追跡!ワイナリー最新情報!『カタシモワイナリー』大阪の老舗ワイナリーとして、地域と共に歩む

1914年の創業から大阪でワインを造り続けてきた老舗ワイナリーである、「カタシモワイナリー」。長い歴史を持つという立場に安住することなく、地域とも協力しながら果敢に挑戦を続けている。

カタシモワイナリーがワイン造りに使っているのは、大阪の自社圃場で栽培したぶどうと、契約農家が栽培したぶどうだ。自社圃場では、自家交配した品種なども含めると数えきれないほどの品種を育てている。中でも、大切に守ってきた樹齢100年を超す古木は、カタシモワイナリーを象徴する存在だ。

多彩な大阪産のぶどうからワインを醸すのは、5代目醸造家の高井麻記子さん。カタシモワイナリーの定番銘柄である、デラウェアの瓶内二次発酵スパークリングワイン「たこシャン」を始めとして、バラエティ豊かなワインを生み出している。

今回は、カタシモワイナリーの2023年にスポットを当てる。最新ヴィンテージのワイン造りと取り組みについて、麻記子さんにお話を伺った。カタシモワイナリーの最新情報に迫っていこう。

『老舗ワイナリーが抱く、地域への思い』

インタビューの冒頭、麻記子さんが語ってくれたのは、「地域に根付くワイナリーとしての責任」についての思いだった。

「新しいワイナリーが日本中にどんどん出来る中で、果たして『ワイナリーとしての責任』を真剣に考えているワイナリーはどのくらいあるのだろうと考えることがあります。ワイン造りは、人間の寿命以上の長期的な視点で進めていく必要がある世界です。ワイナリーの仕事はただワインを造ることだけではありません」。

▶︎ワイナリーとしての責任

ワイナリー経営には、地域に対しての義務と責任を負うことでもあると話してくれた麻記子さん。いったいどういった意味なのだろうか。

「事業として成り立つワイナリーであるということは、その地域に一定以上の規模のぶどう畑を保有しており、生活を支えるべきぶどう農家さんもいるということです。また、贔屓にしてくれる地域のお客様も欠かせない存在です。『地域の人たちが当たり前に見ている町の景色の一端を、ワイナリーが担っている』という自覚を持たなくてはなりません」。

地域のワイナリーとしての責任を強く感じながらワイン造りをしているので、プレッシャーに押しつぶされそうになることもあると話してくれた麻記子さん。

だからこそ、日本全国にワイナリーが増えてきた今、ワイナリーを営むことの責任について真剣に考え、語り合える仲間を増やしていきたいと考えているのだ。新しくワイナリーを始める人が相談に来たときには、必ず「ワイナリーとしての責任」について伝えるという。

麻記子さんの言葉からは、老舗ワイナリーとして背負う責任の重さと、地域と共に生きる強い決意が感じられる。

▶︎地域の人に選んでもらえるワイナリーに

それでは、地域にとってワイナリーとはどんな存在であるべきか。その問いに対する麻記子さんの回答は極めてシンプルだ。「地域の人に選ばれ、ワインを買ってもらえるワイナリー」であるべきだという。

「新しいワイナリーであろうが古いワイナリーであろうが、必要なのは『地域性』です。ワインには『テロワール』という言葉があるくらい、地域に根ざしたお酒です。ワイナリーの本質とは、ワイナリーに人が来てくれることで地域が潤うような運営をすることだと実感しています」。

ワインというお酒の醍醐味は、「この場所でしか生み出せない味」を表現できること。地域の恵みをワインという形にして売るからには、第一に、地元に根づいている必要がある。地元の人が誇りに思って愛してくれることを目指したいという麻記子さん。そんな熱い思いを抱いているからこそ、地域のために活動することができるし、地域に認められた魅力を外部に発信することも可能になる。

「ワイナリーの仕事は表向きの華やかなことばかりではないですが、地域の方々の理解と支えがあるから続けられていると思うのです。決して自分勝手にすすめるのではなく、これからも地元の人に愛されて認められることを大事に考えてワインを造っていきたいです」。

