『HOCCAワイナリー』酒造りを愛する杜氏が生み出す本格ワイン

「HOCCAワイナリー」は、庄内平野南部の山形県鶴岡市にある。
日本有数の米どころである庄内平野は、質の高い「日本酒」を生み出す場所としても有名。HOCCAワイナリーの母体は日本酒の酒蔵だ。日本酒造りを専門にしている職人が、ワイン醸造を行っている。

お話を伺ったのは、HOCCAワイナリー醸造責任者の阿部龍弥さん。なぜ日本酒の酒蔵がワイン造りを始めたのか?きっかけから始まり、ワイン造りのこだわりに至るまで、余すところなく紹介していこう。

『なぜ日本酒蔵がワイン造りを?きっかけと背景とは』

HOCCAワイナリーがワイン造りを始めた背景には、ふたつの要因がある。ひとつは、後継者不足に悩む地域農業の現状だ。

山形県鶴岡市では、農業従事者の高齢化が進んでいる。
「子供はいるが、農業は自分の代で終わりにする」という農家が非常に多い。
農家が農業を辞めた結果残るのは、主を失った農地だ。地域には、年々休耕地が増えている。

そんな現状を目の当たりにして、HOCCAワイナリーは考えた。
「地域のために何か手伝えることはないか?自分たちが得意とすることで、地域の活性化に貢献できないか?」。
日本酒造りを行っていたHOCCAワイナリーの母体の酒蔵は、地域活性化のためにワイナリーを始めることを決意する。

もうひとつの経緯は、HOCCAワイナリーの母体である日本酒蔵の会社が「日本酒醸造の経験を別のもの造りに生かす方法」を探していたことにある。日本酒造りの高い技術力を生かせる新たなステージはないだろうか?会社として考えた末の結論が「ワイン造り」をすることだった。
日本から「日本酒以外で日本産のもの」を世界に発信するツールとして「日本ワイン」に着目したのだ。

以上ふたつの経緯から、2016年にぶどう栽培が始まった。最初の自社畑はおよそ1ha。
日本酒造りのプロたちが、ワイン造りへの挑戦に足を踏み出したのだ。2021年9月には、ワイナリーの建物も竣工予定。現在は日本酒の酒蔵で行っているワイン醸造も、2021年の期中からは新しいワイナリー設備を使用して行っていく。

▶2社の日本酒製造会社によるワイン造り

HOCCAワイナリーは、前述の通り日本酒製造メーカーが運営するワイナリーだ。「奥羽自慢株式会社」がHOCCAワイナリーとしてワイン醸造を、グループ企業の「楯の川酒造株式会社」がHOCCAヴィンヤードとしてぶどう栽培を担う。

▶ぶどう栽培とワイン造りのチャレンジ 試行錯誤を繰り返して

日本酒を中心に、様々な酒造りを行ってきた奥羽自慢。しかしワイン造りは初めての試みだった。

前述の通り、HOCCAワイナリーはワイン造りのための「ぶどう栽培」も自分たちで行っている。今まで日本酒造りが中心だった社員たちは、
もちろん農業経験も皆無。ぶどう栽培は経験ゼロから始まったため、専門家にコンサルティングを依頼し、勉強を重ねた。試行錯誤の繰り返しだった。

「ワイン醸造」についても、指導を受けながら手探りでスタートした。醸造責任者の阿部さんは日本酒の醸造も担当している。ワイン造りと日本酒造りを同時並行しなくてはいけないが故の難しさに直面したという。

「そもそもワインと日本酒を同じ醸造場で造るのはタブーといわれています。酵母の相性がよくないのです」。

酵母の相性がよくないとは、いったいどういう意味なのだろうか?「酵母の相性」について話をする前に、酵母の働きについて簡単に説明しておきたい。

酒造りには、アルコールを発生させる「酵母」の存在が必要不可欠だ。糖を取り込みアルコールを生み出す微生物をひとくくりに「酵母」と呼んでいるが、実は酵母の中でも様々な種類がある。
日本酒造りとワイン造りに使用する酵母は同じではなく、それぞれ異なる性質を持っているのだ。

