『DOMAINE RAISON(ドメーヌレゾン)』中富良野町の大自然の中、ヤギたちと共に育ったぶどうで造るワイン

北海道空知郡にある中富良野町には、広大な北の大地が広がる。花の季節になるとラベンダーが咲き誇る、豊かな自然が美しい土地だ。

そんな中富良野町で、爽やかで涼しい気候を生かしたぶどう栽培とワイン造りをおこなっているのが、「DOMAINE RAISON(ドメーヌレゾン)」。自然と共存するエコロジカルなワイナリーを目指すドメーヌレゾンでは、愛らしいヤギたちが大活躍している。

今回は、ドメーヌレゾンが生まれたきっかけと栽培・醸造のこだわり、ワイナリーの目標などについて、マネージャーの菊池優子さんと、製造部の野吾隼矢(やご しゅんや)さんにお話いただいた。ドメーヌレゾンが持つ魅力を、余すところなく紹介していきたい。

『ドメーヌレゾン誕生のきっかけと、ぶどう栽培』

ドメーヌレゾンの経営母体は、山梨県甲州市勝沼町の「まるき葡萄酒」を経営する「GROUP RAISON」。まるき葡萄酒は、現存する日本最古のワイナリーだ。

「GROUP RAISON」が手がける事業は幅広く、長野県塩尻市のワイナリー「Domaine KOSEI」や、北海道でのホテル事業、レストラン事業、ショコラトリー事業などの企業がグループに属している。

北海道にワイナリー事業が立ち上がったきっかけと、ドメーヌレゾンが生まれた背景とは?また、ドメーヌレゾンのぶどう栽培についても見ていこう。

▶︎北海道に可能性を感じて

ドメーヌレゾン誕生のきっかけとなったのは、大阪で不動産事業を営む清川浩志さんと、まるき葡萄酒との出会いだった。まるき葡萄酒から、北海道でのワイナリーとホテル経営についての提案を受けた清川さん。新事業への可能性を感じ、共にプロジェクトをスタートさせた。そして、ドメーヌレゾンと、隣接するホテル「一花(ひとはな)」をオープンしたのだ。

では、「GROUP RAISON」は、なぜ北海道に目をつけたのだろうか。マネージャーの菊池さんは、近年の気候変動による温暖化に対応するためだと答えてくれた。

「ワイナリーと圃場のある中富良野町は、ヨーロッパのような気候の冷涼な場所です。縁あって中富良野町に広い土地を手に入れることができたので、この地でワイナリーをスタートすることになりました」。

▶︎ヨーロッパ系品種を栽培

北海道の広大な土地に自社圃場を構えるドメーヌレゾンでは2016年から、冷涼な気候を生かしたぶどう栽培をおこなっている。

北海道ならではの特徴を生かすための取り組みと、栽培管理をする上で気をつけていることについて、栽培醸造担当の野吾さんにお話いただいた。

まずは自社圃場で栽培するぶどう品種の紹介から入っていこう。中富良野町にある自社圃場で栽培するのは、次の11品種だ。

<赤ワイン用品種>

  • ツヴァイゲルト
  • メルロー
  • ピノ・ノワール

<白ワイン用品種>

  • ケルナー
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • ミュラートゥルガウ
  • シャルドネ
  • ゲヴュルツトラミネール
  • ピノ・グリ
  • ピノ・ブラン
  • リースリング

栽培しているのは、いずれもヨーロッパ系の品種。冷涼な気候である中富良野町に合うだろうと見込んで選んだ。栽培スタートから7年が経過し、品種ごとの特性も見えてきたところ。中富良野町の土地に合っていると感じるのは、ケルナーとソーヴィニヨン・ブランだ。

「メインで栽培しているケルナーは、北海道の気候と圃場に合っている品種です。また、ソーヴィニヨン・ブランもこの土地にとても合っていると感じます。いずれの品種も、品種由来の香りがしっかりとありますね。この土地の特性を、ワインでしっかりと表現できると感じます」。

まだ収量は少ないものの、リースリングも期待できる品種なのだとか。今後はさらに栽培量を増やす予定なので、新たな品種の可能性にも期待が高まる。

▶︎40haの広大な自社圃場 北海道ならではのぶどう栽培

ドメーヌレゾンの自社圃場は、なんと広さ40haに及ぶ。広大な土地に垣根仕立てのぶどう畑が広がっているのだ。

圃場は元・牧草地だった場所であり、大部分は東向きの傾斜地。全体的に、水はけは非常に良好だ。圃場が広いため土質はエリアによって異なっており、中にはぶどう栽培には痩せすぎている場所もある。そのため、土中に有機物を投入して改良をおこない、土質を向上させている最中だ。