『カタシモワイナリー 2023年のぶどう栽培』

続いては、カタシモワイナリー2023年のぶどう栽培を振り返っていこう。

2023年の大阪は、何よりも暑さが厳しい年だった。記録的な暑さは大阪の地でのぶどう栽培に、どのような影響を与えたのだろうか。

▶︎厳しい暑さの影響

2023年は晴天の日が多く、ぶどうの熟度が上がりやすかった大阪。だが、驚異的な暑さにより生育障害なども発生したそうだ。降水量も少なかったため、区画によってぶどうの出来の明暗が分かれた。

素晴らしい出来になったのは、収穫時期が早いデラウェアとメルローだ。生育期の初めの頃は気温が低かったが、その後一気に上昇。そのため、酸を豊富に残しながら糖度も爆発的に上がった状態での収穫となった。

麻記子さんいわく、「キュッと引き締まったよいぶどう」は、着色状態がよく病気も少ない、ピカピカと輝くような素晴らしい出来だったという。

だが、直射日光の厳しさが原因で、生理障害が出た品種もあった。メルローのハイブリッド品種などは、成熟途中で生育がストップしてしまったという。途中までは順調に熟度を上げていたにも関わらず、生育が止まってと思ったら、その後ミイラのようにカラカラになった。

また、収穫時期が中盤から後半にかけての品種の一部には、高温による弊害が出た。気温の上昇によって成熟が例年よりも早く進んだが、収穫が間に合わず腐ってしまったのだ。

「2023年は天候の影響で成熟が一気に進み、収穫する期間が短かったですね。通常は8月頭からデラウェアの収穫が始まり、その後メルロー、シャルドネ、マスカット・ベーリーAと続き、最後10月にカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫をおこないます。しかし、2023年は9月頭までにはすべてのぶどうが収穫出来る状態になってしまっていました」。

そのため、少しずつ収穫して仕込む作業を繰り返す例年とは異なり、2023年は収穫したぶどうが醸造所に一気に押し寄せた。当然、醸造スケジュールは非常にタイトになる。機材の容量や人材には限りがあるため、仕込み作業は困難を極めた。

「暑さはぶどうだけではなく、人にとっても大変でしたね。スタッフはみんな暑さに四苦八苦しながら、必死に作業をしました。連日35℃を超える日中での作業は過酷です。栽培担当は保冷剤を入れたファン付きの作業服を着て頑張りました。畑だけではなく、工場の中も熱くて大変でしたね。ワインのある部屋しかクーラーがないので、カゴ洗いなどは蒸し暑い中でやるしかないのです。力を合わせて精一杯頑張った分、素晴らしいぶどうから、素晴らしいワインができましたよ」。

▶︎雨対策を広範囲に拡充

異常気象であることが、まるで当たり前になってきたようにも思える近年。カタシモワイナリーが取り組んでいる、ぶどう栽培における施策を紹介したい。

2022年から2023年にかけて重点的に実施したのが、雨除けの設置の拡充だ。畑の広範囲に雨除けを設置することで、より多くのぶどうを雨の影響から守る。雨除けの効果は絶大で、実際に2023年も大きな恩恵を受けたという。

雨除けを設置した区画のぶどうには病気がほとんど出なかったが、設置出来ていない区画では、雨が直接房に当たったために病気が発生した。効果をはっきりと感じているため、今後も雨除けの設置範囲を拡大していく予定だという。

「大きな投資ではありましたが、本当に効果があることを実感しています。以前から雨除けを活用している九州のワイナリーさんから、台風のときでもビニールが飛ばされないコツを教えていただいたのです。今後も、ほかの地域のワイナリーさんと情報共有しながら、知恵をしぼって乗り越えていきたいです」。

▶︎古木の強さを再確認

カタシモワイナリーには、樹齢100年を超す古木がある。2023年の暑さは、古木にどんな影響を与えたのだろうか。

「深くまで根が張っているからでしょうか。暑さにも耐えて生き残りました。風当たりが強く、岩盤がむき出しの所に植えてあるので、日差しが強く厳しい環境です。しかし、年数を重ねた古木だけに、長く生き残ってきた強さを感じますね」。

カタシモワイナリーが誇る長い歴史を象徴する、100年を超す古木。強さと魅力をたたえたぶどうは大地に根付き、逆境もどこ吹く風。地域の味わいを今年も実らせ続けるのだ。