日本酒醸造に使う酵母とワイン醸造に使う酵母は相性が悪いという。その理由は、ワインの酵母が持つ「キラー性」と呼ばれる特性にある。キラー性とは、他の酵母を死滅させる性質のことだ。

ワイン醸造に使う酵母はキラー性を持つため、日本酒醸造に使う酵母に混入してしまうと、日本酒が上手く発酵しなくなる。
「ワインと日本酒を同じ醸造所で造っているため、最初は『怖い』という思いがとても強かったです。日本酒が発酵しなかったらどうしようと心配でした。今では少し慣れましたが、怖さは感じつつそれぞれの醸造を行っています」。
酵母は目に見えない小さな微生物。混入した時にすぐ判断できない点も、怖さを感じる大きな理由のひとつだ。

一方で、現在ではワインと日本酒両方を造ることのメリットも感じているという阿部さん。今まで造ったことがない「ワイン」を、自分たちの手で一から生み出せるワクワク感があるという。

ワインと日本酒、それぞれの酒造りを知っているHOCCAワイナリーのメンバーだからこそできるワイン造り。「日本酒造りのプロが造るワイン」を味わえるのは、HOCCAワイナリーならではの魅力だ。

▶若き醸造責任者、阿部さんと「酒造り」

ワイナリーの醸造責任者だけでなく、日本酒の醸造指揮も執る阿部さん。酒造りの世界に入ったきっかけは、「米と水からどうして日本酒ができるのか?」という素朴な疑問から始まった。

アルバイトとして酒蔵で働き、酒造りへの興味はより一層増していく。突き詰めるほど、更に酒造りの奥深さにはまっていった。
「社長に直談判して、社員になりました」と、阿部さんは笑って話す。

日本酒造りとワイン醸造の両方を担当する阿部さんに、日本酒とワインの違いについて尋ねた。

「日本酒の方が醸造の工程が多く、ワインの方が少ないという違いがあります。ただ、ワインは発酵してからの工程が長いのです」。

日本酒醸造には「麹」を造る特殊な工程があるものの、お酒にさえなってしまえば濾過と瓶詰めで終わり。実にシンプルだ。

一方のワインは、ぶどうと酵母さえあれば発酵が進むので、発酵までの考え方は単純だ。しかし発酵し始めた後には「濾過」「熟成」などの工程が控えている。
しかもそれぞれの工程は、ワインの味に大きく影響する。濾過の有無、熟成方法の違いなどの対処の違いで、異なる味わいに仕上がるのだ。

同じ酒造りでも、大きな違いがある日本酒とワイン。阿部さんはそれぞれの違いを慈しみ、楽しむべきものとして困難を乗り越えてきた。

『HOCCAワイナリーのぶどう造り』

ワインになくてはならない原料の「ぶどう」。
続いては、ワイン造りの肝ともいえる、ぶどう栽培に話を移していこう。

HOCCAワイナリーでは栽培担当者2〜3名が、ぶどう栽培の作業を担っている。HOCCAワイナリーならではのぶどう栽培や畑について紹介していきたい。

▶ゼロからの栽培 HOCCAワイナリーのぶどう

HOCCAワイナリーの畑で育てるぶどう品種は、全部で6種類だ。
白ぶどう品種は2種類を育てている。

  • シャルドネ
  • ピノ・グリ

赤ぶどう品種は4種類だ。

  • ピノ・ノワール
  • シラー
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • ツヴァイゲルト

栽培するぶどうはすべて、ワイン醸造専用の欧州系ぶどう品種。
最も多く栽培しているのは、栽培開始から6年になる「シャルドネ」だ。

HOCCAワイナリーのぶどうは、ワインの本場であるヨーロッパと同様に垣根栽培で行われている。山形県は降水量が多くワイン用ぶどうの栽培には難しい環境ではあるが、あえて本場の方法に近い方法で栽培にチャレンジしているのだ。

欧州品種と垣根栽培にこだわるのには、大きな理由がある。ワイナリー設立の経緯で紹介した通り、HOCCAワイナリーには日本酒以外の「日本産のもの」を発信するという目標がある。
世界を視野に入れているからこそ、ワイン造りの方法は伝統的な方法に従いたいと考えているのだ。