気候についても見ていこう。本州に比べて降水量が圧倒的に少ないのが、北海道の最大の特徴だ。年間を通して湿度も低い。ただし、直近10年ほどは気候変動の影響で、気温・湿度共に上昇傾向にある。北海道で生まれ育った菊池さんは、次のように話してくれた。

「北海道はカラッとした気候ですが、昔よりも気温が上昇してきましたね。特に2023年は、夏の最高気温が37度に達したので驚きました。例年ならお盆を過ぎると朝夕の気温がぐっと下がるのですが、2023年は異常気象でしたね。昼夜の寒暖差が大きい地域なので、ぶどうの生育は良好です。中富良野町は朝晩の寒暖差が大きいため、糖度が高く美味しい果物ができる場所なのです」。

中富良野町の気候として特筆すべき点に、「雪」が挙げられる。降雪量が多く、冬には垣根仕立てのぶどうの樹が雪にすっぽりと隠れてしまう。

「私は以前、鳥取県にあるワイナリーで勤務していました。そのため、北海道の雪の多さには驚きました。雪が降る期間が長いので、冬の剪定作業は雪が積もるまでに終わらせる必要があり、冬季の作業期間が短いのが北海道のぶどう栽培の特徴ですね」と、野吾さん。

ぶどうの熟度を上げるためには収穫時期を遅らせたいところだが、積雪までに剪定を終わらせる必要がある。ぶどうの樹は、収穫後の越冬期間に栄養を蓄える習性を持っている。そのため、剪定時期を後ろ倒しにすると栄養を蓄える期間が短くなり、次年度の生育に影響が出てしまう。次年以降のことを考えて冬季の作業を急がなくてはならないのが、北海道のぶどう栽培の難しさなのだ。

北海道の広大な土地で、気候風土を生かしたぶどうを栽培するドメーヌレゾン。寒冷地ならではの苦労がある一方で、中富良野町の冷涼な空気はぶどうにきらめく個性を付与してくれる。

▶︎ヤギがいるぶどう畑

ドメーヌレゾンのぶどう栽培では、ユニークな取り組みがおこなわれている。なんと、一部の圃場で「ヤギ」を飼育しているのだ。ワイナリーにいるヤギはおよそ30頭ほど。

「ヤギチーズをワインと合わせたらよいのではないかというアイデアがあり、ヤギを飼うことになりました。いざ飼ってみると、それ以外にもメリットが多く驚いています。ヤギがいることで、エコロジカルかつサステナブルな農業が実現できているのです」。

ヤギを飼育することで、次のような利点があるという。まずは、雑草を食べてもらえること。ヤギの食事にもなり、かつ自然に除草の手伝いをしてくれているのだ。

また、ヤギの排泄物を肥料にできる点も見逃せない。排泄物を集めて堆肥場に置き、発酵させて肥料にするのだ。完全な有機肥料で、地球環境に優しい農業資材だといえるだろう。畑に使用することで地力が向上するため、ぶどうの生育も活発になることが期待できる。

さらに、ぶどうの絞りかすをヤギの餌として与えることもできる。ワイン醸造において大量に発生する廃棄物の活用と、ワイナリーのコンセプトである「サスティナブル」が成立するのだ。

「現在は人手不足でチーズの製造まで手が回らないため、ヤギの乳はソフトクリームなどに加工して販売しています。人手が増えたら、将来的にはチーズ作りにも本格的におこなっていきたいですね」。

ドメーヌレゾンのヤギは、驚くほど人懐っこいのだとか。ヤギに会う目的ワイナリーに遊びに行けば、楽しく癒やされるひとときを過ごせるだろう。

▶︎栽培のこだわり 収穫時期の工夫

野吾さんに、ドメーヌレゾンのぶどう栽培におけるこだわりについて伺った。

「一番のこだわりは、収穫時期を徹底的に考え抜いている点ですね。中富良野町のぶどう特有の酸を生かすために、欠かせないこだわりです。また、広大な圃場での病害虫の発生を防ぐため、とにかく圃場を回ってしっかりと観察することを徹底しています」。

それぞれについて詳しく紹介していこう。まずは、収穫時期の工夫についてだ。造り手である野吾さんは、ドメーヌレゾンのぶどうの長所は「きれいな酸」にあると考えている。

きれいな酸を生かすために重要なのは、糖と酸のバランスをとること。酸だけ強くしても、飲みにくい味わいになってしまうため、よさが伝わらない。一方、ぶどうの熟度を上げすぎると、せっかくの酸が落ちてしまう。そのため、品種ごとに適切な収穫時期を考えて収穫タイミングを調整することで、素晴らしい酸をバランスよく表現できるように工夫しているのだ。

