『Cave an』しみじみと優しく美味しいワインを造る、女性醸造家のワイナリー

ワイン醸造の仕事は、繊細な技術や深い知識が必要なだけではなく、体力勝負の力仕事でもある。そのため、女性醸造家がまだまだ少ない業界だ。

今回の主人公は、ワイン醸造に携わって20年以上という実績を持つ女性醸造家。山梨県山梨市にある万力地区にあるワイナリー、「Cave an」の代表兼wine grower、安蔵正子さんだ。

長年、山梨県甲州市勝沼町の老舗ワイナリーである「丸藤葡萄酒工業」で醸造を担当していた安蔵さん。なぜ自身のワイナリーを立ち上げたのだろうか?また、安蔵さんならではのぶどう栽培の思想やワイン造りへのこだわりとは?

お話を伺う中で見えてきたのは、ワインに人生を捧げる安蔵さんの潔さと思いの強さ。そして、一途で愛情あふれる魅力的な人柄だった。さっそく紹介していこう。

『安蔵さんのワインとの出会い Cave anが生まれるまで』

もともと「微生物の働き」に興味があったという安蔵さん。微生物発酵の面白さに気づいたのは高校生のときだった。

安蔵さんとワインとの出会いと、ワイナリー設立までのストーリーを紐解いていこう。

▶︎微生物好きが高じてワイン業界へ 醸造との出会い

「両親が転勤族で、中高生時代は鹿児島に住んでいました。鹿児島は焼酎の醸造が盛んな土地です。焼酎工場の見学に行く機会があり、床の中に埋め込まれた甕(かめ)の中で発酵する様子を見て感動しました」。 

甕の中の焼酎は、下から空気を吹き込んでいるのかと思えるほど、激しく泡立っていた。

「微生物の働きでガスが出ているということを工場の方に教えてもらい、衝撃を受けましたね」。

安蔵さんが微生物に魅せられた瞬間だった。

当時、大学進学を控えていた安蔵さん。進路に悩んでいるときに、母の一言が人生を決定づけることになる。「山梨には、ワインについて学べる大学があるよ」。

「私の父と母は、記念日には必ず、ステーキと赤ワインでお祝いをしていました。子供心にも『赤ワインって特別なものなのかな』と感じて、もともと興味があったのです。そのため、ワイン造りについて学びたいと思ったのはとても自然な流れでしたね」。

▶︎念願のワイン業界へ

醸造について山梨大学で学んだ安蔵さん。大学卒業後は、ワイン醸造メーカーへの就職を希望していた。

しかし当時のワイン業界は「男性の世界」。栽培や醸造の現場で働くことを志望していたが、ワイン会社への就職は断念することになる。大学の先生から、「女性がワイン造りの現場担当になる可能性は極めて低い」と言われたのだ。

「ワイン会社への就職はあきらめて、食品会社に就職しました。しかし、ワイン造りをしたいという夢を捨てられず、1年経たずに退職を決めたのです。せっかく学んだ知識を生かせる仕事を探そうと考えました」。

そんなとき、安蔵さんの運命を変える出会いが訪れる。懇意にしていたワインショップのオーナーから、丸藤葡萄酒工業での働き口を紹介してもらえたのだ。幸運なことに、ちょうど人手を募集しているタイミングだったそうだ。

▶︎いつまでもワイン造りに携わっていたい

1995年に丸藤葡萄酒工業へ入社した安蔵さん。念願のワイン造りの仕事がスタートしたのだ。醸造の面白さに一層魅了され、ワイン造りに明け暮れる日々が続く。

「ずっと現場で働き続けたい」と思ったが、同時に難しさも感じていた。当時のワイン業界には、女性醸造家がほとんどいなかったからだ。女性が現場で長く働き続けることは難しいだろうということを、肌で感じていたという。

「ワイン醸造メーカーの現場で働けるのは35歳までくらいかなと感じていました。この先も長く現場にいたいなら自分のワイナリーを立ち上げるしかないと、独立のため退社を決意しました」。