日本酒と共に世界に日本産のワインを楽しんでもらえるときを目指し、HOCCAワイナリーはこれからもぶどう栽培の工夫と経験を重ねていく。

▶2つの自社畑と栽培のスタイル 健全なぶどうに育てるために

HOCCAワイナリーにはふたつの自社畑がある。畑の広さは4haほど。およそ9000本のぶどうが育つ。小さな畑から5年の歳月をかけて徐々に広げ、現在の大きさになった。

現在は、年間3000本ほどのワインを醸造している。
将来的な製造本数の目標は、3万本を達成すること。収量を増やし、目標を達成できるように歩んでいる最中だ。

HOCCAワイナリーが持つふたつの自社畑の特徴は異なる。酒田市にある圃場は、砂質土壌。シャルドネ、ピノ・グリ、カベルネ・ソーヴィニヨンが植栽されている。

もうひとつの畑は、ワイナリーが位置する鶴岡市にある。鶴岡の畑には、主に赤ぶどう品種が植えられている。畑の土質は、酒田市とは異なる粘土質。硬く締まっていて水はけの悪い場所だったため、土壌に改良を加えた。

畑を掘り起こし腐葉土などを入れ、土壌の排水性を上げたのである。水はけの面では酒田の砂質土壌に劣るものの、土壌に含まれる栄養分は鶴岡の畑の方が高い。そのため鶴岡の畑のぶどうは、樹の成長スピードが早いという特徴がある。

HOCCAワイナリーのぶどう栽培は、基本に忠実に手入れを行っている。まずは大きく充実した樹にすることが大切だと考えているからだ。健全なぶどうを作るために行っているのが、適切な施肥と防除だ。

肥料は、土壌のpHを確認しつつ施される。必要に応じて「尿素」や「リン酸」といった、植物の生育に必要な栄養素を与えるという。

防除は、病気を起こさないために重要視している作業だ。山形県は湿気が多く、降水量も多い。ぶどうにとって、病気が比較的発生しやすい地域だ。
例えば2019年には、湿度が原因でぶどうの樹にウイルス病が流行してしまった。特に被害が大きかったのが、赤ぶどう品種。多くの樹を廃棄した。

「有機栽培の自然派ワインを目指す選択肢もありますが、検討するのは王道のワイン造りができるようになってから。基本をマスターしてから次のステップに行くべきだと思っています」。

まずはぶどうに病気を出さず株を育て上げ、十分な量の果実を収穫すること。そして健全に育ったぶどうから、美味しいと感じられるワインを造ること。HOCCAワイナリーが目指すのは、実直なワイン造りだ。ワイン造りへの挑戦が始まったばかりだからこそ、基本を忠実に守り、周囲に認められるものを生み出していく。

▶山形の気候 大雪の難しさ

山形県は、日本の中でもとりわけ降雪量の多い県だ。豪雪地域では、1日で数mもの積雪があることも。ぶどう栽培においても、冬は雪との闘いだ。

「2020年は雪害に苦しみました」と阿部さん。記録的な量の降雪があり、ぶどうの苗は甚大な被害を受けた。例年と比較して、2021年の収量は大きく減ることが予想されているという。
特にピノ・ノワールとシラーの被害が顕著だった。例えば2020年のシラーは2tの収穫があったが、2021年の予測は200~300kgと大打撃だ。

なぜ雪がぶどうの生育に影響するのかというと、積雪の重みで枝に負担がかかるからだ。今回の豪雪では、あまりの雪の多さに枝を固定していたワイヤーが倒れてしまった。ぶどうの樹はワイヤーごと倒れ、枝がことごとく折れた。

おそらくはワイヤーを緩めることで、ぶどうが倒れることは回避できたのだろう。しかし気づいた時には間に合わなかった。ぶどう栽培開始以来の初めての豪雪だったことで、対応が遅れてしまったのだ。

「山形の雪は、1度にドカッと降りやすいという特徴があります。今回もたった1回の積雪で、ぶどうがやられてしまった。適切に対応できなかったのが大きな反省です」。

倒れたぶどうは、折れた枝を短く切り戻して育て直すという。今まで通りに収穫できるようになるには、また2〜3年の月日がかかるだろう。

急な天候の変化は、自然相手のぶどう栽培では大きな苦労だ。また、上手く対応していかなくてはいけない問題でもある。この経験を生かし次につなげることが、後々の財産になる。これからも、経験したことのない問題が起こるかもしれない。
「経験を蓄積させて乗り越えていきたいですね」。

