2022年3月13日。東京ワイナリーの「鉄塔ヴィンヤード」にて開催された、100%練馬産のぶどうを使用したワインのお披露目イベントに遊びに行ってきました!
イベントはワインのお披露目だけでなく、ワインの販売や、グラスでの提供、地元野菜の販売も。また、地元野菜を使った軽食の販売や、ぶどう栽培の展示、ミニゲームなども楽しめるイベントでした。
なんと、900人もの方が来場されたとのこと。今回は、イベントの様子をお届けします!
『オープニングセレモニー』
「今日は晴天にも恵まれ、よい日が迎えられたな、と思います!」 東京ワイナリーの越後屋美和さんからのご挨拶で、セレモニーがはじまりました。
「練馬にワイナリーをオープンして8年。練馬区との共同のワインプロジェクトが始まった令和元年に『鉄塔ヴィンヤード』を借りることができ、令和2年に認定農業者に指定されました。練馬の地で農業ができることが、とてもうれしいです。令和3年に『鉄塔ヴィンヤード』で収穫できたぶどうで醸造したワインをみんなで飲もうと、このイベントを開きました。さまざまなご縁のおかげで、この場で一緒にワインを飲めることを、とてもうれしく思っています」。
今回は、つながりがあるぶどう農家さんも来場されていました。

ぶどう農家さんは、ねりまワインプロジェクトについて、次のようにお話しされていました。
「越後屋さんのお話にもあった、『つながる』ことの大切さを感じています。今日は、皆さんと楽しく過ごしたいです」。
「ぶどう造りは、小さい畑でも非常に手間がかかる作業です。いろいろな方にお手伝いいただけることは、とても助かっています」。
「わたしたち農家は、消費者の方たちと触れ合うチャンスはあまり多くありません。越後屋さんの活動で、支えてくださる方がいるのだと見えることが、励みになります」。
農家さんはそれぞれ、ぶどう以外にも、ブルーベリーやトマトなどの 野菜も栽培しているとのこと。
ねりまワインプロジェクトは、ワインだけでなく、消費者がほかの農産物にも興味を持つきっかけになる取り組みだと頷いてしまいました。
▶100%練馬産ワインのお披露目

今回お披露目されたワインは2種類。赤ワインの「ねりまルージュ」は30本、白ワインの「ねりまブラン」は400本出来上がったそうです。
これから、ぶどうの樹が成長していくと、赤ワインももっと醸造できるとのこと。楽しみですね!
赤、白ともに「フィールドブレンド」で造られています。フィールドブレンドとは、さまざまな品種を、畑ごとに仕込む方法。品種の個性よりも、土地の個性を重視するという考え方です。
▶越後屋さんからワインの説明
「いろいろなぶどうの、複雑な味わいや香りをミックスさせて、土地の味わいが出るように醸造しました。白は11種類、赤は4種類のぶどうが入っています。ぜひ、練馬の土地の味わいを感じてほしいと思っています。まだまだ若い樹ですが、今年の味わいを感じていただいて、これからの成長を楽しみにしてください!」 。
越後屋さんは、北海道のワイナリーでフィールドブレンドのワインを飲んで、「こんなに美味しい日本ワインがあるのか」と感じたことがあるそう。
そのときの、「これがこの土地の味だよ」という北海道のワイナリーさんの言葉がきっかけとなり、「ねりまブラン」と「ねりまルージュ」の醸造方法をフィールドブレンドに決めたのだとか。
筆者はこれまでにも、フィールドブレンドの日本ワインを飲んだ経験があります。飲むタイミングによって、さまざまな表情をみせてくれることに驚きました。東京ワイナリーさんのフィールドブレンドのワインも楽しみですね!
▶エチケットデザインは公募
今回、ワインをリリースするために、ラベルのデザインを公募で募集をしたそう。多数の応募作品のなかから選ばれたデザインに決まりました。
赤、白ともに、練馬区の形や地図を表していて、練馬とぶどうへの愛を感じるデザインです。見事デザインが採用されたおふたりには、越後屋さんから、ワインがプレゼントされました。


▶みんなで乾杯
乾杯用のワインは、越後屋さんが注いでくださいました!

