「新潟ワインコースト」は、新潟の海岸沿いに集まった5件のワイナリーからなる、日本の新しいワイン産地だ。
ワイナリーだけでなく、レストランや温泉、宿泊施設もある新潟ワインコーストは、ワインファンから注目を集めているエリアのひとつ。
この新潟ワインコーストに、近年、注目されるぶどう品種「アルバリーニョ」の、日本におけるルーツとなったワイナリーがある。今回紹介する「フェルミエ」だ。
フェルミエの代表取締役兼、栽培・醸造家である本多孝さん。出身地の新潟で、新潟のテロワールを表現するべくワインを醸す。
本多さんは東京でサラリーマンをしていた経歴を持つ。だがあるときワインに魅せられて、ワイン造りを志したのだ。
愛情とこだわりに満ちたワイナリー「フェルミエ」の歴史やぶどう栽培とワイン醸造について、本多さんにお話を伺った。さっそく紹介していこう。
『フェルミエの歴史と歩み』
最初に紹介するのは、本多さんとフェルミエが歩んできたストーリー。
本多さんがワイナリーを始めようと思ったきっかけと、ワイナリーが辿った道のりを見ていこう。
▶︎会社員からワインの道へ
新潟県出身の本多さん。ワイナリー「フェルミエ」の立ち上げ前は、東京で銀行に勤務していた。
90年代後半の赤ワインブームのときに、ワインの魅力のとりこになった本多さん。一気にワインにのめり込み、その思いはやがて、「飲みたい」から「造りたい」へと変化する。
「38歳になった頃、とうとうワインを造りたいという気持ちを抑えられなくなりました。ワインを造ることを決めて、2005年に脱サラしたのです」。
30代後半といえば、ビジネスマン人生も充実してくる時期。勤めた会社を辞めるという決断は、勇気が必要な行動だったのではないだろうか?
「ワイン造りを始めるには、30代後半は、むしろ少し遅いくらいかなと思っていました。体力があるうちに始めるほうがよいと考えていたからです。ですが、ワイナリー立ち上げには人脈や資金も必要なので、そういった意味では最適なタイミングだったのかもしれませんね」。
▶︎ワイナリー経営塾への参加と卒業 新潟でワイナリーを
本多さんは、故郷の新潟に戻ってワイナリーを始めることにした。選んだ土地は、新潟ワインコーストの産地形成を提唱したワイナリー、「カーブドッチ(CAVE D’OCCI)ワイナリー」のすぐ近くだ。
本多さんがワイナリー立ち上げにあたって最初におこなったのは、カーブドッチワイナリーが主催するワイナリー経営塾に参加することだった。
カーブドッチワイナリーのワイナリー経営塾では、ワイナリーを運営するための知識や技術などを学ぶことができる。
2006年9月には、カーブドッチワイナリーに続き、新潟ワインコースト2軒目のワイナリーとして、本多さん自身のワイナリーが誕生した。ワイナリー名は、フランス語で「農家」を意味する。
▶︎「フェルミエ」と「新潟アルバリーニョ」の誕生
フェルミエについて語る上で、避けては通れないぶどう品種がある。白ワイン用ぶどう品種の「アルバリーニョ」だ。
近年、国内のワイナリーで需要が高まり続けている注目の品種であるアルバリーニョ。実は、日本で初めてアルバリーニョを商品化したワイナリーがフェルミエなのだ。
「アルバリーニョを植えた畑をカーブドッチワイナリーさんから譲り受けたことがきっかけで、アルバリーニョの栽培を始めました」。
新潟とアルバリーニョの組み合わせに可能性を感じた本多さんは、その後、自社畑にアルバリーニョを増やしてきた。
アルバリーニョと日本の気候との親和性は、フェルミエの名前とともに、次第に全国に知れ渡る。そしてフェルミエの畑からは、アルバリーニョの樹が、日本全国のワイン用ぶどう栽培農家やワイナリーへと広がっていったのだ。
