『久住(くじゅう)ワイナリー』新進気鋭の醸造家が造る、クリアでエレガントな味わい

今回紹介するのは、大分県竹田市久住町にある「久住(くじゅう)ワイナリー」。九州の中央部に位置する国立公園、「阿蘇くじゅう国立公園」内に位置するワイナリーだ。自社圃場は雄大な「くじゅう連山」のふもとに広がり、美しく壮大な景観で人々を魅了している。

温暖な気候という印象が強い九州エリアだが、久住ワイナリーの自社畑は標高が高い場所にあるため冷涼だ。どんなぶどうが栽培されているのかが気になる。

久住ワイナリーで支配人・醸造担当を務めるのは、土持浩嗣さん。久住ワイナリー設立の経緯とその後の歩み、ぶどう栽培とワイン造りについて伺った。

2018年に前任者から醸造担当を引き継いだ土持さん。未経験ながらわずか数年で、久住ワイナリーを数々のコンクール入賞に導いた。しかしながら、コンクールで賞を獲得するレベルのワインを生み出すまでの道のりは、決して平坦ではなかったことだろう。

まずは、久住ワイナリー設立の経緯から辿っていくことにしよう。

『久住ワイナリーの設立と、突然の転機』

久住ワイナリーがある「阿蘇くじゅう国立公園」は、1934年に誕生した国立公園だ。「阿蘇山」と「くじゅう連山」などの火山群、そして周囲には雄大な草原が広がる。

そんな久住町にワイナリーを設立したのは、土持さんの母の再婚相手であった藤井文夫氏。自らの故郷にぶどう畑を作りたいとの夢を抱き、2003年に5〜6haの自社畑を持つワイナリーを創業した。

▶︎かつては観光客向けワインを製造

九州でも有数の観光地である「阿蘇くじゅう国立公園」には、年間を通じて多くの観光客が訪れる。そのため、久住ワイナリーは創業以降、観光客向けに販売するワインを製造していた。いわゆる「お土産ワイン」で、甘口かつ口当たりの軽い造りだったそうだ。

土持さんが久住ワイナリーで働き始めたのは、2010年頃のこと。大学では経営学を学んだためワイナリーの経営に参画したが、ぶどう栽培やワイン醸造の現場には関わっていなかった。

「当時の久住ワイナリーは、ワインジャーナリストの石井もと子さんから、『景観だけは日本で5本の指に入るんだけどね、昔は期待していたのに残念』と言われてしまうようなワインしか造っていませんでした」。

当時を思い出して悔しそうにつぶやく土持さんだが、栽培・醸造の経験が全くなかったため、自分にできることは何もないと考えていたという。

だが、2018年の春も終わる頃、転機が訪れた。なんと、醸造担当だったスタッフが突然退職したのだ。

▶︎ワイン造りの道に入ることを決意

久住ワイナリーは、醸造を担う新たな人材をすぐに見つける必要があった。自社畑のぶどうはすくすくと育ち秋にはいつも通り収穫を迎えるため、一刻の猶予もなかった。

さまざまな伝手をたどって後任探しに奔走したが、適任な人はなかなか見つからない。発酵学を学んだ経験がある人を雇って後任として据えようとしたり、コンサルタントに入ってもらったりと試行錯誤したが、時間は無情にも過ぎていくばかり。そして後任が決まらないまま秋になり、とうとう収穫時期を迎えてしまったのだ。

「とても悩みましたが、私が醸造を担当することに決めました。苦渋の決断でしたが、当時はほかに選択肢がなかったのです」。

だが、醸造経験が一切ない土持さんが、ワインをひとりで造るのは不可能だ。前任者の引き継ぎもなかった。

そこで、幾人もの知り合いの醸造家や、醸造機器メーカーなどからアドバイスをもらうことにした土持さん。受けたアドバイスを総合的に参考にし、手探りで仕込みをスタートさせた。

「1年目は、とりあえず『ワイン』と呼べる状態のものができればよいと考えました。ただし、やるからには3年で醸造を習得しようと決めたのです」。

▶︎経験値を上げるためには

未経験者が短期間で醸造に精通するには、どうしたらよいか。土持さんが考えを巡らせて出した結論は、「とにかく数をこなすこと」だった。

「日本ワイン業界で活躍している醸造家さんには、醸造学を学んだ方や若い頃からの経験がある方、海外で修行をしてきた方などがたくさんいらっしゃいます。そんな中、当時30代中盤で醸造について何も知らない私が追いつくには、少しでも多くの経験を積むしかないと考えたのです」。

