イベント体験記:志津川湾クルーズと美食を堪能できる『南三陸ワイナリー』海中熟成ワイン引き上げイベント2022

こんにちは!宮城県にある「南三陸ワイナリー」が主催する「海中熟成ワイン引き上げイベント2022」に参加してきました。

サムネイル写真をご覧になって「ワインボトルにフジツボが付いてるよ?」と驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらのワインは、南三陸ワイナリーの目の前に広がる志津川湾の海中で9か月ほど熟成され、引き上げて洗浄した状態のワインです!

海の中にお酒を沈めておくと

  1. 温度変化が地上に比べて少ない
  2. 空気中と比べて音の伝わる速度が4倍近く早い海中は、生き物や船の音などが広範囲から微振動としてワインボトルに伝わり、ワインが地上に比べて早く熟成する

といった効果があるといわれています。日本では、古くから日本酒や泡盛が海の中で熟成されてきました。

「海中熟成させたワインは、地上で熟成させたワインよりも2~3倍程度熟成が早いことを実感しています」と、南三陸ワイナリー代表取締役の佐々木道彦さんは熱く語ります。

南三陸ワイナリーは、道路を挟んで目の前が海という、まさに海と共にあるワイナリー。ワイナリーの建物は、元水産加工場だった場所を改装しています。

「海中熟成ワイン引き上げイベント2022」は、

  1. 海中熟成ワインを引き上げる作業をクルーズ船から見学
  2. 引き上げたワインの取り外し、洗浄体験
  3. 南三陸の旬の地元食材を使った特別ディナー

の3部構成です。

今年はこちらのイベントが7月〜8月の間で全5回開催されました。

それではさっそくクルーズ船に乗り込み、海中熟成ワインの引き上げを見学しに行きましょう!

『志津川湾周遊クルーズ。牡蠣漁師の後藤さんがワカメと格闘しお宝を引き上げる』

イベント開始直後から降り出した雨。それでも波は穏やかとのことで、参加者7名はレインコートを着用し、ワイナリーの目の前に広がる志津川湾へと向かいます。

本当に波は穏やかなのかな…ドキドキしながら牡蠣漁師の後藤さんの漁場までクルーズがスタートします。天候とは裏腹に波はびっくりするほど穏やかで、船長の佐藤さんの軽快なトークと共に沖へ進みます。

「あ、あそこだ!」

佐藤さんの指差す方向では、牡蠣漁師の後藤さんとワイナリー代表の佐々木さんが船の上でワインボトル引き上げの準備をしていました。

「ではみなさん、これからワインボトルをひき上げます!」
佐々木さん(写真左)のかけ声とともに、牡蠣漁師の後藤さんが海からなにやら引き上げ始めました。たくさんのワカメや昆布がカーテンのように巻きついて出てくるばかり。果たして本当にここからワインボトルが引き上げられるのか?参加者がハラハラと見守ります。

船の上からワインボトルがくくりつけられた、牡蠣漁で使用するネットを引き上げます。

海藻のカーテンの中からお宝が見えてきました!

無事に引き上げました!牡蠣漁師の後藤新太郎さん(右)とワイナリー代表の佐々木さん(左)

今回は「MERLOT 2020」を4ネット計120本、「CHARDONNAY 2021」を2ネット計60本、合計180本のワインボトルを海中から引き上げました。

このワインボトルが入ったネットは、後藤さんたち牡蠣漁師さんが牡蠣の養殖に実際使用しているもの。このネットにボトルをヒモでくくりつけて海中に沈めます。

この志津川湾内で養殖されている牡蠣、「戸倉っこかき」は、日本初となる海のエコラベル、ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)国際認証を取得しています。ASC国際認証は、養殖による環境への負荷を軽減し、養殖業に関わる人や地域社会に配慮した「責任ある養殖物」であることの証明なのです。

東日本大震災で甚大な被害を受け、養殖場のすべてを失った宮城県南三陸町戸倉地区。震災後、それまでの「質より量」を目指す養殖法から、持続可能な養殖を行うことに方向転換しました。

その結果、よりみずみずしく、プリプリで美味しい牡蠣が採れ、環境にやさしく、かつ漁師さんたちの労働環境もグンと改善され、今回のような南三陸ワイナリーと共に新たな取り組みにもチャレンジできるようになったのです。