『基本に忠実に、美味しいものを造りたい HOCCAワイナリーのワイン』

HOCCAワイナリーが造るワインについて、エピソードや思い、ワイナリーのこだわりを紹介していこう。

HOCCAワイナリーが第一に目指すワインは「健全なワイン」であること。
具体的には、ワインの欠陥臭である「オフ・フレーバー」をつけないことだ。

オフ・フレーバーとは、醸造中にワインに何らかの問題が発生したことで生まれる不快臭だ。美味しく安心できるワインを安定して造るため、基本である「ワインの健全性」を重視する。

「基本的なワイン造りを突き詰めつつ、はっきりとした『HOCCAワイナリーらしいワイン』の方向性を定めて行けたらと考えています」。
ひとつの目標にしているのが、料理とのペアリングが楽しめるワイン造りだ。

食中酒として楽しむのは、日本酒も同様。日本酒造りの経験を生かしたワイン造りの方向性が、どのような未来に向かうのか。HOCCAワイナリーのさらなる進化を見守りたい。

▶エチケットが物語るワイナリーの世界観

HOCCAワイナリーのワインボトルを見ると、個性的なイラストが描かれたエチケットに心を奪われる。優しく、笑みがこぼれるような印象の赤ずきんのイラストが印象的だ。

HOCCAワイナリーのエチケットデザインは、日本酒のラベルデザインを担当してもらっていたデザイナーによるもの。
エチケットを含め、ワイナリー全体のブランディングを依頼した。

デザインのコンセプトは「ワイナリーで働く家族」。ワイナリーの一家と、周囲を取り巻く人々や動物をモチーフにしたエチケットだ。

赤ずきんの「ルージュ」、双子の兄弟「ペティとアン」、知恵袋的な存在の「キール婆」。魅力的なオリジナルキャラクターが、ワイナリーの世界観を彩る。

かわいらしいキャラクターが登場する公式ホームページを、ぜひ訪れてみて欲しい。HOCCAワイナリーの世界観がダイレクトに感じられるはずだ。

「HOCCAとは、農家さんが頭につける『ほっかむり』からとった造語です」。
美しさ、けなげさや、実直さなどを表現したくて付けたのが「HOCCA」という名前だ。ワイナリー名やエチケットから、HOCCAワイナリーのワインに対する思いが伝わってくるようだ。

▶手を加えないワイン造り 日本酒蔵の強み

 ワイン造りのこだわりについて、阿部さんに尋ねた。
「必要以上に人の手を加えないことです。日本酒造りでも同じことを信条にしています」。

手を加えないとは、「混ぜる」などの作業を不必要に行わないということだ。人の手を極力加えないことは、オフ・フレーバーを発生させないことにつながる。オフ・フレーバーの大きな原因のひとつが、雑菌の繁殖だからだ。

「HOCCAワイナリーは、日本酒造りの技術を駆使できるところが強みです。酒は違えど、醸造技術には精通しています。だからこそ知っていることや、生かせることがあるのです」。

酒造りを愛し、心から楽しんで酒造りをするメンバーがいることこそ、HOCCAワイナリー最大の強みなのだ。

▶香りの判断が難しい ワイン造りの苦労

続いて伺ったのは、ワイン造りで苦労したことについて。
「ワイン醸造の経験値のなさが、何よりも苦労した点です。ワインのスタンダートを知らなかったことが、醸造の大変さにつながっていますね」。

具体例として挙げてもらったのが「ワインの香り」についての判断だ。
はじめはワインの香りに関する知識がなく、正常なのか異常な香りなのかの判断ができなかったという。

そこで阿部さんたちは、醸造中のワインからいつもとは違う香りが出るたびにコンサルティングの人に確認して判断していった。受けたアドバイスから「異常」な香りだと分かれば、醸造中のワインに栄養を加えたり、空気を入れたりして改善をした。
例えばワインの欠陥臭とされている硫化臭は、酵母が栄養不足に陥った時に生まれるのだ。