「9月中旬からミュラートゥルガウの収穫が始まり、1か月半ほどかけて、品種ごとに収穫を進めていきます。10月いっぱいまでかかるのは、シャルドネですね。ワインにしたときの酸と糖のバランスをよくするため、品種によっては収穫時期を複数回に分けることもあります」。

栽培段階でのたゆまぬ努力によって、ドメーヌレゾンのワインには、中富良野のテロワールを表現した美しい酸が宿るのだ。

▶︎丁寧な観察で、ぶどうを守る

続いては、圃場での観察をしっかりとおこなっているという点についても、深掘りしていこう。

ドメーヌレゾンの畑は、40haもの広さを限られた人数で管理している。栽培メンバーの人数は時期によって異なるが、5〜10人ほど。ひとりが見るべき範囲がとても広い。そのため、とにかく畑の中を歩き回ってぶどうの様子をつぶさに観察することを徹底。ささいな変化も見逃さないことが、ぶどうの健全性を守るためのポイントなのだ。

「広い圃場だからこそ、細かな管理が非常に重要になります。病気の発生を見逃してしまったら、あっという間に広範囲に蔓延してしまうかもしれません。畑が広いため、同じエリアを再度訪問するのは少し先になってしまうというリスクがあるのです。だからこそ、畑をくまなく歩いてぶどうを見ることが必要です。シンプルですが、丁寧な観察こそがぶどうを守ることにつながるのです」。

ドメーヌレゾンの栽培メンバーは、ひとりひとりが自分に必要な役割を考えて、率先して動いている。すべては、満足のいく品質のぶどうを育てるために。造り手の情熱たちが、上質なぶどうを育て上げるのだ。

『美しい酸を生かして ドメーヌレゾンのワイン醸造』

次のテーマは、ドメーヌレゾンのワイン醸造について。

醸造を担当する野吾さんは、鳥取でワイン造りをおこなった経歴を持つ。気候も品種も異なる北海道でのワイン醸造には、まだ戸惑うことも多いというが、この土地ならではのワインを表現したいと強い意気込みを語ってくれた。

ドメーヌレゾンの造り手たちには、若いスタッフが多いという。グループのワイナリーである、まるき葡萄酒やDomaine KOSEIといった先輩ワイナリーから多くの知識を学び、日々技術を高めているのだ。

そんな未来への輝きに満ちたドメーヌレゾンの醸造現場を、詳しく見ていこう。

▶︎美しい酸を生かしたワインを造る

ドメーヌレゾンが目指すのは、中富良野町の冷涼な気候が生み出す「キレのある酸」を生かしたワイン造りをすること。この土地ならではの特徴を表現するべく、特に白ワインの醸造には気を使っているという。

「酸の表現は重要ですが、酸が際立ちすぎてもよくありません。糖と酸のバランスと味わいしっかりと確認しながら、美しい酸を感じられるワインを目標にしています」。

美しい酸を残してテロワールを表現するため、特に重視しているのは、余計な香りを出さないことだ。クリーンな香りを表現するには、オフ・フレーバーや過度な酸化に気をつけてワイン造りをおこなわなくてはならない。

「基本的なことですが、醸造所内の衛生環境をクリーンに保つことを徹底しています。外からの雑菌や野生酵母を持ち込まないように、こまめにしっかりと清掃しています。当たり前のことではありますが、非常に大切なことなのです」。

醸造所の管理やぶどうの扱いを丁寧にすることで、自然とぶどう本来の香りが出てくる。ぶどうの個性を豊かに表現していけば、次第に土地の個性も見えてくるものだ。

野吾さんが目指すのは、中富良野ならではの味わいを感じられるワインを造ること。土地を感じられるワインにするには何が必要なのか、ぶどうをどのように導けばよいのかを常に考えているという。ワイナリーが目指す理想の表現を求めて、ドメーヌレゾンの醸造メンバーは、試行錯誤と研究を続けているのだ。

▶︎フラッグシップワイン「中富良野ケルナー」

ドメーヌレゾンで醸造しているおすすめ銘柄について尋ねてみた。まず最初に紹介していただいたのは、フラッグシップワインの「中富良野ケルナー」。自社圃場のケルナー100%のワインだ。