「日本におけるワイン専用品種のぶどう栽培の歴史は非常に浅く、『この産地にはこの品種』といった適合性が明確になっていません。そんな中、『新潟のアルバリーニョ』は、日本では数少ない、産地と品種の適合事例として認識されはじめているのではないでしょうか」。
日本ワインの新しい可能性を示す、新潟アルバリーニョ。今後も、引き続き注目していきたい。
『新潟の海と砂の力を受けて育つ フェルミエのぶどう』
次に、フェルミエのぶどう栽培について紹介したい。
フェルミエでは、どのような環境でどんなぶどうを育てているのだろうか。また、栽培のこだわりや苦労についても伺った。
▶︎アルバリーニョを中心としたぶどう品種
フェルミエでは、自社畑で育てたぶどうと、契約農家から仕入れたぶどうの両方を使用してワインを醸造している。
最初に見ていくのは、フェルミエで栽培するぶどうの品種について。
白ワイン用ぶどうは、アルバリーニョのみ。赤ワイン用ぶどうは、ピノ・ノワールとカベルネ・フランの2種類が現時点での主要な品種だ。
上記以外にも、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルドといったボルドー系品種を育てるが、植栽から間もないため、醸造できるだけの収量にはまだ至っていない。
続いては、契約農家から仕入れるぶどうについて。フェルミエの契約農家は、大きくふたつの地域に分かれる。「新潟」と「北海道余市町」だ。
新潟の契約農家が栽培するのは主に、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネの3品種。
そして、北海道余市町の契約農家が栽培するのは、ケルナーなど、ドイツ系品種が中心。北海道らしい冷涼な気候で育つぶどうを仕入れている。
さて、ここでフェルミエの代名詞とも言える「アルバリーニョ」について、改めて解説したい。
なぜ、新潟にはアルバリーニョが合うといわれているのだろうか。また日本全国で大流行している理由とは。
「スペイン北東部、ポルトガルの国境に近いリアス・バイシャス原産のアルバリーニョは雨や湿気に強いのが特徴です。アルバリーニョで造ったワインは、『海のワイン』と呼ばれます」。
ヨーロッパ系の品種でありながら、湿度に対して抜群の耐性を持つアルバリーニョ。「高温多湿」のキーワードが第一に飛び出す、日本の環境に適合できる品種だ。しかも新潟県は海岸沿いに長く伸びる、「海の県」。まさにアルバリーニョの栽培適地といえる。
原産地でのアルバリーニョ栽培については、気候以外にも、日本との共通点を感じられるポイントがある。それは、なんとスペインでも、「棚仕立て」で栽培されているということ。
垣根仕立てでのぶどう栽培が一般的なヨーロッパにおいて、棚仕立てがスタンダートとなっているアルバリーニョは大変珍しい存在だ。棚仕立てが採用されている理由は、降水量と湿度が高い環境であることが挙げられる。また、アルバリーニョは樹勢が強い品種のため、より樹勢をコントロールしやすい棚仕立てが選ばれているのだ。
「海のワインであるアルバリーニョは、原産地でも地元の魚介類と合わせられて親しまれています」。
日本の気候に適し、特に原産地と新潟の共通点が多いアルバリーニョ。日本でのアルバリーニョの注目度の高さには、誰もが納得する明確な理由があったのだ。
▶︎海と砂のテロワール フェルミエの畑
フェルミエの自社畑は4か所あり、広さは合計2ha。ワインの年間生産本数はおよそ1万5,000本で、そのうち4割が自社畑のぶどうから造られる。
自社畑のうち0.5haは、2020年に新しく植栽した畑だ。数年後に新しい畑からも本格的な収穫が始まると、自社栽培のぶどうが占める割合は、6割に増える見込みだ。
4つの畑は、畑がある「エリア」に注目したい。フェルミエの自社畑は大きく2つのエリアに分かれて点在し、それぞれ、土の性質や環境がまったく異なる。