『カタシモワイナリー 2023年のワイン醸造』

続いては、最新ヴィンテージを中心に、2023年にリリースしたワインについて紹介したい。

数多くのワイン銘柄を醸造しているカタシモワイナリーでは、2023年にどのようなワインが生まれたのか。具体的な銘柄の味わいの特徴や、製造の裏側を見ていこう。

▶︎2023年リリースのワインを紹介 デラウェアの自信作

2023年にリリースしたワインの中で、麻記子さんおすすめの銘柄を紹介していただいた。

まずは、2022年ヴィンテージのオレンジワイン「宝吉オレンジスパークリング」。2022年ヴィンテージの「宝吉オレンジスパークリング」は、麻記子さんの父である、カタシモワイナリーの社長と喧嘩しながら造った銘柄なのだとか。

「ちょうど作業スペースの確保が難しいタイミングだったので、オレンジワインは時間がかかるからと社長からは造るのを反対しました。そのため、本当はもっと醸したかったのですが早めに絞ることになりました。色合いが薄く、オレンジというより肌色に近い仕上がりになりましたが、だからこそおもしろいものになったとも思います」。

醸し期間が短かった分、酸が乗って渋みが柔らかな仕上がりになったという、2022年ヴィンテージの「宝吉オレンジスパークリング」。仕上がりには満足していると、麻記子さんは笑顔で語ってくれた。

続いて紹介するのは、2023年ヴィンテージのワインだ。特におすすめなのが、高品質なぶどうが収穫できた、デラウェアを使った銘柄。「2023年のデラウェアは、とにかくぜんぶおいしいですよ」と、麻記子さんは太鼓判を押してくれた。

まず、「柔らか薫る デラウェア 2023」は、デラウェアの甘口ワイン。桃や柑橘、パイナップルを思わせる芳醇な香りと、レーズンのような濃縮された甘酸っぱさが特徴だ。このワインの最大の魅力は、しっかりとした甘さがあるにも関わらず、スマートさを備えていること。酸がしっかりと乗っているため、引き締まった印象になっている。

「糖度が高い大阪のデラウェアを使った、濃厚ですがさっぱりと洗練された味わいです。大阪人がよく言う『シュッとした』感じですね。甘酸っぱくて濃厚な自信作になりました」。

「柔らか薫る デラウェア 2023」は1,000本以上製造されたにもかかわらず、リリース後あっという間に完売した。

また、大人気のデラウェアスパークリングワインである「たこシャン」の2023年ヴィンテージは6,000本生産されているそうだ。リリース予定は2025年とのことなので、楽しみに待ちたい。

▶︎「100年つむぐ大阪産ぶどうとワインのプロジェクト」

次に、「100年つむぐ大阪産デラウェア」シリーズの、2022年ヴィンテージと2023年ヴィンテージを紹介しよう。

「『100年つむぐ大阪産デラウェア』は、2021年から始めたシリーズです。毎年造りを変えていて、2021はスティルの辛口、2022年は瓶内二次発酵のスパークリング、23年は甘口のスパークリングワインにしました。2022年と2023年ヴィンテージはいずれも2023年冬にリリースされ、2023年ヴィンテージはほぼ完売しています」。

「100年つむぐ大阪産デラウェア」シリーズは、プロジェクトの一環として造られたワインだ。いったいどんな取り組みなのだろうか。

「『100年つむぐ大阪産ぶどうとワインのプロジェクト』は、コロナ禍で何かできないかと、大阪府や福祉事業所、近くの異業種の企業たちも一緒に始めた企画です」。

以前から、農家の高齢化に伴う離農が多いことに心を痛めていたカタシモワイナリー。農業を継続できない具体的な理由を知れば、何らかの手伝いができるかもしれないと考えた。そこで、大阪府の「農と緑の総合事務所 農の普及課」に依頼して、地元農家が離農する理由を聴取してもらったのだ。

「大阪府の職員さんが、農家さんを回って聞き取りをしてくれました。その結果わかったのは、収穫作業の負担が大きすぎることが最大のネックだということです。収穫を助けたいのは山々ですが、うちも同じ時期に収穫期を迎えます。そこで、地元の企業さんに相談したところ、『お手伝いします!』と言ってくださった方がいて、以前からやり取りしていた福祉事業所の関係者も一緒に大阪のデラウェア畑を守るための取り組みが始まりました」。