地元の漁師さんたちの協力があるからこそ、ワインを海中で熟成し、その美味しさを堪能することができるのですね。

今回参加した「志津川湾周遊クルーズ」は、漁船やボードの販売・修理を行う地元の佐藤鉄工所と南三陸ワイナリーが共同で企画・運営しているクルーズです。船長の佐藤さんから、志津川湾に浮かぶ美しい島々や養殖場について、ユーモアたっぷりに分かりやすくお話いただきました。何より安全操縦で、牡蠣漁師の後藤さんが活躍する様子をしっかり見学できるよう、船を近づけてくれる操縦さばきに惚れ惚れしてしまいました。

『引き上げたワインをネットからはずし、洗浄体験スタート』

牡蠣漁師の後藤さん、船長の佐藤さんに別れを告げ、ワイナリーに戻って洗浄作業がスタートしました。

1つのネットには30本のワインが収納されています。1本のワインボトルにつき3か所ヒモでくくりつけられているのですが、まずはそのヒモを丁寧にハサミで切り、ワインボトルをネットから外す作業から。


ネットは牡蠣の養殖で使うので切らないよう注意しながら、ワインボトルを落とさないようそっと取り外していきます。

ワインボトルのまわりにはフジツボがびっしりついているので、腕を伸ばした時にフジツボのトゲトゲでケガをしないよう、作業にはゴム手袋を装着します。

取り外したワインボトルは画像のような状態。ワインボトルの周囲やラベルがヌルヌルとコケで覆われているので、バケツのなかでブラシを使ってしっかり洗浄します。ラベルはメラミンスポンジを使用して丁寧にゴシゴシ。ラベルが剥がれてしまうボトルも2〜3本ありましたが、ほとんどのラベルが剥がれることなく、キレイに洗浄されていきます。

ワインボトルのまわりには、フジツボの他にムール貝や牡蠣の稚貝がくっついていることもありました。それらをブラシでゴシゴシと取り除いていきます。

すべての貝を完全に取り除くことはできません。けれど、フジツボなどが生きたままの状態でお客様の元に出荷してしまうと、箱を開けた瞬間プーンと立ち込めるニオイがキケンです!洗浄後はさらに、鋭利な刃物などを使用してフジツボなどの中身を取り除き、貝殻だけがワインボトルに付着している状態にします。

7名の参加者ともすっかり打ち解けて、和気あいあいと作業が進みました。参加者のうち、2名の方は岩手から、あとの筆者含め5名は関東からの参加でした。皆さん今回のイベントに参加することを目的に、旅行を計画して来たそうです。

海から引き上げたワインボトルが自分たちの手でキレイになり、お客様の元に届くかと思うと想像するだけでワクワクします。

180本の洗浄作業を終え後片付けをしたら、いよいよ本日一番のお楽しみ、南三陸ワイナリーのシェフ特製ディナー&海中熟成ワインを堪能します!

『美味しさもボリュームも大満足!南三陸の旬の地元食材を使った特別ディナー』

参加者全員が着席すると、お待ちかねのディナータイムがスタートします。まずは本日提供されたワインからご説明します。

▶︎ご提供ワインのご紹介

写真左から順に説明していきます。

①​​CIDRE2020 シードル(辛口)

*「​​CIDRE2020」の販売は残念ながら終了しています。今回の海中熟成ワイン引き上げイベントで参加者に特別に提供されました!現在は「CIDRE 2021」を販売中です。

CIDRE 2021 シードル(辛口)

旨みが強く香り豊かなフジをメインに、爽やかな酸味のサワールージュ、芳醇な香りの王林の3種類の南三陸産リンゴを使用。
瓶内二次発酵による優しい泡が特長の、すっきり飲める辛口のシードルです。ガス圧は控えめなのでしっかりと冷やして気軽にお楽しみください。

アルコール分:7.5%

容量:375ml

「CIDRE 2021」オンラインショップはこちらから

②CHARDONNAY 2021 シャルドネ(白・辛口)

<2021年12月22日発売>
山形県産シャルドネを主体に、少量のソーヴィニヨン・ブランを加え、丁寧に低温で発酵させることで、和梨やパイナップルなどフルーティな香りが高いワインが出来ました。程よい酸味と旨みがあり、種々の料理との相性も良いので、食事と共にお楽しみください。
 

アルコール分:11.5%

容量:750m
(公式オンラインショップより抜粋)
CHARDONNAY 2021 オンラインショップはこちらから

③志津川湾海中熟成ワイン CHARDONNAY 2021(白・辛口)

こちらは②のワインを海中で熟成したもので、イベントで私たちが引き上げたホヤホヤのものをいただきました!