主力銘柄ということもあり、中富良野町のテロワールが明瞭に表れた1本だ。冷涼な酸をしっかりとたたえつつ、フルーティーさも持ち合わせたバランスのよさが光る。アルコール度数も比較的高く、ボリュームもある。あらゆる要素がバランスよくそろっていて飲みやすいため「ワインが苦手な人でも楽しめる味」だと、菊池さんは言う。

「『中富良野ケルナー』の2022年ヴィンテージは、しっかりと寝かせてからリリースしました。2021年ヴィンテージはコンクールで賞をいただいた優秀なワインでしたが、2022年ビンテージも同じく自信作です」。

「中富良野ケルナー 2022」は、2023年9月からオンラインでも販売を開始している。ドメーヌレゾンを知るための1本として、ぜひとも押さえておきたい。

▶︎ワイン好きもうならせる「中富良野ソーヴィニヨンブラン」

「中富良野ソーヴィニヨンブラン」は、野吾さんおすすめの銘柄だ。

「ドメーヌレゾンのワインはそれぞれに異なる美味しさを持っているので、人によっておすすめ銘柄が違います。私がおすすめする『ソーヴィニヨン・ブラン』は、醸造したメンバー自身が気に入っている銘柄です。実は、私がドメーヌレゾンを知ったのは、『中富良野ソーヴィニヨンブラン』を飲んだことがきっかけでした」。

野吾さんのほかにも、「中富良野ソーヴィニヨンブランに感動したので、ドメーヌレゾンで働きたい」と問い合わせくれた人がいるのだとか。菊池さんは、「自社のワインながら、働いてみたいと思わせるワインってすごいと思っています」と、嬉しそうに話す。

「中富良野ソーヴィニヨンブラン」は、爽やかさと豊かさが絶妙な配分で互いを引き立て合う味わいが特徴。北海道らしい酸がありつつも、南国果実のニュアンスも感じられる二面性が魅力だ。

味わいの秘密は、早摘みと遅摘みのソーヴィニヨン・ブランをブレンドしていること。酸を生かしながら、さらに旨味を付与するための工夫として、収穫期の異なるソーヴィニヨン・ブランをブレンドしているのだ。早摘みにはキリッとした酸、遅摘みにはフルーティーさと南国感がある。ブレンドによってそれぞれの要素が溶け合って、ひとつのワインとしての完成度を上げているのだ。

「ニューワールド系のソーヴィニヨン・ブランを思わせるような、非常に質の高いワインになっていると思います。ソーヴィニヨン・ブラン特有の青い香りと、グレープフルーツのような爽やかな香りも感じられるので、ぜひ屋外で楽しみたいワインですね。暑い時期にキンキンに冷やせば、ピクニックやバーベキューに最適ですよ」。

最新ヴィンテージである2023年の「中富良野ソーヴィニヨンブラン」も、早摘みと遅摘みをブレンドする。ただし、2022ヴィンテージとはブレンドの比率が異なるため、ぜひとも2022年と2023年のヴィンテージを飲み比べて楽しんでいただきたい。

▶︎ワイナリーツアーが魅力

ドメーヌレゾンでは、ワイナリーツアーを開催している。しかも、ドメーヌレゾンのワイナリーツアーには、ほかとは一味違う強みがある。

「ドメーヌレゾンのワイナリーツアーでは、ガラス越しではなく醸造現場に直接入って見学して頂きます。目の前で醸造機器や醸造の様子を見ていただけるのが、弊社のワイナリーツアーの魅力ですよ」と、菊池さん。

仕込みのない時期には、醸造機器のすぐ側まで行くことが可能。仕込みの期間だけは少し離れた場所からの見学になるが、ワイナリーの空気感をその場で感じることができるのは魅力的だ。体験した人にとっては、忘れられないワイナリーツアーになることだろう。

▶︎観光地にあるという強み 広がるワインの輪

菊池さんと野吾さんが考える、ドメーヌレゾンの魅力について教えていただいた。

富良野という観光地にあることと、実際に試飲してよさを感じてもらえる質の高いワインを造っていることが魅力だと話してくれた、菊池さん。

「ドメーヌレゾンには、富良野観光のバスツアーのお客様もいらっしゃいます。ワイン目的ではない観光客に来ていただけるのは、ドメーヌレゾンの強みですね。7〜8月には富良野のラベンダー目当てのお客様がとても多く、食事場所としてうちに立ち寄ったついでにワイナリー見学と試飲をしてくださるのです。これをきっかけにワインに興味を持ってくれる方が非常に多いので嬉しいですね」。

