『かわうちワイナリー』自然豊かな阿武隈の恵みを映し出すワインを造る

福島県双葉郡川内村は、阿武隈高地の中央部にある。阿武隈の最高峰である「大滝根山」の東斜面に位置し、豊かな自然に抱かれた土地だ。

今回紹介するのは、川内村にある「かわうちワイナリー」。2016年から川内村でぶどう栽培を始め、2021年から自社醸造所でのワイン造りをスタートさせた。

川内村にワイナリーができた理由とは?また、かわうちワイナリーで生産されるぶどうとワインの味わいとは?

取締役の北村秀哉さん、統括マネージャーの遠藤一美さん、栽培・醸造責任者の安達貴さんから、詳しいお話を伺うことができた。

ワイナリーのなりたちと栽培・醸造におけるこだわり、かわうちワイナリーがワイン造りにかける思いなどについて、さまざまな角度から迫っていきたい。

『川内村を盛り上げるために かわうちワイナリーの誕生』

まずはじめに、かわうちワイナリー誕生の物語を紐解いていこう。時は2011年、東日本大震災後に遡る。かわうちワイナリーは、震災からの復興を目的として設立されたワイナリーなのだ。

もともとぶどう栽培とは無縁だった川内村に、どのような経緯でぶどう畑とワイナリーが生まれたのだろうか。順を追って見ていきたい。

▶︎東日本大震災からの復興

福島県の浜通り(はまどおり)地方、すなわち太平洋沿岸エリアにある川内村。東日本大震災の発災当時には、福島第一原子力発電所における事故の影響を受けた地域だった。原発から30km圏内だったために、全村避難指示が出たのだ。

「幸いなことに、川内村は放射性物質の汚染の影響は小さく、2012年には避難指示が見直されて住民の帰村が始まった。

「私は復興関連の仕事で福島に来たのですが、風評を払拭できる新たな農業(六次化事業)を地域の方と一緒にチャレンジしたいという思いを持ちました。そこで、ワイナリーの設立を提案したのです」。

そう話すのは、2014年に県外から福島にやってきた北村さん。北村さんは、仕事でフランスに3年間住んでいたことがあり、その際にワインの素晴らしさに魅了された。

「欧州でもチェルノブイリ原発の事故があり、当初は放射性物質の環境汚染でぶどう栽培への影響が懸念されましたが、ぶどうには殆ど放射性物質の影響はないことが分かっていました。ワインであれば、風評にも打ち勝つことができると考えたのです」。

「自分自身にワインを造る知識はありませんでしたが、日本のワイン先進地である山梨県を訪れて、素晴らしいワインを作っているワイナリーや山梨大学の協力を得られることになりました。地元の人たちと協力してみんなで勉強しながら進めていこうと考えて、ワイナリー設立の構想を村に打診しました」。

▶︎川内村の人々と力を合わせて

ワイナリーを作ろうという北村さんの強い思いは川内村に通じ、設立に向けてのプロジェクトがスタートした。北村さんの呼びかけに賛同して当初から参加していた遠藤さんは、当時は川内村の職員だったという。

「かつては牧草地だった3haほどの耕作放棄地を開墾するところから始めました。震災によって酪農ができなくなったため、畑はまるで荒野のようなありさまでしたね。村人が総出で土に埋まった岩を取り除きましたが、傾斜地のために本当に大変な作業でした。たくさんの人たちの汗と努力の結晶として出来上がった大切な圃場です」。

造成した圃場に、村民とボランティアが協力しあって2,000本の苗木を植えたのは、2016年のこと。2017年にはさらに8,000本を植え付けた。

また、自治体からのサポートもあり、2021年には念願の醸造施設が完成。ワインの製造・販売を開始したのだ。

『かわうちワイナリーのぶどう栽培』

続いて深掘りするのは、かわうちワイナリーのぶどう栽培について。川内村は冷涼な気候と水はけのよい土壌を有する、ぶどう栽培に適した土地だ。こだわりの品種選びと丁寧な栽培によって、土地の特徴を映し出したぶどうを作っている。