「日本酒とは違い、添加できるものがたくさんあることも難しさを感じる原因です」。
特に酵母選びは奥深く、複雑なのだという。ワインに使用できる酵母の種類はたくさんあり、それぞれ特徴が異なる。ほとんど同じ酵母を使用する日本酒と違う点だ。

難しさがありつつも、その奥深さこそが「楽しい」とも話す阿部さん。酵母とぶどうの組み合わせを試していく作業は非常に興味深く感じているそうだ。
「これからも色々な組み合わせを試したいです。何が合うのか実験していきたいですね」。

▶HOCCAワイナリーが考えるワイン造りならでは楽しさとは

日本酒の醸造と並行してワインを造るHOCCAワイナリー。ワイン造りならではの楽しさややりがいとはどんな部分にあるのだろうか?

「醸造の工程で、味が変わっていくこと」だという。
ワインは発酵時や発酵終了後、また濾過後と熟成前後で、味や香りが変化する。醸造初期に感じていた香りからは、想像も付かない香りのワインに仕上がることもある。まるでどんでん返しを2度3度繰り返す物語のようだ。

最終的に思った味や香りに仕上がった時には「パズルがはまったような」快感や達成感を得るのだと、阿部さんは話してくれた。
一方で「失敗だと思っていたものが実は上手くいった」例も数多いとか。セオリーどおりだと思っていたら予想外のことが起こる面白さもあるのだろう。

「こんなことを言ったら飲み手の方々には悪いかもしれませんが、ワインは造り手が一番楽しめる飲み物なのかもしれません」。
HOCCAワイナリーには、ワイン造りを心から楽しめる造り手がいる。そんな造り手が醸すワインを飲めるとは、なんと飲み手冥利に尽きることだろう。

『日本酒とワインの融合を目指して 将来の展望』

最後に、HOCCAワイナリーが将来の実現を目指して計画していることについて伺った。

具体的には2点あり、まずは「樽熟成」と「スパークリングワイン」への挑戦だ。

樽熟成のワイン造りを積極的に行う理由は、2021年9月リリース予定の「樽熟成のシャルドネ」にポテンシャルを感じたからだ。厚みがあり、非常に満足のいく仕上がりになった。
阿部さんや佐藤社長も「まず飲んで欲しいワイン」として挙げる1本だ。今後は、樽熟成ワインの検証を進め、可能性を模索していく。

続いて、時期は決まっていないものの将来的に実現したい目標についても話していただいた。「日本酒とワインを融合させたものが造れたら、と考えています」。

まだ具体的に何かが決まっている訳ではないものの、将来的な実現に向け構想を練っている。日本酒も造っているHOCCAワイナリーだからこそできることを目指すという。
「造りなのか、原材料なのか、何と何を融合させるのかはまだ分かりません。面白い試みができたらよいですね」。

既に日本酒とシードルをアッサンブラージュしたことはあるというHOCCAワイナリー。更に一歩踏み込み、ワインと日本酒の醸造方法を生かした融合ができたらと考える。

日本酒とワインの融合、お酒好きにとってなんと魅惑的な響きだろうか。日本酒造りに通じたHOCCAワイナリーだからこそできる新しいお酒の形だ。HOCCAワイナリーが生み出す「日本産のお酒」は、地域の人のみならず、いずれ世界中を幸せにしていくのだろう。

『まとめ』

HOCCAワイナリーは、酒造りを何よりも愛し、どこよりもこだわり抜く職人が、丹精込めてワインを醸す。ワインファンだけではなく、日本酒ファンも大注目の試みが、今後も増えていくだろう。

素朴さ、実直さ、農業へのリスペクト。そんな多くの思いを感じさせるHOCCAワイナリー。新しいワイナリーの建物をのぞきに、ぜひ山形まで足を運んでみて欲しい。
ワイナリーの門をくぐれば、そこはエチケットに描かれている柔らかな「HOCCAの世界」が広がっている。

基本情報

名称HOCCAワイナリー
所在地〒997-0346
山形県鶴岡市上山添字神明前123
アクセス
庄内朝日ICより車で10分
電車
鶴岡駅から車で15分
HPhttps://hocca.jp/

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