安蔵さんが丸藤葡萄酒工業を退社したのは1998年のことだった。だがこのときは、独立計画は実現しなかった。

「その後に結婚して、同じくワイン業界で働いている主人の仕事の都合で、フランスのボルドーへ渡ることになったのです。ボルドーでは、たくさんワインの勉強ができましたね。ボルドー大学の利き酒講座を受講したり、現地のワイナリーさんの元で働かせてもらったりと、貴重な経験をさせてもらいました」。

ボルドーでの4年に及ぶ生活を終え、夫妻は帰国。このとき改めて、自分は今後どのように生きていくかを考えた。

「迷っていた自分を、主人が後押ししてくれました。せっかく多くのことを学んだのだから、また日本でワインを造ればいいじゃないかと言ってくれたのです」。

自分がやりたいのは、これからもワインを造っていくことだと再認識した安蔵さん。丸藤葡萄酒工業の社長に連絡し、再就職を果たす。

▶︎ワイナリーを造るという決断

丸藤葡萄酒工業で合計で20年間働き、2022年3月に退社した安蔵さん。満を持して自らのワイナリー、Cave anを立ち上げた。

いつまでもワイン造りの現場にいたい。その思いは年月が経過しても変わることがなかった。また、自分の願いを諦めることなく独立に踏み切ったきっかけのひとつが、病気を経験したことだった。

「丸藤葡萄酒工業で定年まで勤め上げてから自分のワイナリーを作ればよいと、のんびり構えていたのですが、病気になって『命はいつ終わるかわからない』と考えるようになりました。当たり前に元気でいられるわけではないのだから、やりたいことをできる時にやるべきだと思ったのです」。

時間の大切さを身をもって知り、後悔しない生き方を選択した安蔵さん。ワイン造りに一生を捧げるために、Cave anが生まれたのだ。

▶︎ワイン特区の申請とCave anの誕生

Cave anは、山梨県の「ワイン特区制度」を利用してできたワイナリーだ。

ワイン特区制度について解説しておきたい。ワイン特区とは、ワイン醸造事業に参入しやすくするために国が設けた特例制度のことだ。通常の酒税法の縛りでは、ワイン事業者は年間6,000ℓのワインを生産する必要がある。しかしワイン特区の認定を受けていれば、年間2,000ℓの生産量で事業の継続が認められるのだ。

「ワイナリーの運営方法について、主人と話し合いました。いろいろと考えて、私がひとりで切り盛りできる小規模ワイナリーを始めるのがベストだという結論に達したのです。そこで、ワイン特区の制度を利用しようと考えました」。

ワイン特区の申請は、自治体から国に対して申請をおこなう必要がある。特区の取得には、実に5年の歳月を要した。

「山梨市で最初に特区を申請したのが私でした。2020年の年末に認可され、ようやく会社設立のスタートラインに立ったのです」。

2022年には酒税免許も取得し、ワイナリーとして歩み始めたCave an。コロナ禍でワイナリーの建築や機械類の搬入が遅れるなどハラハラする出来事も多かったが、なんとか自らのワイナリー設立に漕ぎ着けたのだ。

長年醸造の現場に身をおいてきた安蔵さんは、ようやく新しいステージに立った。ワイン醸造を一途に愛する女性醸造家の新たな門出を祝いたい。

『Cave anのぶどう栽培 テロワールを生かして』

Cave anでは山梨県の気候や土壌に合ったぶどうが選定され、育てられている。

どのようなぶどうがどのような畑で育っているのか、安蔵さんがおこなうぶどう栽培の様子をのぞいてみよう。

▶︎栽培するぶどう品種は「山梨に合うぶどう」

Cave anで栽培するぶどう品種を紹介しよう。

白ワイン用ぶどうは以下の3種類。

  • プティ・マンサン
  • アルバリーニョ
  • 甲州

赤ワイン用ぶどうは以下の4種類。

  • タナ
  • プティ・ヴェルド
  • メルロー
  • マルスラン

これらのぶどうは、安蔵さんが考える「山梨の土地に合うぶどう」だ。異常気象にも耐える力を持ち、気温が高い山梨でも酸が落ちにくいことを重視して選ばれた。

「日本ワインの歴史はまだ短く、土地に合う品種選定は始まったばかりです。日本ワインの歴史の初期には、日本ではワイン用ぶどうは育たないと言われていました。しかし先人がワイン用ぶどうを植え始め、試行錯誤されていきました」。