かわうちワイナリーのぶどう栽培の特徴とこだわりを見ていこう。

▶︎ヨーロッパ系品種を中心に栽培

ぶどう栽培をスタートした際に植えたのは10品種ほどだが、試験栽培用の品種を徐々に増やし、2024年現在は30品種を栽培。以下は主な品種だ。

白ワイン用品種

  • シャルドネ
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • ゲヴュルツトラミネール
  • リースリング

赤ワイン用品種

  • メルロー
  • シラー
  • ピノ・ノワール
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • カベルネ・フラン

「最初に植えた10品種は、ヴィ二ス・ヴィニフェラ種を選びました。栽培量が最も多いのは、日本でも育てやすいということで選択したシャルドネやメルローです」。

栽培・醸造担当として安達さんが着任してからは、ゲヴュルツトラミネールやリースリングも追加で植栽。冷涼な気候に合う品種を増やしてきた。

かわうちワイナリーの品種選びには、フランスに住んでいた経験がある北村さんのこだわりも反映されている。フランスワインの素晴らしさを身を持って感じたため、フランスで多く栽培されている品種を中心にしたいと考えたのだ。

「他のワイナリー経営者さんからも、品種選びに関するアドバイスをいただいたので参考にしました。今後もヨーロッパ系品種をメインに、土地に合う品種を模索しながら進めていきたいと考えています」。

▶︎川内村ならではのシャルドネ

栽培・醸造責任者の安達さんに、注目している品種について伺うと、シャルドネだという回答をいただいた。

「シャルドネは、土地の特徴を如実に映し出すとされる品種です。実際に川内村でシャルドネを栽培してみて、冷涼な気候ならではの美しい酸が出ることを実感しています。また、和柑橘とクチナシのような花の香りも感じられるのが、川内村のシャルドネの特徴ですね」。

土地の個性を表現しやすい品種だからこそ、標高が高い阿武隈山地の冷涼な気候の個性をしっかりと主張した味わいになっているのだろう。

「試験栽培しているリースリングにも手応えを感じています。2023年がなかなかよい出来だったので、今後は本格的に栽培量を増やしていきたいですね」。

また、安達さんが将来的にチャレンジしたいと考えているのが、フランス・ジュラ地方が原産のサヴァニャンという白ワイン用品種。日本での栽培例はまだ少ないので、製品化できれば注目間違いなしだ。

かわうちワイナリーの造り手たちのお話から受けた印象は、「心から楽しみながら、ぶどう栽培とワイン醸造をしている」ということ。造り手が持つワイン造りへの熱意と愛情が、川内村らしい味わいを作り上げていくことだろう。

▶︎冷涼な気候と水はけのよい土壌

かわうちワイナリーの圃場は、標高700~750mほどの高地に広がっている。表土は花崗岩が砂状に風化した「真砂(まさ)土」で、掘り起こすとごろごろとした石がたくさん出てくる礫(れき)質土壌。水はけが非常によいのが特徴だ。

また、圃場が傾斜地にあることも、水はけのよさに寄与している。最大傾斜角度は10〜15%に達するため、水分がたまることはない。圃場が広がる斜面の大部分は南向きで、日照量も十分だ。

「畑は全て垣根仕立てで、フルーツゾーンは地面から70〜80cmに設置しています。県内では最も冷涼なエリアのひとつなので開花が遅く、北海道と同じくらいのタイミングです。さらに、秋が長い気候なので、時間をかけてじっくりと果実が成熟していくのもこの土地ならではですね」。

降水量が周辺エリアに比べて少ないという特徴もあり、山に囲まれた地形であることが影響しているという。圃場の北側一帯と南西方向がいずれも山に囲まれているため、西から来る風の通り道になっているのだ。そのため、西からやって来る雨雲が流されて、スポット的に雨が降りにくい場所となっている。

冬季には降雪があるが、積雪量は多い時期で30cm程度。標高が高いために気温がマイナス10℃を下回ることもあるが、常に強風が吹きつけており、少々の降雪なら吹き飛ばしてしまうのだとか。

この土地でのぶどう栽培は初めてだったため、最初は凍害を心配したが幸いにも被害はなかった。さらに、常に風が吹くことから遅霜被害もないことから、ぶどう栽培に適した土地だといえそうだ。