こうしてスタートした「100年つむぐ大阪産ぶどうとワインのプロジェクト」は、参加者がそれぞれの立場で取り組み、うまく連携することで地元に貢献できる革新的な体制を採用したのが特徴だ。

「大阪府のアグリパートナー制度を利用し、アグリパートナー協定を結んでいる企業を中心にお手伝いいただいています。もちろん、制度を利用していない企業の参加も大歓迎!です」と、麻記子さん。

収穫の手伝いが必要な農家からの依頼に応じて、福祉事業所と協力企業の収穫人員を数日間派遣する。そして収穫されたぶどうはカタシモワイナリーが回収してワインにするのだが、このプロジェクトのポイントは、「ぶどうよりも、人のスケジュールに合わせる」と割り切ったこと。

通常、ワイン用ぶどうの収穫の現場においては、ぶどうの熟度によって収穫時期を決めるのが一般的だ。だが「100年つむぐ大阪産デラウェア」プロジェクトでは、人のスケジュールに合わせて収穫するため、当然ぶどうの熟度にはばらつきが出る。

そのため、カタシモワイナリーでは、届いたぶどうの様子を見てからどんなワインにするかを考え、醸造をおこなうことにした。例えば、酸が強いぶどうが多ければ、酸味を生かしたスパークリングに。甘みが強ければ、甘口ワインに。

畑が存続するためには、畑に従事する人員を確保し、確実に収穫できなければならない。したがって、このプロジェクトにおいて優先順位が高いのは、あくまでも「畑を守る」ことなのだ。

「収穫の際は、なるべく手がかからないような仕組みを導入しました。収穫作業に使う道具は、カタシモワイナリーのものを必要に応じて使って、終わったら洗って返していただきます。収穫作業も、作業者さんがしっかりと理解できるよう工夫しました。動画でやり方を確認できるようにしたり、収穫適期のぶどうの色の判別用には、大阪府の研究所がぶどうの写真をズラッと並べた資料を作ったりしてくれました」。

そして毎年、プロジェクト終了後である年末頃には、みんなで集まって振り返りをしている。反省や困りごとを相談し合って、次年度によりスムーズに実施するために生かすのだ。

ワインのエチケットデザインは福祉事業所さんから募り、デザイナー作成のロゴを乗せて仕上げてもらっている。応募の作品はエチケットにする際により商品イメージに合い、関係者が自慢できる見た目になるように編集することもあるそうだ。

大阪のぶどう畑を守り、地域の農業や福祉事業を活性化させる、地域を巻き込んだプロジェクト。老舗ワイナリーとしての矜持を大切にするカタシモワイナリーならではの施策だといえるだろう。

▶︎「堅下本葡萄」シリーズのワイン

続いて紹介するのは、「堅下本葡萄」のワイン。「堅下本葡萄」とは、大阪で古くから育てられている甲州のクローン違いの呼び名なのだとか。

「利果園 白 堅下本葡萄」と「合名山 白 堅下本葡萄」は、いずれも「堅下本葡萄」を使ったワインだが、醸造スタイルは大きく異なる。「利果園」は自由なスタイル、「合名山」は昔から変わらない伝統的な味と造りが特徴だ。

「『利果園』は、毎年味が変わります。時代ごとの流行りなどを加味して味わいを変え、自由に造っているためです。一方、『合名山』は変わらないスタイルで造っているフラッグシップワインです。2023年も非常によい出来なので、楽しみにしていただきたいですね」。

甲州と同じ系統の品種である「堅下本葡萄」だが、味わいには大きな違いがあるそうだ。一般的な甲州よりもパンチがあり、コクと旨味を感じるワインになる。また、フルーティーさもあり南国的な印象が強い。

「『堅下本葡萄』を使った銘柄は、ドイツのワインコンクールである『ベルリーナワイントロフィー』での受賞経験もあり、海外での評価が高いのです。楽しんでいただく際には、根菜の煮物などのこっくりとしたものに合わせるのがおすすめです。また、マヨネーズにも合いますし、伝統的なフレンチにも好相性ですよ」。

地域のぶどうの歴史とテロワールを感じられる、「堅下本葡萄」のワイン。ポテンシャルの高い2023年ヴィンテージにも期待したい。

▶︎トンネル熟成ワイン

興味深い企画のひとつに、「トンネル熟成ワイン」がある。リリースされているのは、「感謝をまとうスパークリングワイン」と「希望を運ぶスパークリングワイン」の2銘柄だ。