ひとつ目は、越前浜・角田浜の海岸エリアだ。「海と砂のテロワール」と呼ばれている地域で、海砂が堆積している土壌。フェルミエ最初のぶどう畑も、この海岸エリアに存在する。
砂質土壌が中心なので、水はけは極めて良好。海沿いのため風通しも申し分ない。湿気は滞留せず、海風に吹き飛ばされるのだ。
「海砂は、栄養分の少ない土壌です。水はけがよく痩せている土地なので、ワイン用ぶどう栽培に適していますね」。
土壌の特性から、海岸エリアのアルバリーニョは「垣根仕立て」で栽培している。水はけと風通しがよく、比較的湿気には強い自然環境であることと、アルバリーニョは樹勢の強いぶどうだが、養分の少ない海砂で栽培する場合には、垣根仕立てでも十分に樹勢をコントロールできるからだ。
このエリアからは、新潟のテロワールを象徴する「海」の要素が強いワインが生まれる。海沿いで育ったぶどうは、ミネラルと豊富な酸を蓄えるのだ。
畑があるふたつ目のエリアは、信濃川流域。この一帯は肥沃な土壌が広がっており、新潟県における果樹栽培の中心地域だ。
信濃川が氾濫して流出した肥沃な川砂が堆積した土壌で育つアルバリーニョは、樹勢が非常に強くなる。
「海風も吹かない地域ですので、湿気もたまりやすい傾向です。樹勢と湿気へのケアが必須なので、信濃川流域の畑は『棚仕立て』を選択しています」。
信濃川流域のアルバリーニョは、海岸沿いエリアのアルバリーニョとは異なる個性を持っており、飲み手を楽しませてくれる。
▶︎ぶどうを観察し、臨機応変に対応 栽培のこだわり
「自社畑は、目が行き届く範囲で丁寧に作業したいと常に思っています」と本多さん。栽培のこだわりは、観察と臨機応変な対応にあるという。
ぶどうの防除を例に挙げて、栽培のこだわりを解説していこう。
フェルミエのぶどう栽培は、杓子定規な防除スケジュールにしばられないのが特徴だ。病気が発生しやすいタイミングにピンポイントで対処すれば、最低限の薬剤量で効果を最大にできるという考え方をしている。
「温度や湿度、畑のぶどうの様子をしっかりと見れば、どういうときに病気が出るのかがわかります。カビが発生しやすい温度や湿度を確認し、ベストタイミングを狙って防除をおこなっています」。
ぶどうに発生する病気の大半は、カビやウイルスによるもの。カビは、気温が低く乾燥している気候や、30度以上の高温になると広がりにくくなるため、防除はあまり必要ないという。
防除に使用する薬剤は、少ないに越したことはない。そのためフェルミエでは、対症療法的に防除をおこなう。人間と同様、病気になりそうなタイミングをしっかりと見極めるのだ。実に無駄がなく、ぶどうにも負担をかけない方法だろう。
「カビが好みそうな気温と湿気になったと感じたら、防除をおこなう判断をします。対応することを決めて、すぐに全員で一斉に作業をすると、すべての畑を半日で終わらせることができます」。
まさにスピード勝負。タイムリーで柔軟な判断が、ぶどうに対する適切な対処を可能にしている。
そんな適時に適切に対処する対症療法的アプローチに欠かせないのが、日頃の「観察」だ。畑に入りぶどうや気候を観察し、常に移り変わる状況に応じて、判断を下していく。
「状況に応じて判断し世話をするのは、子供を育てることと同じです。子育てのようにぶどうに向き合っているのもこだわりのひとつかもしれません。そのおかげで僕と畑との間に信頼関係ができてくるのです。このくらいなら薬は必要ないだろうなどと分かってきますよ」。
信頼関係が構築できたぶどうは、本多さんの気持ちに応えてくれるという。ぶどうとの絆が強くなったことを実感した本多さんは、2016年から新しい栽培の取り組みを始めた。
それは、一部の畑を完全なる有機農法に変更したこと。これから先10年20年と続く、持続可能なぶどう栽培のために始めた取り組みだ。