志津川湾の牡蠣棚に吊るし、海中で半年間熟成させた辛口のシャルドネです。
2021年12月に瓶詰後、2022年1月に志津川湾に沈め、2022年7月および8月まで約半年間、海中で熟成させました。
南三陸の戸倉の牡蠣漁師の協力のもと、牡蠣棚に養殖の牡蠣と同じように吊るしたシャルドネは、海中で熟成が早まりまろやかな味わいとなりました。ギフトボックスに入れてお届けします。

アルコール分:11.5% 容量:750ml
(公式オンラインショップより抜粋)

志津川湾海中熟成ワイン CHARDONNAY 2021 オンラインショップはこちらから

④​​​​MERLOT 2020 メルロ(赤・辛口)

山形県上山産のメルロで仕込んだ鮮やかな赤色のワインで、フレッシュな赤果実の香りがあり、旨みと酸味のバランスが良く、軽めのタンニンが心地良いです。
上品で飲みやすく、煮込み料理や軽めの肉料理などのお食事と一緒にお楽しみください。

アルコール分:12% 容量:750ml

(公式オンラインショップより抜粋)
MERLOT 2020 メルロ オンラインショップはこちら

⑤​​志津川湾海中熟成ワイン MERLOT 2020(赤・辛口)

【初回引き上げ分限定50本】
志津川湾の牡蠣棚に吊るし、海中で9ヶ月間熟成させた辛口のメルロです。

2020年秋に仕込み、2021年4月に瓶詰後、2021年10月~2022年7月までの9ヶ月間、海中で熟成させました。海中で熟成が早まり、バランスが取れ、まろやかで落ち着いたタンニンが特徴のワインです。ギフトボックスに入れてお届けします。

アルコール分:12% 容量:750ml

※海中熟成のボトルには貝やフジツボが付いている場合がありますので、箱から取り出したりワインを注ぐ際、ボトルの貝で指などを怪我されないようご注意お願いいたします。

(公式オンラインショップより抜粋)
志津川湾海中熟成ワイン MERLOT 2020 オンラインショップはこちら

南三陸ワイナリーが目指すワインは、「南三陸産の食材を楽しむためのワイン」。
醸造の際には「ワイナリー併設のキッチンで、専属シェフが作る料理に合わせることをイメージして醸造します」という佐々木さん。南三陸ワイナリーのワインは、南三陸の食材があってこそ引き立つのですね。

メルロは飲み比べセットも販売しています。また地上熟成のワインも購入できるので、イベントに参加していない方も飲み比べをすることができます!海中から引き上げたワインをすぐに味わえるのは、イベントに参加した方だけの特権かもしれません。

南三陸ワイナリー、シェフの佐藤さんのコメントと共に、料理とワインの紹介をします!

▶︎料理とワインのペアリング

今回提供された料理は全部で5品。ディナーメニューは季節によって、旬の新鮮な食材を使ってサーブされます。どのプレートも素晴らしい食材がふんだんに使われていてボリューム満点!こんなにたくさんいただいていいのでしょうか?と思ってしまうほど、心地よい労働後の最高のご褒美でした!

料理の説明は、南三陸ワイナリーシェフ、佐藤将人さんが担当。京都の料亭はじめ数々の和食の名店で修行された佐藤さん。2020年に故郷である南三陸の地に戻り、実家の漁業を継ぎながら、南三陸ワイナリーで地元の旬の食材をふんだんに使った料理を振る舞います。イベント当日も早朝から志津川湾にて銀鮭の水あげをし、その銀鮭が今回いただけるということで、参加者のワクワクも倍増します。

サービスを担当してくださったのは、南三陸ワイナリー販売担当の吉島有紀さん。長野県南安曇郡(現・安曇野市)ご出身の吉島さんは、南三陸ワイナリーがオープンすると同時に南三陸へ移住しました。海の無い長野県で育ったため、海の近くで暮らしてみたいという思いが強かったそうです。

