のロースト、バルサミコソース
キュベかざまメルロー2019の赤い果実を思わせる香りとほどよい酸が、鴨肉の脂をマイルドに包み、バルサミコソースの酸がより華やかに食卓を演出してくれそうです。

★日本のチーズ
キュベかざまメルロー2019は旨味があり、華やかな香りのワインですが、繊細さも兼ね備えたワインです。クセが強すぎない日本のチーズがよく合うと思います。
実際に相性がよかったのが、長野県産の青カビチーズ。海外の青カビチーズに比べて独特なクセやニオイがなく、ツンとした青カビの刺激をキュベかざまメルロー2019がやさしく包み込んでくれました。

★いくらごはん
以前日本のメルローといくらご飯を合わせてとても美味しかったのが印象的でした。キュベかざまメルロー2019はまろやかな酸も特徴で、酢飯とも相性がよさそうです。いくらの軍艦巻きとも合うこと間違いなし!

▶まとめ

山梨県甲斐ワイナリーの「キュベかざまメルロー2019」。美味しい秋の味覚溢れるワイン会の最後に登場するにふさわしい、やわらかく複雑で、さまざまな可能性を秘めたワインです。

甲斐ワイナリーは、歴史を感じる趣ある建物がとても素敵なワイナリーです。

築200年の国指定有形文化財に登録されている蔵をリフォームして誕生した「Wine&Cafe 古壺」では、古民家のような落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりとランチやテイスティングを楽しむことができます。ランチやフードメニューもとても充実しているんですよ!

1834年から酒造業を営む歴史ある甲斐ワイナリー。伝統を大切に守りながらも常に新しいことに挑戦し続ける甲斐ワイナリーが造る「キュベかざまメルロー2019」。

ぜひ、秋の味覚と共にお楽しみください!

次のコラボ企画が出来次第、また掲載があるかも・・・次はいつ頃かな?

次回もお楽しみに!!


【宮坂佳奈さんプロフィール】

  • 2018ミスワイン長野大会準グランプリ受賞
  • 2018ミスワイン日本大会準グランプリ受賞
  • 日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
  • 日本ワインショップスタッフ
  • 日本ワインイベントMC経験多数
  • ニッポンのいいお酒 ディレクター

【宮坂佳奈さんと逢えるかも・・・イベント告知】

山梨ワインラウンジ

期間:2022年12月2日(金)~2022年12月11日(日)
時間:13時~20時
開催場所:ルミネ立川9階 LUMINEラウンジ
詳しくはこちら:https://www.lumine.ne.jp/tachikawa/topics/topics_details.php?article_no=8488

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