そこで、土持さんにとってのファースト・ヴィンテージである2018年は、とにかく少量で数多く仕込むことに重点を置いた。例えば、5t収穫したシャルドネの場合、800kgずつを5種類仕込んだのだ。

もちろん、仕込みの数が増えるほど、その分手間も増えていく。だが、まずは知り合いの醸造家たちの助言をもとに醸造に挑戦することが優先だった。万が一失敗しても、「失敗だとわかったことが成功」だと考えて進めていったのだ。

「この過程を何度も繰り返すうちに、教えてくださった方たちの技術の『いいとこ取り』ができるようになり、さらに自分なりのエッセンスを加えて、独自のスタイルが確立してきたと感じています」。

『久住ワイナリーのぶどう栽培』  

続いては、久住ワイナリーのぶどう栽培について見ていきたい。

栽培している品種は、シャルドネとメルロー、ピノ・ノワール。さらに、ドイツ系品種のションベルガーや、メルローとヤマブドウの交配品種など。また、スチューベンなどの食用品種もいくつか手がける。

さらに、シラーとプティ・ヴェルドを新たに植え付けた新しい畑もあり、2024年には少量のアルバリーニョも植栽予定だ。

▶︎自社畑で栽培している品種

現在栽培している品種の大半は、久住ワイナリーが2003年に創業した際、コンサルタントと相談して植えたものだ。実際にぶどうを栽培してワインを造るようになり、土地に合う品種と合わない品種が次第にわかってきた。

「久住ワイナリーのシャルドネは、他社とも十分に勝負ができる品種だと自負しています。ヤマブドウ系の品種のワインもファンが多く、自社畑の土壌に合っていると感じますね」。

一方、ピノ・ノワールは土地に合っていないと感じるため、ほかの品種への植え替えを検討している。育てやすく、今後の気候に合いそうな品種を選定中なのだとか。

また、食用品種は、以前は食用として販売していたものの、土持さんが醸造を担当し始めてからはワインに使用。ラインナップの拡充に、ひと役買っている。

▶︎ぶどう栽培をしている土地の気候

久住ワイナリーの自社畑があるのは、標高800〜900mほどの場所。ワイナリーが管理するぶどう畑としては、九州でもっとも標高が高いそうだ。

「九州は温暖湿潤な気候で、フルーティーかつ熟したワインができるイメージがあるかもしれませんが、久住ワイナリーの自社畑はひと味違います。冷涼な気候が特徴で、8月半ばでも最低気温が20℃を下回るほどです」。
また、収穫時期である9月下旬〜10月になると、昼夜の寒暖差は最大20℃ほどになる。昼間は半袖で作業をしても夜になると冷え込むため、毛布をかぶって眠るほど。その時期は秋晴れが続き、昼夜の寒暖差がある中で収穫を伸ばせるため、香味豊かでエレガントな酸が残る。久住ワイナリーのぶどうは、九州のワイナリーの中では特異な存在だと言えるだろう。

▶︎風の影響を大きく受けるぶどう栽培

自社畑は風通しがよいため、雨が降ってもすぐに乾き、ぶどうが病気になりにくい環境だ。また、風が通ることで遅霜の被害が出にくいのも、メリットのひとつだと言えるだろう。

だが、久住ワイナリーの自社畑は風通しが良いだけに、台風のからは逃れられない。高原で畑の周囲に風を遮ってくれるものがないため、台風の日にはぶどうの枝が折れたり、杭が一列まるごと倒れたりすることさえある。

久住ワイナリーの自社畑は標高が高く気温が低いため、ぶどうの収穫時期は九州のほかのワイナリーよりも1か月以上遅い。収穫開始は9月で、終了するのは11月中旬だ。そのため、台風のリスクにさらされる期間が長く、収穫直前に台風が直撃すると大きな被害が発生する。

「これまで、台風の被害が全くなかった年はほとんどありませんね。すべては『台風様』次第です。できるだけの対策はしていますが、被害を完全に避けることは難しいのです」。