この日のために造られた、練馬産カベルネ・ソーヴィニヨン100%の、スパークリングワイン。淡い色合いが、春の日差しにぴったりの優しい味わいでした!
野菜との相性を考えて造られている東京ワイナリーさんのワインらしく、ハーブのサラダなどと合わせたくなりましたよ。

練馬の住宅地にあるぶどう畑で乾杯出来るなんて、最高ですね。
▶新鮮な野菜
越後屋さんはもともと、大田市場で東京産野菜の仲卸をされていました。そのご縁から、今回のマルシェでは新鮮な野菜が販売されていました。
まず目を奪われたのは、大きなレモン!

八丈島産の「菊池レモン」は、菊池さんという方がサイパン島から持ち帰って育てたことが名前の由来。ガラスハウスで数量を制限して育てているので、一般的なレモンの3〜4個分の大きさです。
「果汁がたっぷりで、ドレッシングにもおすすめです。皮を削って使うと風味が素晴らしく、絶品!」とのこと。
東京ワイナリーのワインとも相性抜群だそうですよ!
もうひとつ私が気になったのは、明日葉です。以前、伊豆大島に友人を訪ねた際に、明日葉の天ぷらがとても美味しかったので、好きになりました。
伊豆諸島全域で栽培されている明日葉は、生産地の土壌により、味わいと育つ大きさが違うそう。
この日販売されていた新島産のものは、「砂地で水はけがよく、コンパクトなサイズ。味わいは、比較的さっぱりしている」とのことでした。
育つ土壌で味わいや見た目が変わってくるのはワイン用ぶどうも同じです。改めて、テロワールを意識しました!
お話をお聞かせくださった、生産者団体「野菜ネットワーク」の堀将人さん、ありがとうございました!
▶飲み比べを楽しむ
イベントで提供されていた、とても可愛い白ワインの飲み比べセットは、3種類とも「ねりまブラン」。
この飲み比べセットは、イベント会場でしか楽しめない、過去のヴィンテージと最新ヴィンテージのワインでした。
おなじ銘柄のワインでも、使用されている品種と比率は、年ごとに違います。このワインにはどんなぶどうが使用されているのかな?とゲーム感覚で楽しめるところも、遊び心がありますね。

▶越後屋さんの想い
「都市農業のよいところは、町の中に畑があり、お客様にみてもらえる点です。せっかく身近にワイナリーや畑があるのなら、地域の皆さんに愛され、楽しんでもらいたいですね。地域を盛り上げたいという同じ気持ちを持った、ほかの業種の方と一緒にイベントを開催することで、より幅広い層のお客様に興味を持っていただけると思います」。
寒暖差がなく、ワイン用ぶどうの栽培には決して適さない土壌の練馬。だからこそ、練馬で生まれる味わいを生かしたワインにしていきたいと思っていると、お話いただきました。
土地に適した品種もわからないからこそ選んだ醸造方法の、フィールドブレンド。土地の味わいが複雑にからみあう、練馬で生まれた味わいを楽しんでほしいそうですよ。
越後屋さんの想いに感動しました。 そして、土地の味わいを大切にされている越後屋さんのワインだからこそ、地元産の野菜ともよくあうのだと感じました!

『まとめ』
筆者は、八丈島のレモンと「ねりまブラン」を購入しました!
今回のイベントでは、ぶどう畑にベンチが設置されており、お子さんのいるご家族から年配のご夫婦、若いカップルなどさまざまな人が楽しめる配慮がされていました。
紹介した野菜の販売のほかに、おつまみセットの販売やワークショップの開催も。コンパクトなイベントでしたが、大きなつながりを感じました。
参加者の皆さんや、ボランティアの皆さんの楽しそうな笑顔が印象的でした。練馬を盛り上げていきたいという越後屋さんの想いが、「ねりまワイン2021リリースパーティー&マルシェ」に詰まっていました。
自然や農業が身近にあることは、さまざまなストレスにさらされる私たちにとって、癒しにもなります。
普段ワインを手に取らない人も、地元産のワインに興味を持ってみると、地域との繋がりが楽しくなってくるかもしれません。

イベント:「ねりまワイン2021リリースパーティー&つながるマルシェ」