「目的は有機農法自体にあるのではなく、持続可能な栽培で、新潟のテロワールを表現するためです。始めた当初は、必要であれば薬を使うこともいとわないと考えていました。しかしありがたいことに、2016年から今まで、化学的な資材を一切使わずに続けられていて、結果も出てきています」。
これからも自信を持って続けていきたいと話してくれた本多さん。新潟の未来のぶどう栽培は明るい。
『テロワールを表現するワイン造り フェルミエのワイン』
フェルミエが目指すのは、新潟の自然の姿が素直に表れるワイン。
「新潟の海の姿、砂の姿、潮風、そういったものをワインにしたいのです。そのために、わざわざ会社員をやめて新潟でワインを造っているのですから」と、本多さん。
新潟のワインを造る、という明確な目標を掲げるフェルミエが醸す、ワインのこだわりや銘柄を紹介しよう。
▶︎醸造のこだわり 栽培と同じく対症療法で
フェルミエのワイン醸造におけるこだわりは、ぶどう栽培と同様、観察と対症療法的な対処を徹底することだ。
酸化防止剤として多くのワインに使用されている「亜硫酸塩」の使用方法から、そのこだわりを見ていこう。
フェルミエではワインひとつひとつを観察しながら、ワインごとに必要な亜硫酸塩の分量を判断している。一律決めた量をすべてのワインに入れてしまえば楽なはずだが、ひとつひとつ観察して分量を決めるのだ。
「亜硫酸塩は殺菌剤としてバクテリアなどを抑える効果があるので、必要に応じて適切に使用するべきだと思います。瓶詰めのタイミングでワインのコンディションを見て、必要ないと判断すれば使用しません。温度や様子を逐一観察して、必要な分だけ入れるようにしています」。
亜硫酸の添加を具体例として挙げたが、フェルミエの醸造は各工程で同様のスタンスだ。しっかりと状態を観察し、必要なことを必要なだけおこなう。
「ワインごとにコンディションは異なります。それぞれに合った対処をしたいのです」。
テロワールの機微を表現することを目指すフェルミエの醸造には、一切の迷いがない。
▶︎自社栽培ぶどうの「ドメーヌ・ワイン」シリーズ
続いては、フェルミエで製造しているワインのシリーズについて紹介したい。製品ラインは2種類ある。自社畑のぶどうと、契約農家のぶどうから造ったワインのシリーズだ。
いずれのシリーズにも共通する軸がある。それは、「産地の個性を表現する」ということ。自社畑ラインはもちろんのこと、契約農家のぶどうであっても「産地の特性」や「産地の魅力」を表現するワインが造られている。
それぞれの銘柄を具体的に見ていこう。
まずは自社ぶどうから醸造した「ドメーヌ・ワイン」のシリーズだ。
「ドメーヌのカテゴリは、新潟のテロワールを深く追求したワインです。自分自身が納得できるよう労力と時間をかけて、ストイックなこだわりを持って造っています」。
プレミアムなシリーズで、価格は6,000〜10,000円程度。ハレの日や贅沢をしたいときなどに飲んでほしい自信作だ。本多さんは、日本のファインワインを目指していると話してくれた。フェルミエが考えるファインワインとは、「その土地に誇りを持ち、自然の営みを尊重して惜しみなくぶどうに愛情を注ぎ、そうしてできるぶどうを信頼する」ことにより生まれるワインだ。
このドメーヌ・ワインのシリーズ、なんとアルバリーニョだけで7種類もの銘柄が存在する。
「畑の違い、醸造方法の違いなどで違う銘柄を造りました。垣根のアルバリーニョで3種類、棚では4種類の銘柄があります」。
気になるのは、味わいとペアリングだ。7種類のアルバリーニョそれぞれに、合う料理が違うのだとか。
もっともスタンダードな銘柄「エルマール・アルバリーニョ」のおすすめペアリングを教えていただいた。
「エルマール・アルバリーニョ」は、フェルミエのアルバリーニョシリーズの中でも、もっともシンプルに品種個性が表現されている1本だ。新潟特有の「海の砂のテロワール」が感じられる仕上がりとなっている。ミネラル感としっかりした酸があり、中心に通る芯がはっきりと感じられる。
