こんにちは、宮坂佳奈です!
ワインテイスティングに関する前回までの記事は読んでいただけましたか?まだの方は、お時間のあるときにぜひご確認いただければ嬉しいです!
この企画の趣旨と、私の自己紹介はこちらからご覧いただけます!
上記タイトルをクリックすると過去記事まとめて見ることができます。
今回テイスティングコメントを紹介するワインは、山梨の「マルサン葡萄酒」の「甲州百 2020」です。
まずは、ワイナリーとワインについて紹介します。「Terroir.media」には、マルサン葡萄酒の紹介記事と追跡記事を掲載していますので、ぜひあわせてご覧ください!
▶ワイナリー紹介
若尾果樹園・マルサン葡萄酒は、甲州市勝沼町の中でも歴史あるワイナリーのひとつ。地域の共同醸造所を起源に持つ、家族経営のワイナリーだ。
自社畑は観光ぶどう園も兼ねており、家族経営ならではの温かさで訪問客を出迎える。代表の若尾亮さんは人と人のつながりを大切にし、お客様だけでなく同業者や契約農家とも密な交流を欠かさない。
若尾果樹園・マルサン葡萄酒は、スタンダードなワイン造りが魅力だ。いたずらに流行りに乗るのではなく、自分たちがよいと思うワインを変わらず提供し続けることを重視する。
特に「品種個性の表現」にこだわりを持ち、ワイン醸造を行っているのが特徴だ。
お客様が手にとりやすいワインであることを意識しているからこそ、ラインナップを大幅に変えることはない。また、直接交流するなかで、変わらない魅力を持つ若尾果樹園・マルサン葡萄酒のワインを飲んでもらうことが大切だと考えているのだ。
▶ワイン紹介
マルサン葡萄酒取扱オンランショップURL:
マルサン 甲州 百 720ml
日本ワイン 甲州
勝沼産甲州。厚みのある甲州。
果肉由来の爽やかさと甘味、果皮由来の旨味と心地よい苦み等バランスのとれたワインです。【色】白【タイプ】辛口【品種】甲州種【容量】 720ml【醸造場所】甲州市勝沼町
甲州百 2020【白】720ml
勝沼産甲州。厚みのある甲州。
果肉由来の爽やかさと甘味、果皮由来の旨味と心地よい苦み等バランスのとれたワインです。
【タイプ】辛口【醸造場所】甲州市勝沼町・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Terroir.mediaの記事でも、「甲州百」を以下のように紹介していましたよ。
この、「甲州百」は、自社畑で栽培されたものを中心に、勝沼産甲州ぶどう100%使用した、マルサン葡萄酒を代表するワインだ。
公式サイト及びTerroir.mediaより引用
赤ワイン的な要素である、甲州の皮の渋みを出すために、強めにぶどうを絞ることで出るボリューム感とバナナやオレンジの香りが特徴。
甲州種ぶどうを果皮ごとほおばった瞬間をストレートに表現した辛口ワインだ。
今回試飲するワインについて、マルサン葡萄酒三代目の若尾さんにオススメを伺うと、
「こういう時は、スタンダードなものをオススメしたくなっちゃうんだよね」。
と、こちら「甲州百 2020」をご提案いただきました!アルコール度数は12%です。
▶「甲州」というぶどう品種とは?
甲州とは、白ワイン用として多く使われている日本固有のぶどう品種です。
古来より日本に自生していたぶどうで、2010年、パリの国際ぶどう・ぶどう機構O.I.V.(Office International de la vigne et du vin )にて日本固有のぶどう品種として品種登録された、世界にも認められているワイン醸造品種です。
ちなみに、O.I.V.に登録されている日本のワイン用ぶどうは、現在のところ「甲州」と「マスカット・ベーリーA」の2種類になっています。
甲州がどのように日本にやってきたのか、そのルーツはハッキリとした記録がないため、いくつかの説が語られていました。現在では、欧州系のブドウ「ビティス・ビニフィラ」が中国を経て、長い年月をかけて日本に渡ってきた品種がこの「甲州」だと考えられています。
甲州の産地は山梨県に集中していますが、現在は全国各地で栽培されています。
今ではワイン用の品種として浸透している甲州ですが、生食用としても販売されています。皮は厚く種もあるので、皮や種を残して実だけいただきます。
甲州から造られるワインは、主にフレッシュな柑橘系の香りと軽やかで穏やかな酸、スッキリとした後味が特徴です。
また、製造法によって果皮の厚みを生かした、ほのかな苦みを感じさせるスタイルなどもありますが、どのスタイルも「繊細さ」が一番の特徴といわれています。
繊細な味付けの和食との相性がとてもいいです!