▶︎栽培管理における工夫

自社畑の土壌は火山灰土壌の黒ボク土で、50〜100cmほど下層には粘土層がある。雨量が多いエリアではあるものの、水はけのよい土壌で傾斜がついているために雨水がたまることはなく、大半は流れていく。雨量の割には、雨の影響は少ないそうだ。雨の振り方としては、近年では夕方に降る一時的なスコールのような雨が多い。

また、樹間は1.25mで、樹勢が強いヤマブドウ系品種だけは2m以上の間隔に植栽。樹の仕立て方としては、創設当初はギヨーのダブルを採用していたが、現在はコルドンのダブルに変更。コルドンの方が萌芽と生育のタイミングが均一で、楽に管理できるためだ。

ただし、久住ワイナリーの垣根の仕立て方は通常よりも低く、フルーツゾーンが65cmほどの場所にある。風の影響を受けにくくするため、あえて低めに仕立てているそうだ。

「新しく植栽した区画は、やや標高が低く風の影響を受けにくいところにあるので、高めの垣根に仕立てるつもりです。フルーツゾーンが低いと泥はねや湿気だまりによる病気が発生しやすいためです」。

さらに、2020年からは、一部の区画の地面に「白マルチ(マルチングフィルム)」を張る取り組みもスタートさせた。冷涼な気候で積算温度が上がりにくいことがあるため、地面からの反射熱を利用しようというわけだ。水分が地面に吸収されにくく、草刈りの手間も省けるという副次的なメリットがあることもわかったので、今後も使用を継続していく予定だという。

▶︎美味しさの秘密は収穫時期

久住ワイナリーの自社畑の収穫は、ドイツ系品種のションベルガーから9月にスタートする。いちばん最後に収穫するのはヤマブドウ系品種で、11月初旬頃。合計2か月半ほど収穫作業をおこなっている計算だ。

久住ワイナリーのヤマブドウ系品種のワイン「久住EBONY 2020」は、2023年に実施された「第1回 日本山ぶどうワインコンクール」で金賞と部門最高賞を受賞。広く認められることになった秘密は、実は収穫時期にあるのだとか。

ヤマブドウにルーツを持つ品種は強い酸味を持つのが特徴。そのため、ワインにしたときにも野生的な趣が過剰に出てしまい、飲みにくくなりがちだ。その点をクリアするため、久住ワイナリーでは収穫時期を可能な限り遅らせる方針を採用している。

房を樹に付けたままの状態で時間が経過すると、やがて水分量が減少し、粒が小さくしわしわになる。収量は10月頃に収穫した際の半分ほどに減るそうだ。しかし、11月まで収穫を待つと、なんと糖度は26~32度程度まで上昇するのだ。

「11月まで待って収穫したヤマブドウ系品種は、そのまま食べても酸味が気にならないほどです。この果実を使うと、酸味が少なくボディーがあり、エレガントなワインに仕上がりますよ」。

▶︎収穫におけるこだわり

ヤマブドウ系品種以外のぶどうでも、久住ワイナリーでは収穫のタイミングにこだわっている。色づきの状態をしっかりと見極めることで、最適な時期に収穫することを心がけているのだ。また、同じ樹に付いた房も同時に収穫するのではなく、熟した房から順に収穫していく。

「一度に収穫せず、残ったものは熟すのを待ちます。シャルドネだけでも、3〜4回に分けて収穫しますね。9月中旬から10月10日くらいまでかけて徐々に収穫し、そのたびに仕込むことで、ブレンドの汎用性が高まります」。

また、栽培しているシャルドネのクローンは3種類あるため、クローンごとに分けて仕込むそうだ。同じシャルドネでも、クローンが異なれば収穫時期と味わいが違うため、別々に管理する必要があるのだ。

『久住ワイナリーのワイン醸造』

久住ワイナリーのワインは、すべて土持さんが醸造を担当している。初仕込みから変わらず、少量でたくさん仕込む方法は現在も継続。当初は経験値を上げるために、とにかく数をこなしたいという理由から採用した方法だったが、今ではすっかり久住ワイナリーのスタンダードな手法となったのだ。例年、30以上のキュヴェを造る。

ここでは、久住ワイナリーのワイン醸造に迫っていきたい。「とにかく美しい液体を造りたい」と話してくれた土持さん。そのために、どんな点に気をつけて醸造をおこなっているのだろうか。仕込みや醸造におけるこだわりと、独自の工夫に迫ってみよう。