最初のプレートはこちら。「南三陸農工房のジャガイモのムースと南三陸産生ウニ」。「​​CIDRE2020」と共に乾杯していただきました。

ウニの旬は6月中旬から8月初旬までといわれていますが、南三陸町では、ウニは決められた日の決められた時間にしか漁ができません。漁業権を持っている人だけが漁ができる日のことを、地元では「開口」というそうです。2時間〜2時間半という限られた時間内で採れたこちらのウニ。クリーミーで塩味まろやか、濃厚で口中にウニの甘さが広がります。

合わせた「​​CIDRE2020」は、南三陸産りんごを2種類使い、ドライで爽やかな発泡。ウニの甘さと合間って贅沢なマリアージュを堪能しました。

2皿目は、「志津川湾産ナメタガレイのカルパッチョ」。ナメタガレイは、地元ではお正月に煮物で振る舞われるそうです。カレイの旬は夏。この時期は脂がしっかりのって甘みたっぷり、エンガワ部分(背びれや尾びれの付け根部分、筋肉が発達しコリコリしているのが特徴)も美味しくいただきました。

いよいよ「CHARDONNAY 2021」と「志津川湾海中熟成ワイン CHARDONNAY 2021」が登場しました!今回海から引き上げたばかりの海中熟成ワインが開栓されます!

まずは海中熟成していない「CHARDONNAY 2021」から。よく冷えたワインが酸味とともに胃の中をキュッと刺激する感覚は、フランス・ブルゴーニュ地方でつくられる「シャブリ」を連想し、生牡蠣に合わせたくなりました。

続いていただいた「志津川湾海中熟成ワイン CHARDONNAY 2021」。こちらは熟成されていない「CHARDONNAY 2021」より少し温度が高めで提供されました。口に含んでびっくり。「CHARDONNAY 2021」のキュッとした尖りがなくなって絹のようになめらかな舌触り。

たとえるならばまさに「三角形が丸くなったような」やわらかさがグラスの中に表現されていました。6か月間海中に沈めてこんなにまろやかになるなんて!海中熟成の素晴らしさを体感しました。

3皿目は「戸倉産銀鮭の生ハム仕立てとコンフィ」。写真がかなりドアップになってしまい恐縮ですが、この肉厚感、ボリュームが伝わりますでしょうか。

こちら、佐藤シェフが志津川湾で水揚げした鮭を血抜きしてスライスし、生ハム仕立ては冷蔵乾燥させ、コンフィはオイルと共に低温調理されたもの。なんと、生ハム仕立てとコンフィの2種類の鮭をいただけるのです!口の中でトロっと溶ける新鮮な銀鮭、サワークリームとの相性も素晴らしく、キリッとした「CHARDONNAY 2021」に合わせると銀鮭の甘みが引き立ち、「志津川湾海中熟成ワイン CHARDONNAY 2021」に合わせると口中に濃厚なトロミが広がり、2種類のペアリングを贅沢に体感しました。

さらにお料理は続きます。4皿目は「いばり仔豚の自家製ハム 季節の野菜添え」。いばり仔豚?イベリコ豚ではないの?という意見が聞こえてきそうですが、こちら「いばり仔豚」は南三陸町志津川の惣内山(そうないさん)という山の斜面で放牧されたブランド豚です。都内一流フレンチレストランのシェフが「日本一うまい豚!」と太鼓判を押したといわれる「いばり仔豚」を3日間、香味野菜でゆっくり漬け込んだハムを賞味します。

ワインはいよいよクライマックスへ。メルロの赤が登場します。​​​​いただいたのは、海中熟成をしていない「MERLOT 2020」と「志津川湾海中熟成ワイン MERLOT 2020」。

「志津川湾海中熟成ワイン MERLOT 2020」は「MERLOT 2020」よりも温度がやや低め、少し冷えた状態で提供されました。なぜ温度を変えて提供されるのかと吉島さんに伺うと、「『志津川湾海中熟成ワイン MERLOT 2020』は後味がシルキーなため、それをより感じていただくために少し温度を下げて提供しております」とのことでした。