アルバリーニョは魚介との組み合わせが秀逸とされている。だが、本多さんおすすめのペアリングは意外にも魚介ではなく、「山菜の天ぷら」との組み合わせだ。
「天ぷらの油を、アルバリーニョの酸とミネラルが上品に切ってくれます。世界的には寿司にアルバリーニョが合うといわれて大流行していますが、天ぷらとのペアリングもおすすめですよ」。
山菜の持つほろ苦さとアルバリーニョの苦味も好相性。アルバリーニョと、食材の持つ苦味との相性のよさは、ほかのペアリングにも応用できる。鮎や岩牡蠣との組み合わせも素晴らしいのだ。
「フレンチなどのしっかりした料理と合わせるなら、ソースに柑橘が効いた料理と合わせてみてください」。
和食からフレンチまで、アルバリーニョの楽しみ方は多彩だ。
▶︎「新潟ワインシリーズ」と「カベルネ・ジャポネシリーズ」
次に、契約農家のぶどうによるワインのラインナップを見ていこう。新潟の契約農家のぶどうを中心に醸造した「新潟ワインシリーズ」と、北海道余市町の契約農家のぶどうを中心に醸造した「カベルネ・ジャポネシリーズ」の2展開だ。
「新潟ワイン」は3,000円台のワインがそろったシリーズ。地元新潟を強く意識し、「新潟ブランド」を全面に押し出したワインだ。
特に注目してほしいのは、銘柄の名前やエチケットの美しさ。いずれも新潟の風景や名所、イベントなどから着想を得た。
「田園シャルドネ」は、越後平野に広がる稲穂をイメージして造られたワインで、黄金に輝くコシヒカリの稲穂が描かれたエチケットは必見だ。
続いて「夕陽 新潟カベルネ・メルロー」。エチケットには、日本海に沈む新潟の美しい夕日が描かれている。
最後は、長岡花火をモチーフにしたワイン「花火」。いずれのワインも、見るものを引き付ける不思議な魅力をもつ。
本多さんは、地元の人はもちろん、旅行者や、地元を離れている人が新潟を感じたい時に飲んでほしいと話してくれた。
続いては「カベルネ・ジャポネシリーズ」の紹介に移りたい。
カベルネ・ジャポネのワインには、夜空に輝く星の名が付けられている。星空美しい北海道にしかできないぶどう品種を、贅沢に使用したワインのシリーズだ。
北海道ならではのぶどう品種とは、「カベルネ・ドルサ」と「カベルネ・ミトス」。ドイツ系品種をカベルネ・ソーヴィニヨンと交配させてできた赤ワイン用ぶどうだ。
ワインの銘柄は、「アルタイル」「ベガ」「シリウス」。いずれのワインにも、「カベルネ・ドルサ」や「カベルネ・ミトス」が使用されている。夜空のように深い色を持つ、優雅で濃厚なワインだ。
『まとめ』
フェルミエは、新潟のテロワールを、アルバリーニョを中心としたぶどうで表現するワイナリーだ。今後の展望について尋ねてみた。
「やりたいことはたくさんあります。しかし今大事なのは、眼の前の畑仕事に集中することです。植栽したばかりの樹がある畑の作業を安定させ、既存の畑も変わらぬクオリティで維持することに集中します」。
本多さんは、ワインラバーの視点も忘れていない。目指すのは、テロワールにこだわって醸造しながらも、「オープンなワイナリー」であり続けることだという。
「ワイン好きな人が実現させたいと思うことを、自分のワイナリーにすべて詰め込みました。ワイナリーに来ていただければ、畑を見て、農業体験ができます。造り手の話を聞き、ぶどう畑を眺めながら地元料理とワインを楽しんでいただけますよ」。
ぜひ新潟ワインコーストを訪れ、フェルミエが表現する「海と砂のテロワール」を、五感で楽しみ尽くしてほしい。
基本情報
名称 | Fermier(フェルミエ) |
所在地 | 〒953-0012 新潟市西蒲区越前浜4501番地 |
アクセス | JR越後線 越後曽根駅、関越自動車道 巻潟東インター |
HP | https://fermier.jp/ |