これらふたつのワインは、「トンネル熟成」の名の通り、スパークリングワインをトンネル内で熟成させたもの。しかも、ひとつは近代化産業遺産に登録された「生駒隧道」、もうひとつは日本遺産の「亀の瀬トンネル」で熟成させたという貴重なワインなのだ。

2種類のワインはいずれも大阪産のデラウェアを使用し、醸造方法も同様。しかし不思議なことに、味わいがまったく異なるという。違うトンネルで熟成させたことによって、味が変化したということだろうか。

「なぜこんなにも味が違うのかはわかりません。気温や湿度、振動の具合などの影響によって違いが出てくるのかもしれませんね」。

2本を飲み比べて楽しむことで、ワインというお酒の奥深さと面白さを、さらに感じることができるだろう。

『カタシモワイナリーのイベント情報』

最後に紹介するのは、カタシモワイナリーのイベントについて。2023年に実施済みのものや、今後開催する予定のものについてお話を伺った。ぜひ、カタシモワイナリーに遊びに行く際の参考にして欲しい。

▶︎4年ぶりの開催 「かたしもワイン祭り」

2023年11月19日に、4年ぶりに開催したイベントが「かたしもワイン祭り」。カタシモワイナリーの敷地とその近隣エリアに設置されたブースを、ワイングラスを持った来場客が歩いて巡るというイベントだ。地域の人によるコーヒー販売や、駅前のマルシェのメンバーによる出店、大阪府内の飲食店のブースなどを楽しむこともできた。

当日は4,000人近くの人が会場に詰めかけたという。カタシモワイナリーのスタッフは総出で対応に当たったが、各ブースとも数十分待ちの行列になってしまったそうだ。あまりの盛況ぶりにスタッフには不安や焦りもあったというが、来場客が協力的だったこともあって大きな混乱もなく、大盛況のうちに終了した。

「地域の皆さんや来てくださった方々に、感謝の思いでいっぱいです。お客様同士で『あそこが空いてるよ』などと情報交換してくださっていましたね。地域やお客様に必ず恩返しをしようという思いを新たにした出来事でした」。

「かたしもワイン祭り」は、2024年も開催する予定だ。地域や自治体とも相談し、混雑を緩和しながらできるだけ多くの人に楽しんでもらえるような工夫をしたいと考えているという。

▶︎春のイベント情報

2024年のイベントについても紹介しておこう。4月21日には大阪府柏原市役所前の大和川河川敷で、大阪ワイナリー協会主催の「おおさかワインフェス」が開催された。2024年はカタシモワイナリーが幹事を務め、河川敷での開催は実に5年ぶりで、多くの人でにぎわった。

カタシモワイナリーが参加するイベントに興味のある方は、お出かけ前にカタシモワイナリーや大阪ワイナリー協会の公式ホームページから最新情報をチェックしていただきたい。

『まとめ』

老舗ワイナリーとしての責任を果たしながら、2023年も数々の挑戦を続けたカタシモワイナリー。

ワインの品質もさらに上げていき、老舗だからこそできるチャレンジにも取り組んでいくことを、今後の目標としている。

「あまり知られていないぶどう品種のワインも造っていきたいですし、以前うまくできなかった品種やコンセプトにも、再度チャレンジしていきたいですね。面白いことをたくさんやっているワイナリーのように見えると思うんですけど、一番真面目にやっているのは、洗浄作業です。ほんまは、地味な仕事にもコツコツ取り組んでいいて、すごく真面目にワインを造っているワイナリーなんですよ」と、大きな笑顔を見せてくれた麻記子さん。

表に見えない部分も大事に考えて取り組んできたからこそ、長い歴史を紡いで来ることが出来たのだろう。カタシモワイナリーはこれからも地域を愛し、地域の人々に愛されながら、魅力あふれるワインを造っていくのだ。


基本情報

名称カタシモワイナリー
所在地〒582-0017
大阪府柏原市太平寺2丁目9番14号
アクセス近鉄安堂駅より徒歩約7分、JR柏原駅より徒歩約15分
HPhttps://www.kashiwara-wine.com/

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