「山岳地帯に広がるぶどう畑はとても美しく、訪れた皆さんからも絶景だと評判です。豊かな自然が生み出した環境を最大限に生かしながら、ぶどう栽培に取り組んでいるのです」。

▶︎土地の特徴を生かしたぶどう栽培

かわうちワイナリーでは、土地が持つ個性を生かしたぶどう栽培をしようと心がけている。

例えば、堆肥には地元の素材を積極的に活用。名産品であるきのこを栽培するときに発生する「廃菌床」を混ぜこんだり、地元畜産農家の牛糞を使ったりと、資源を循環させる農法を目指しているのだ。

また、2023年からは気象データの活用も開始した。畑の複数箇所に気象観測装置を取り付け、データを確認しながら栽培の方向性を決めているのだ。同じ圃場であっても、観測地点ごとに気温や湿度が異なるため、特に防除タイミングを考えるときにデータが役立つという。

「畑の地点によって、ぶどうの生育にも差が出ます。斜面の上と下では熟度が違うため、地点ごとのデータをきめ細かくチェックして栽培に生かしています。データを参考にしながら基本に忠実に、丁寧に栽培することが大事ですね。しっかりとぶどうと向き合うことで、ぶどうの特徴を出せるように心がけています」。

『かわうちワイナリーのワイン醸造』

続いては、かわうちワイナリーが醸すワインについて見ていこう。かわうちワイナリーのワインの特徴は、冷涼な気候ならではの味わいが感じられること。

2021年の初醸造から数シーズンを経て、すでに「川内村らしさ」がワインに宿りつつあるという。エレガントかつ爽やかで、川内村の澄んだ空気を思わせるワインができてきたそうだ。かわうちワイナリーの、ワイン醸造におけるこだわりと工夫に迫ろう。

▶︎川内村を表現するワインを造る

ワイナリー名に村の名前を冠していることからもわかるように、かわうちワイナリーはワイン造りを通して「川内村」を表現することを目指している。そのため、工業製品的ではなく、ぶどうそのままの味わいをワインにすることを心がけているのだ。

真面目に栽培に取り組んでぶどうを作り、収穫したぶどう自身がなりたいワインを造っていく。余計なものを入れずに、ぶどうそのものを自然に表現できるようなワインにしていく。そんなナチュラル思考のワイン造りが、かわうちワイナリーの基本方針だ。

ワイン造りにおけるこだわりについて、具体的にいくつか紹介しよう。

まず、赤ワイン醸造をする際には、発酵した醪(もろみ)を取り出さず、そのまま漬け込んでおく「アフターマセレーション」という工程をおこなっている。発酵後すぐに次の工程に進むことが多いが、かわうちワイナリーでは発酵後1か月ちかくも醪を漬け込んだままにして、より深みのある味わいを目指している。

製品としてリリースしているのは10〜15銘柄だが、仕込みのタンク数はさらに多いため、貯酒管理にも注意を払っている。また、樽熟成はしていないが、必要に応じてオークチップを使用することもある。

その他、ぶどうの皮を有効活用しているのも工夫のひとつ。絞った後の皮を他のタンクに入れて色素や旨味を付与しオレンジワインにするなど、さまざまなアイデアを凝らしているのだ。

かわうちワイナリーのワイン造りについて、北村さんは次のように話してくれた。

「かわうちワイナリーのワイン造りはまだ3年目です。試行錯誤しながら、年ごとのぶどうと向き合ってワイン造りに取り組んでいます。これからもよいワインを造ることを目指し、さらに『かわうちワイナリーらしさ』を出すことができればと思っています」。

▶︎毎年異なるテーマにチャレンジ

醸造担当の安達さんから、ワイン造りにおける興味深い取り組みを教えていただいた。なんと、かわうちワイナリーとしての基本方針とは別に、醸造における年ごとの「テーマ」を設定しているのだとか。毎年同じワインを同じように造るのではなく、新たなテーマを掲げてなざまな手法を試みているという。

昨年のフィードバックを今年に生かすというサイクルを繰り返している比較検証について、少し紹介しておきたい。

「2023年の白ワイン醸造におけるテーマは、除梗破砕のタイミングの違いを検証することでした。以前は除梗後にプレスしていましたが、2023年は破砕後のプレスに順序を変えたのです。仕上がったワインにどのような違いが出るのかを確かめることが目的でした」。