▶︎自社畑周辺の気候や土壌環境

Cave anの自社畑は、山梨市の万力(まんりき)地区にある万力山の南向きの斜面に位置する。もともと生食用ぶどうが栽培されていた地域にあり、耕作放棄地となっていたものを借り受けた。

畑の面積は1ha弱で、棚栽培と垣根栽培の2か所に分かれる。いずれも近い場所にあり、作業効率がよいそうだ。

「畑を選ぶ際には、『水はけ』と『陽当り』を絶対に外せないポイントとして探しました。高品質なぶどうを栽培するには、水はけのよさを確保することが重要なのです」。

畑の土壌は粘土質。表面はカチカチで、土の中まで水を通さない。雨が降っても土壌の表面を水が通り抜けるため、排水性の高い土壌だ。その上、畑は斜面にあり水分が下に流れていくため、水分過多を好まないぶどうにとっては最適な環境なのである。

▶︎こつこつと進めてきた自分の畑でのぶどう栽培

安蔵さんが自分の畑に苗を初めて植えたのは、2000年のことだった。当時はまだ丸藤葡萄酒工業で働いていたが、夢のために少しずつぶどう栽培を始めていたのだ。

「自分の畑でとれたぶどうは、会社に持ち込んで醸造させてもらっていました。自分の飲みたい少量だけ、会社のワインにブレンドして造っていたのです。2005年くらいからのことです」。

その後も仕事と自分の畑でのぶどう栽培を並行して続けていた安蔵さんだが、2015年の仕込みの時に丸藤葡萄酒工業の社長から提案を受ける。その提案とは、「自分用に造ったワインを、丸藤葡萄酒工業で販売してはどうだろうか」というものだった。

「そして生まれたのが『万力ルージュ』という銘柄です。その後、『万力ブラン』もできました」。

丸藤葡萄酒工業時代、『万力ルージュ』は年間1000本前後、『万力ブラン』は600~700本ほどが生産されていた。

その後も自分の畑を順次拡大していき、1haの広さにまで大きくなったというわけだ。自社畑は安蔵さんがひとりで管理している。

「ひとりとはいっても、繁忙期には知り合いに助けてもらっています。『手伝ってくれたら飲み会に招待する』というと、みんな力を貸しに来てくれるのですよ」。

人の絆に助けられながら、自分の畑で良質なぶどうを育てる安蔵さん。ゆったりと楽しそうに微笑みながら話してくれた口ぶりからは、ワイン造りに携われることへの大きな喜びが伝わってきた。

▶︎大切なのは「バランス」 ぶどう栽培のこだわり

続いては、Cave anのぶどう栽培について紹介したい。

「ぶどうには、なるべく手をかけたくないと思っています」。

人が余計な手をかけないためには、品種選びが大切だ。特別な管理をしなくても病気が出づらいぶどう品種を選ぶことで、栽培作業が簡素化できる。

また、品種選び以外の面でも、「手をかけなくて済むぶどう」に育てるコツがあるという。

「いちばん大切なのは、ぶどうの樹のバランスを整えていくことです。根と葉の関係を観察して調整していく作業がポイントです。バランスがとれた樹ができれば、手入れが格段に楽になるのですよ」。

安蔵さんが言う「ぶどうの樹のバランス」とは、「根の張り具合」と「芽数」を見極めることだ。根が広く張っていれば、その分たくさんの芽を残したほうが良質なぶどうができるという。

「日本は土壌が肥沃で、雨による水分も多く、根が広がりやすい環境です。つまり、ぶどうが大きく育ちやすい環境にあるのです。土地が痩せているフランスでは、ぶどうを垣根で密植させますが、日本で同じように育てると樹勢のコントロールが難しくなります」。