▶︎クリーンでエレガントなワイン

土持さんが目指すのは、初めて醸造を手がけたときから変わらず、「クリーンなワイン」を造ること。健全なぶどうだけを使い、衛生管理にもしっかりと気を配る。また、味わいとして挙げてくれたのは、「エレガント」であること。

「収穫のタイミングを工夫して、ブレンドすることで複雑さを表現しています。標高が高いエリアで育ったぶどうならではの酸が美しく感じられ、樽は最後にほんのりと香るくらいが理想ですね。言葉で表すのはなかなか難しいですが、感覚的なものを重視して醸造しています」。

クリーンな造りにするために、仕込みの際には、選果に細心の注意を払う。妥協は許さず、見た目でわからなければ食べて判断するそうだ。トップレンジのワインに用いるぶどうは特に、注意を払って選果している。

久住ワイナリーの生産本数は、年間3~4万本程度。小さめのタンクを使って小分けに仕込んだ後にブレンドして仕上げる。トップキュヴェのシリーズが「Catwalk」で、その下が「The Sun」。そのほかに、契約農家からの買いぶどうを使用した銘柄もある。

収穫したぶどうは、まず用途別にコンテナに振り分ける。シャルドネの場合、果皮が黄金に色づき、しっかりと熟しているものが「A」、色づきが完全ではない粒が混ざっているものが「B」、未熟果があるものが「C」といった具合だ。

Aはトップキュヴェ用、BとCはそれ以外に使用する。果実の状態で分類することは、ブレンドで理想の味わいを作りやすくなることにもつながる重要な作業なのだ。

▶︎醸造におけるこだわり

久住ワイナリーの醸造におけるこだわりをいくつか紹介しておこう。まずは、「振動式除梗破砕機」を使用していること。果実を傷めず、梗を完全に除去するための選択だ。久住ワイナリーのワインはすべて、梗が完全に除去されている。梗が混入することを嫌うため、機械で除去できずに残った梗も手作業で取り除くという徹底ぶりだ。

またホールバンチプレスはほとんどおこなわず、少し破砕してスキンコンタクトを実施。白ワインの場合、酵素剤を併用して2~3時間程度スキンコンタクトをしてから発酵に移る。これにより、旨味香味がアップし発色がよくなる効果が期待できるそうだ。

「樽発酵をしないのもこだわりです。樽香のバランスを褒めていただくことが多いので嬉しいですね。果実味があり酸がきれいなぶどうには、樽香はほんのりと香る程度にしています。すっぴんが綺麗なら、厚化粧をする必要はないのと同じですね」と、イタズラっぽい表情の土持さん。

コンクールで受賞したワインの総評でも、「樽のニュアンスもあるが、果実味が主体でバランスがよい」との評価を受けたそうだ。

『久住ワイナリー おすすめ銘柄の紹介』

久住ワイナリーのワインは、「日本ワインコンクール 2023」で金賞をふたつ、銀賞を3つ、銅賞を3つ受賞した。

金賞を受賞したのは「シャルドネ Catwalk2021」と「シャルドネ Catwalk Night Harvest 2021」で、そのうち、「シャルドネ Catwalk Night Harvest 2021」は部門最高賞も受賞した。

栄えある賞に輝いた銘柄について、土持さんから紹介いただいた。

▶︎「シャルドネ Catwalk Night Harvest 2021」

「部門最高賞をいただいた『シャルドネ Catwalk Night Harvest 2021』は、とてもきれいな月明りの中で、寒さに震えながら深夜0時から収穫したシャルドネだけで醸造しました。美しい黄金色の果実で、糖度は23.5度前後、さらに酸度は8.5度以上もありました」。

ナイトハーベストしたぶどうは素晴らしい状態で、ワインは最高の仕上がりとなった。部門最高賞に輝いたことを知ったとき、土持さんには込み上げてくる思いがあったという。

「ワインには魂がこもるのだと、実感することができました。力を貸してくれた社員にも、部門最高賞受賞で自分たちの仕事の成果を誇りに思ってもらえたのであれば、それが一番嬉しいです。実は、わたしは未経験で醸造を始めたときから『必ず金賞を獲る』とみなに言葉にしていました。社員に目標を高く設定してもらいつつ、同時に自分に逃げ道や保険を残さないようにするためです。当たり前ですが、当初は誰からも信じてもらえず、辞めてしまう社員もいました。しかし、残ってくれた社員は一人悪戦苦闘する私を見て、可愛そうだと思ったのかいつの間にか協力してくれるようになったのです」。