また、赤ワイン醸造におけるテーマは、醸し温度帯の違いを検証すること。醸す際の温度をタンクごとに変えて、どのように変化するかを試した。

毎年取り組んだ結果を確認し、翌年以降に生かしてさらに技術をブラッシュアップさせていく。かわうちワイナリーの造り手は、地道な作業を惜しまずにワイン造りを深く探求していくのだ。

▶︎野生酵母を使用した醸造のこだわり

かわうちワイナリーでは、野生酵母を使ったワイン造りにも取り組んでいる。乾燥酵母も使用しているが、ワイン造りをより「面白く」するために、両者を使い分けているのだという。

野生酵母を使ったワイン造りというと、収穫したぶどうを潰してそのまま発酵させる「自然派」の造り方を思い浮かべるかもしれない。しかし、かわうちワイナリーでは、畑のぶどうから採取した野生酵母を培養して「酒母」を作り、収穫したぶどうを入れたタンクに添加することで発酵を促している。本収穫よりも2〜3日前に収穫した1〜2kgのぶどうを培養して、酒母を作るのだ。

酒母を利用した発酵には、雑菌が発生しにくいというメリットがある。添加することですぐに発酵が始まるためだ。

「乾燥酵母は種類ごとの性質がはっきりしているので、ワイン造りの方向性を立てやすいですね。しかし、最初から完成が予測できてしまうのは、ワイン造りの『面白さ』に欠ける面があると思うのです。土地ならではの味や品種の個性を出すなら、野生酵母を活用するべきでしょう。今後は、野生酵母を使用したワインの銘柄も徐々に増やしていくつもりです」。

なお、安達さんの2024年の醸造テーマは、酒母の作り分けによる違いを検証することだという。培養した日数によって酒母に含まれる微生物の構成が異なるため、ワインの味わいも変わってくる。

自社醸造をスタートしてまだ数年のため、河内村のワインとしてのスタイルが確立されるのはまだまだ先のことかもしれない。かわうちワイナリーの醸造の挑戦は、これからも続いていくのだ。

▶︎エチケット・蝋封・ボトル 全てのデザインを楽しんで

「世間では20~40代のアルコール離れが進んでいますが、だからこそ若い世代に飲んで欲しいという思いを持ってワインを造っています。そのため、エチケットなどのデザインには特にこだわっています」と、遠藤さん。

特に目を引くのが、カラフルな封蝋だ。蝋は色を自由に変えられるため、エチケットのカラーと合わせた色合いにしたり、ぶどうのイメージを色で表現したりと遊び心が加えられている。

また、かわうちワイナリーのボトル形状は全て、主にフランスのアルザス地方で生産されるワインに用いられる「アルザスボトル」。スリムな形状が特徴だ。

「アルザスはフランスの北部にある冷涼な地域ですので、同じく北の方にあるかわうちワイナリーのワインのイメージに合うのではと考えて採用しました」。

また、アルザスボトルを選択したことには、もうひとつの狙いがあるという。実は、アルザスボトルは他のタイプのボトルよりも3cmほど背が高いため、酒販店の棚に並べた際に目立つ。「頭ひとつ出たワインになるように」という思いが込められているのだとか。

かわうちワイナリーのワインを見かける機会があればぜひ手に取っていただき、造り手の思いを感じてほしい。

▶︎川内村のぶどうから造った「ヴィラージュ」シリーズ

かわうちワイナリーのワインには、村外エリアのぶどうを使用した「リベル」シリーズと、川内村にある自社圃場のぶどうを使用した「ヴィラージュ」シリーズがある。

今回は、「ヴィラージュ」シリーズからおすすめの銘柄をひとつ紹介したい。「ヴィラージュ メルロー&カベルネソーヴィニヨン 2022」は、川内村のカベルネ・ソーヴィニヨンの可能性を示した、親しみやすい味わいの赤ワインである。