根が充実している場合、養分のゴールになる「芽」にそれなりの数が必要になる。何も考えずに「芽かき」をするのではなく、樹全体を見て必要な芽の数を考えるのだ。

「根がどれだけ張っているかは、樹によって異なります。根の充実具合がどの程度かは、葉や芽の出方を見て推測するしかありません。冬の剪定作業のときに樹のポテンシャルを見極めて剪定することで、夏場の栽培管理がラクになりますよ」。

冬の間にぶどうの状態を確認し、翌年の栽培方法を決める。安蔵さんのぶどう栽培は、ぶどうの樹との声なき対話のようだ。

安蔵さんがぶどう栽培で「バランス」を重視するようになったのは、フランス・ボルドーのサン=テミリオン地区で受けた研修がきっかけだった。現地の指導者が「ぶどうの木のバランス」の大切さを訴えていたのだという。

「フランスで優れた実績を持つ栽培担当の方から教えてもらいました。私はそれまで、ぶどう栽培でバランスを意識したことがなかったので、目からウロコでしたね」。

フランスでの経験は、帰国後も確実に役立っている。さまざまな経験と人生の決断を乗り越えたからこそ、今があるのだ。

『しみじみと美味しい食中酒 Cave anのワイン』

Cave anがファーストヴィンテージを迎えた2022年。これから、どのようなワインを目指し、どんなこだわりを持って醸造に励むのだろうか。

安蔵さんが考えるこれからのワイン醸造と、こだわりについてお話を伺った。

▶︎「柔らかいワイン」を目指して

「しみじみと美味しく、柔らかい。そんなワインを目指しています」。

安蔵さんが目指すのは、食中酒として体に馴染むような優しいワインだ。ワイン単体で主張するワインではなく、すっと体に溶け込むようなワインがよいと話す。

「力強いワインよりも、バランスのとれたワインを目指します。食事と共に飲んでいたら、いつの間にかボトルが空になっているワインがベストです」。

そんな安蔵さんが醸造でこだわっているのは、手をかける部分と見守る部分のバランスだ。ぶどう栽培と同様、ここでも「バランス」が肝になる。

手をかけているのはおもに、発酵の環境を整える段階の作業だ。具体的には温度管理が当てはまる。酵母の様子を見ながら、タンクを温めたり冷やしたりと、調整を加える。

「必要以上に手をかけることはしませんが、まったく手を加えないのは違うと思います。ワインはそもそも人工的に造っているものですしね。正しく見守ることが一番大切であり、ワイン造りの難しさでもあると思っています」。

多くの醸造経験を重ねてきた安蔵さんだが、それでもワインの醸造は毎年不安でいっぱいだという。いくら経験豊富であろうとも、最初から最後まで完全に安心できる醸造などないのだ。

醸造を見守って、ときには優しく手を貸し、Cave anのワインは完成する。優しいワインを生み出す安蔵さんの醸造は繊細だ。

▶︎ファーストヴィンテージへの意気込み

Cave anとしてスタートを切ったばかりの安蔵さんに、今後の意気込みを尋ねてみた。

「新しい環境なので、酵母が働きやすくなるように手助けをしつつ、見守っていきます。今までと変わらずに、ぶどうそのものの味を出すワインを造りたいですね。肩肘を張らず、柔らかいワインを造りたいです」。

日本ワインの銘醸地のひとつである勝沼の老舗ワイナリーで、長年、醸造に打ち込んできた安蔵さん。丸藤葡萄酒工業の社長に教わった「料理に合うワインであれ」というモットーを継承しつつ、ワイン醸造をおこなっていく。丸藤葡萄酒工業で学んできた醸造のスタイルは、安蔵さんに深く根付いているという。

▶︎Cave anのワイン

ここで、Cave anで醸造する銘柄について紹介していきたい。

まず、Cave anの主力となるワインを見ていこう。丸藤葡萄酒工業時代から醸造していた「万力ルージュ」と「万力ブラン」だ。基本の造りは変えず、2022年以降はCave anの製品として販売する。