1年目は没頭しすぎて睡眠も食事も取らず気を失ったり、不慣れな工場作業で熱湯を頭からかぶってしまったり。さらには作業中に足を負傷して歩けなくなったことさえあったという土持さん。だが、昔から負けず嫌いだった性分ゆえに、やるからには絶対に世の中を驚かせるワインを造ってやると満身創痍で突き進んだ。そんな土持さんを見守っていたメンバーたちには、いつしか一体感が生まれてきたそうだ。

「日本ワインコンクール2022で金賞を受賞したことでようやくひと安心という思いでした。そのときまでは『上へ上へ』と目指していましたが、そのときからは『内の方へ』を目指すようになりました」。

「シャルドネ Catwalk Night Harvest 2021」は、黄色い果実のニュアンスとはちみつが感じられる仕上がり。熟した果実の厚みと、ほんのりと香る樽のバランスが素晴らしく、いろいろな料理に合わせて楽しんでみてほしい1本だ。

また、同じくシャルドネを使った「久住ロゼ Catwalk 2022」も銀賞を受賞した銘柄だ。東京の飲食店にも提供している、特に女性におすすめの銘柄なのだとか。

「えぐみが出ないように、抽出の具合に気をつけて造った白寄りのロゼです。シャルドネとピノ・ノワールを使っていて、美しい発色ですよ。お客様からの評判もよく自信作なので、今後、看板商品にしていきたいと思っています」。

▶︎「久住 EBONY 2020」

最後に紹介するのは、「第1回 日本山ぶどうワインコンクール」で金賞と部門最高賞を受賞した「久住EBONY 2020」。「EBONY(漆黒)」という名前の通り、黒に近い濃い色合いだ。ヤマブドウならではの味わいだけでなく、欧米品種のエレガントな特徴も兼ね備えた仕上がりとなった。

「ヤマブドウのワインに苦手意識を持っている方にも気に入っていただけると思います。収穫時期を遅らせた果実で造った特別なワインなので、たくさんの方に味わっていただきたいですね」。

シャルドネとロゼ、そしてヤマブドウ系品種で造ったワインは、久住ワイナリーの3本の柱ともいえる存在だ。自分好みのワインを探している人は、いろいろな銘柄を味わってみることをおすすめしたい。久住ワイナリーならではの特別な味わいに、きっと驚いてしまうことだろう。

『まとめ』 

久住ワイナリーのある「阿蘇くじゅう国立公園」は、夏は登山客に人気で、秋は紅葉、冬の雪景色など、1年を通して美しい景観が広がる土地。雄大な「くじゅう連山」の目の前に広がるぶどう畑からは、エレガントで美しい、オンリーワンのワインが生み出されている。

ワイナリーには石窯ピザが人気のレストランも併設されており、自社栽培の野菜や地元産の食材をふんだんに使ったイタリアンと自社ワインが味わえる。九州まで足を伸ばした際には、ぜひ立ち寄りたい。

コンクールで多くの賞を取るようになってからはメディアへの露出も増え、久住ワイナリーの知名度は急上昇中だ。

「賞を獲って以降、多くのお声がけをしていただけるようになりました。もちろん、プレッシャーはあります。主に関東圏からの問い合わせも増え、実際に飲んだお客様がSNSにアップしてくださっているのを見るととても励みになりますね。クリーン&エレガントな造りを心がけているからか、女性人気が高いのも実感しています。昔から応援してくれる方たちにも、生まれ変わった久住ワイナリーのワインを飲んで欲しいなと思っております」。

今後もより多くの飲み手に知ってもらうことを目指し、現在のやり方を維持できる範囲で、醸造量と販売先を増やしていく予定だ。

「醸造スタイルを確立しつつあり、自分自身の伸び代に可能性を感じている段階です。久住ワイナリーだけでなく、九州には私が尊敬する、美味しいワインを造るワイナリーがたくさんあります。たくさんの方に九州のワインを知っていただきたいですね」。

九州の美味しいワインと美しい風景を堪能する旅に、ふらりと出掛けてみてはいかがだろうか。

基本情報

名称久住ワイナリー
所在地〒878-0201
大分県竹田市久住町大字久住字平木3990-1
アクセスhttps://www.kuju-winery.co.jp/access/
HPhttps://www.kuju-winery.co.jp/

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