自分はビール派だと言いつつも、試飲して美味しかったからとワインを購入してくれるお客様も多いそうだ。また、友人からの観光土産としてワインをもらったという人から、購入希望の連絡を受けることもよくある。富良野観光に訪れた人がワインに興味を持ち、そこから輪が広がっていくのが、ドメーヌレゾンの強みだ。

もちろん、ただ観光客を受け入れているというだけでは、新たなファンを獲得することはできないだろう。多くの人に美味しいと思ってもらえる素晴らしいワインを造っているからこそ、幅広い客層を魅了できる。

『ドメーヌレゾン、未来への展望』

最後のテーマは、ドメーヌレゾンの未来について。ワイナリーとしての目標や、今後造ってみたいワインについて聞くことができた。

▶︎今後造りたいワイン

ぶどう栽培を開始して7年目を迎えた、ドメーヌレゾン。これから先、さらなる収量の増加を予定しており、自社ぶどうを使ったワインの生産量が増えていくことが見込まれている。ぶどうの樹齢が上がると共に、より上質なワインが造れるようになるだろう。

現在は買いぶどうも使用しているが、ゆくゆくは自社ぶどうのみでワイン醸造をおこなえる体制を整えたいと意気込む。そして、自社ぶどうワインの拡大に伴って増やしたいと考えているのが、「ブレンドワイン」と「瓶内二次発酵のスパークリングワイン」の醸造だ。

野吾さんは、醸造の目標について次のように話す。

「現在、自社ぶどうは単一品種のワインに使っています。収量が増えて余裕ができたら、ブレンドワインにも自社ぶどうを使っていきたいですね。また、北海道でワイン造りをする以上、瓶内二次発酵のスパークリングも外せないと思っています。今は炭酸注入タイプのスパークリングのみ生産していますが、やはり本格的な瓶内二次発酵のスパークリングワインを造りたいです」。

スパークリングワインにとって重要なのは、キリッとした酸。北海道ならではの酸が魅力のドメーヌレゾンのぶどうを使って瓶内二次発酵のスパークリングワインを造れば、より北海道らしい魅力を表現できると考えているのだ。

また、グループワイナリーである、まるき葡萄酒やDomaine KOSEIの先輩醸造家たちからは、「熟成ワイン」を造ることも勧められているのだとか。現在のドメーヌレゾンは、早飲みタイプのワインがメイン。野吾さんは、もう少し経験を積んでから、熟成ワインにも積極的にチャレンジしていきたいと話してくれた。

「先輩方からありがたいアドバイスをいただけるので、とても心強いです。今後もいろいろなことにチャレンジしていきたいですね」と、菊池さん。ドメーヌレゾンの未来は、希望に満ちている。

▶︎ヤギチーズの復活に向けて

もうひとつの目標は、ヤギチーズの生産再開だ。

開業当初はヤギチーズも製造していたが、現在はワイン醸造に力を入れており、チーズまで手が回っていない状態。しかしファンから復活を望む熱い声が多く、再開したいと考えているという。

「待ってくださるお客様も多く、ぜひとも製造したいと考えています。しかし、チーズは生き物なので、本気で作るには手間と時間がかかります。よいものを提供するには生半可な気持ちではできません。ワインが落ち着いたらチーズの生産に向けて動きたいと思っているので、もう少しお待ちいただけると嬉しいです」。

ワイナリーの草を食べ、ぶどうの絞りかすを食べたヤギの乳からできるチーズが、ワインと合わないわけがない。ドメーヌレゾンのワインとヤギチーズのマリアージュを堪能できる日を、楽しみに待ちたい。

『まとめ』

可愛らしいヤギと美しく広大なぶどう畑という、北海道の自然の美しさを存分に堪能できるドメーヌレゾン。ワイナリーツアーやヤギとのふれあいも楽しめ、現地を訪れる楽しさも味わえるワイナリーだ。

ドメーヌレゾンがリリースしている魅力的なワインは、ワイン初心者から経験者まで、多くの人が満足できるラインナップ。

ドメーヌレゾンのワインを楽しみたいなら、ぜひ中富良野町のワイナリーに直接足を運んでみよう。ホテル「一花(ひとはな)」に宿泊して非日常の空間を満喫し、ドメーヌレゾンのワインと北海道の豊かな食、そして雄大な景色を楽しんでみたいものだ。

基本情報

名称DOMAINE RAISON(ドメーヌレゾン
所在地〒071-0771 
北海道空知郡中富良野町東1線北4号
アクセスhttps://domaine-raison.com/access.html
HPhttps://domaine-raison.com/

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