実は醸造担当の安達さんは、日本でカベルネ・ソーヴィニヨンを育てることの難しさを以前から感じていた。そのため、かわうちワイナリーへの入社当初、白ワインのみを造る方針を提案をしたほどだという。川内村は冷涼な地域のため、収穫時期が遅くなってしまうために生じる問題を懸念していたのだ。だが、そんな懸念は不要だったことがわかった。

「2021年にカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培したところ、しっかりと熟した状態で収穫できることがわかりました。想定していたよりも優れた品質のワインができたので、今後さらに期待が持てそうです。2022年ヴィンテージは低温での醸し発酵に挑戦したため、タンニンがまろやかで飲みやすい仕上がりです。旨味がじんわりと伝わる味わいですよ」。

「ヴィラージュ メルロー&カベルネソーヴィニヨン 2022」は、メルローの柔らかな印象がメインにありつつ、カベルネ・ソーヴィニヨンらしさもしっかりと主張しており、バランスのとれた味わいが特徴だ。

「野菜のようなフレッシュな香りが感じられるため、福島の野菜(例えば焼き野菜、根菜類の煮物など)にもとてもよく合います。ぜひ地元の美味しい野菜と合わせてみてほしいですね。この地に来ていただき、現地で飲んで欲しいワインです」と、北村さん。

安達さんによる「ヴィラージュ メルロー&カベルネソーヴィニヨン 2022」のおすすめペアリングは、「しいたけの肉詰め」だ。川内村で収穫された、肉厚のしいたけとの組み合わせは絶品だという。

ちなみに、2024年の同銘柄は、醸しの温度帯を高めにすることを画策中なのだとか。低温で醸した2022年ヴィンテージとはひと味違った印象が楽しめることだろう。

▶︎「福島を代表するワイナリー」を目指して

最後に紹介するのは、ワイナリーの未来について。かわうちワイナリーはこれからどのような目標を持って歩んでいくのだろうか。

阿武隈の自然に抱かれた個性ある環境で造られるワインの未来とは?今後の販売の方針や、将来的な目標について見ていこう。

かわうちワイナリーのワイン生産量は年間1万本程度。生産量は徐々に増やしていく予定で、目標は2万本だ。生産量を増やすと同時に検討しているのは、村外の顧客を獲得することだという。

「川内村は小さな村なので、醸造した全てのワインを村内で消費できる訳ではありません。今後ワイナリーの事業を拡大していくためには、販路を村外に広げていく必要があるのです」。

まずは福島県内まで販路を広げ、その後は県外に知ってもらうことも目標にしている。2024年は手始めに、レストランとのメーカーズディナーや酒販店での試飲・販売イベントにも力を入れていくという。今後のさらなる躍進に期待したい。

また並行して、ただ知ってもらうだけでなく、醸造レベルを上げてたくさんの人においしいと思ってもらえるワインを造ることも目指す。その手段のひとつとして、コンクールへの出品も視野に入れている。

「コンクールでの受賞が目的ではなく、知名度アップと地域の人たちにとっての自慢の存在になりたいという思いで挑戦していきたいですね」。

川内村とワイン造りに愛情を持って取り組んでいる造り手たちが醸すワインは、きっと多くの人に愛される存在になるはずだ。かわうちワイナリーの活動が、引き続き村にとっての希望の光となることを願ってやまない。

『まとめ』

阿武隈の豊かな自然は、かわうちワイナリーのワインを唯一無二の存在にしている。土地特有の土壌や気候を、個性として生かしたワイン造りをしていることが、かわうちワイナリーの大きな強みだ。

村の人たちが力を合わせて作り上げたワイナリーには、地域の人たちの復興への思いが詰まっている。若手が活躍するかわうちワイナリーは、これからも地域を盛り上げていく存在であり続けるだろう。

かわうちワイナリーのワインは、川内村産の恵みと共に味わうのがいちばんだ。かわうちワイナリーのワインに興味を持ったなら、ぜひ現地に直接足を運んでいただき、美しい風景や食事と共にワインを味わってみてほしい。

基本情報

名称かわうちワイナリー
所在地〒979-1201
福島県双葉郡川内村大字上川内字大平2番地の1
アクセス常磐高速いわき中央ICより国道399号線経由で約70分
郡山駅より車で約70分
HPhttps://kawauchi-wine.com/

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