「オレンジワイン」という、白ワイン用ぶどうの果皮や種子も一緒に発酵する製法のワインが最近話題を呼んでいますが、甲州でつくられた「オレンジワイン」も増えています。
ではさっそく、「甲州百 2020」をテイスティングした参加者の感想を紹介していきましょう!
▶ワイン会参加者の声
8名の参加者のみなさまの感想を紹介します!
じんわり広がる優しい柑橘系の爽やかさと、あとから感じるうまみ。天ぷらとは相性抜群ですね。
心地よいハーブ感がさわやかさを与えてくれて、強すぎずやわらかな酸が心地よいですね。家庭料理と相性が良さそうです。
甲州は、シュール・リーという製法(発酵後に樽に沈殿するオリを取り除かず、オリとワインを樽内で一定期間接触させる技法)で醸造することも多く、そのタイプの甲州は「吟醸香」という日本酒に似た香りが出ることがあります。
「甲州百 2020」は吟醸香は控えめでスッキリしていながら、うまみや果実感がしっかりありました。
柑橘系のさわやかな香りは食欲を掻き立てますね。すだちをスライスして乗せた素麺や、冷麺などにも合いそうです。
飲み比べることで自分の好みがわかるというのも、ワイン会の大切な役割ですね!
甲州のワインにはほろ苦い後味を感じることがあります。私も苦味のあるタラの芽の天ぷらと合わせたりしますよ。
この季節であれば、ピーマンやししとうの天ぷらを塩でいただくのにも合いますね。
とてもわかりやすい説明です!「甲州百 2020」を簡潔に表現されていて勉強になりました。
ハムは想像していなかったのですが、レモンやハーブの入ったソーセージとも合いそうですね。
▶おすすめペアリング
「甲州百 2020」は、「甲州」という品種の特徴を100%そのまま表現したようなワインです。
りんごやカボスをイメージするような香り、そして後味のほろ苦さ、白い花の蜜のような爽やかな甘さも感じました。
塩味のきいたシラスがたっぷり乗った和風のピザなどとも相性が良さそうです。また、飲み進めて温度が上がってくると感じる蜜のような甘さが「みたらし団子」にも合いそうだと思いました!
たまごと照り焼きチキンのサンドイッチやコールスローなど、マヨネーズにも合いそう…とさまざまなイメージが湧いてきます。
酸味が穏やかで、バランスが良いのでどんなお食事にも合わせやすい。もちろん和食にもピッタリです。
ここで、マルサン葡萄酒三代目の若尾さんご自身による「甲州百 2020」と合わせたいオススメ料理を紹介しますね。「白菜の漬物、切り干し大根を醤油で煮たもの、焼き鳥だったらねぎまの塩」、そしてとりわけ最高だというのが「沢庵」なんですって!
ワインを飲むときには、料理との相性だけでなく、「空間」や「一緒に飲む人」も大切です。ワインテイスティングをするときには、誰とどんなシーンで飲みたいかも想像しながら味わってみてくださいね。
▶まとめ
マルサン葡萄酒の「甲州百 2020」は、「甲州のワイン」の王道、まさに「ザ・甲州」という表現に相応しいワインです。
「水のようにゴクゴク飲めてしまうワイン」という感想が参加者の方から出たのも、日本で古くから栽培されているぶどうからつくられたワインだから体にスッと馴染むのかな、などと思ってしまいました。あ、もちろんアルコール度数12%のお酒ですよ!
「甲州ってどんな品種なんだろう?」という方には、「甲州百 2020」をオススメします!合わせるお料理に迷ってしまったら、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
次回は、ハイディワイナリー「相承キュヴェメモリアル2020」のテイスティングについて紹介します。どうぞお楽しみに!
【宮坂佳奈プロフィール】
YouTubeチャンネル「宮坂佳奈の日本ワインて楽しい!」では、「feel terroir!日本ワインを味わってみよう!」の記事で紹介する、おすすめワインのテイスティングの様子も公開予定です。
- 2018ミスワイン長野大会準グランプリ受賞
- 2018ミスワイン日本大会準グランプリ受賞
- 日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
- 日本ワインショップスタッフ
- 日本ワインイベントMC経験多数