「MERLOT 2020」は若々しく華やかなベリー系の香り、口に含むと爽やかな酸味を感じます。一方「志津川湾海中熟成ワイン MERLOT 2020」はプルーンのような熟した果実の香り、酸味とタンニンがまろやかに落ち着き、少し温度が低いにもかかわらず口の中にコクと余韻が残るのはさすがなだあと唸ってしまいました。

え!まだ、お料理が提供されるの!最後のプレートは「志津川湾産活穴子の赤ワイン煮」。穴子の旬はまさに7月。トロリと脂の乗った穴子は、生きている状態で調理されたと聞き、その新鮮さに益々食べるのが楽しみに。穴子の下にはタケノコやフクロタケなどたくさんの野菜が詰まっています。

こちらに「MERLOT 2020」を合わせると、フレッシュな酸味と合間ってより穴子の甘さが際立ちました。一方、熟成した「志津川湾海中熟成ワイン MERLOT 2020」と共にいただくと、メルローの芳醇さが濃厚な穴子の脂をまろやかに中和してくれるようでした。

同じぶどうから同じタイミングでつくられたワインの違いをこのように堪能できるのは、「海中熟成」という短時間で素晴らしい効果を出す熟成方法が可能となるからこそです。

さらには塩味の効いた自家製フォカッチャもサービスされ、お腹も心も大満足のディナーを、ゆったり流れる時の中で贅沢に堪能しました。

▶︎ワインをつくることは、南三陸をつなぐこと

食事を堪能しながら、南三陸ワイナリー代表の佐々木さんが、店内のモニターを使って南三陸の地でワイナリーをオープンさせた思い、南三陸という場所の素晴らしさについて語ってくれました。

「南三陸町は海がメインのように思われますが、実際は町の77%が山におおわれています。南三陸町には『いばり仔豚』をはじめ、『わかめ羊』という、志津川湾のワカメの茎を粉末にして飼料にしたものを食べて育ったブランド羊があります。志津川湾で採れる魚介類はもちろんのこと、このような美味しいお肉ともペアリングできるワインをつくることで、地域、そして人びとをつなぐ役割を南三陸ワイナリーは担います」。

「私は以前、楽器メーカーで企画開発に携わっていました。あまりに違う業種のように思われますが、『もの造り』という点において共通しています。ワインはダイレクトにお客様から反応を聞くことができます。南三陸というコンパクトな場所だからこそ、大阪生まれ山形育ちという私を、地域の方たちが優しく受け入れてくれたのだと思っています」。

佐々木さんはお話の中で、南三陸ワイナリーのボトルに描かれたエチケットについても説明してくれました。

「南三陸ワイナリーのエチケットに描かれたキリコは、南三陸町にある上山八幡宮の禰宜の方にお願いしています。『キリコ』とは、昔から伝わる、上山八幡宮の氏子たちのために半紙で作る神棚飾りのこと。キリコには、不良不作の時でも神社に御供物をささげたい人たちの祈りの形が込められているといわれています。毎年、ワインに込めた私たちの『思い』を、キリコに表現していただいております」。

南三陸ワイナリーから南三陸町が、人々がつながっていく様子を、目で見て舌で堪能させていただきました。

『まとめ』

南三陸ワイナリーが主催する「海中熟成ワイン引き上げイベント2022」は、南三陸町の魅力を思う存分、五感で感じられるイベントです。海から引き上げたワインボトル1本1本に、佐々木さんをはじめ南三陸ワイナリーのスタッフ皆さんの、南三陸町の方々の「思い」が込められていました。

そのワインが引き上げられる様子を見学し、ワインボトルがお客様の手に届くお手伝いができる、さらには美味しい南三陸の海の幸山の幸を思う存分堪能できる!「海中熟成ワイン引き上げイベント2022」は、ワイン好きの方にはたまらないイベントです。

海中熟成ワインはオンラインショップからも購入できます。召し上がる際にはぜひ、海中で熟成されたものと熟成されていないものを飲み比べながら、気の置けない仲間や家族とワイワイ楽しく召し上がってみてください。
ペアリングの料理はぜひ、南三陸ワイナリーのオンラインショップからどうぞ。志津川湾の海の幸がたっぷり詰まった、南三陸ワイナリー海中熟成ワインにピッタリの食材を入手できますよ。

南三陸ワイナリーオンラインショップはこちら


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