「万力ルージュ」は、Cave anの圃場で栽培するすべての赤ワイン用ぶどうがブレンドされている。ブレンド比率は年によっても変わるため、ヴィンテージの味がくっきりと浮き上がる1本だ。

一方の「万力ブラン」は、プティ・マンサンがメイン。補助品種として、徐々に収穫量が増えてきたアルバリーニョを加えている。将来的には、万力ブランはプティマンサン100%で造ろうと考えているのだそうだ。アルバリーニョに関しても、単一品種でのワインを醸造することを目指す。

続くワイン銘柄は、手に取りやすい価格で提供する予定の「甲州」による白ワイン。澱と共に寝かせて旨味を引き出す手法であるシュール・リータイプのワインと、醸しタイプの2種類を展開する。

「それ以外では、将来的にアルバリーニョでスパークリングが造りたいですね。自分のワイナリーでたくさんの種類のワインを造りたくなってしまうのは、醸造家の性(さが)ですね」。

アルバリーニョのスパークリングワインができるのは、早くて4年後。Cave anの自社畑の個性と安蔵さんの醸造スタイルが表れたスパークリングが飲める日が楽しみでならない。

▶︎家庭料理と気軽に合わせて

Cave anで造られるワインの楽しみ方は「気軽に飲むこと」だという。安蔵さんのおすすめは、家庭料理と合わせる楽しみ方だ。

「家で作る洋食なら『万力ルージュ』や『万力ブラン』、和食なら甲州を合わせてみてください。普段の食事と合う、心地のよいワインを提供できると思っています」。

具体的なペアリングについても紹介したい。

安蔵さんイチオシの組み合わせは、「万力ブラン」と「とうもろこし」だ。万力ブランが持つはちみつに似た香りが、甘みのある食材にマッチする。和食なら、西京漬けとのペアリングもおすすめだ。

「万力ルージュ」にぜひ合わせてほしいのは肉料理。特に、塩コショウでシンプルに味付けた肉料理との組み合わせが抜群だ。ワインと合わせることで料理が引き立ち、お互いのよさを高め合う。

家庭でのリラックスタイムのお供に、Cave anのワインがあれば幸福度が増すだろう。気軽に楽しんで、心地良い時間を楽しむ。安蔵さんが造る優しい味わいのワインのハッピーな楽しみ方を、ぜひ参考にしてほしい。

『Cave anの未来 ワイン造りの素晴らしさを発信したい』

Cave anでは、今後どのようなことに挑戦していきたいと考えているのだろうか。

「いずれは、ワイン造りの楽しさを広めていく活動ができたらと考えています。これからワイナリーをやってみたいという人に伝えられることがあれば嬉しいですね」。

▶︎ワインに長く携わっていたからこそ、できること

長年ワインと共に生きてきたから安蔵さんだからこそ、日本ワインを広める上で、彼女にしかできないことがあるはずだ。経験豊富な醸造家がワイン造りの素晴らしさを伝えていけば、日本ワイン業界の質はより一層向上するだろう。

ワイン造りについて発信すること以外にも、Cave anではイベントの開催にも前向きだ。

「地域の農産物や料理と合わせて、ワインと楽しめるイベントを企画運営していきたいです」。

山梨のテロワールを存分に感じられるイベントになることだろう。優しい土地の味とCave anのワインの味は、溶け合うようにマッチするに違いない。

醸造家志望の人にとっても、消費者にとっても、安蔵さんの構想は魅力的だ。

『まとめ』

女性醸造家であることの強みを、安蔵さんはこう語る。

「優しく気配りのきいたワイン造りができることが、強みのひとつだと思います」。

Cave anの歴史は、今まさに始まったばかりだ。自分の納得するワインをとことん追求し、体が動き続ける限りワイン造りの現場に立ちたいと話してくれた安蔵さん。繊細な感覚と先を見通す感性を武器に、Cave anにしかないワインを造る。

自分の努力と行動力で、困難な道でも切り開くことが可能であると教えてくれる安蔵さんの一途な思いは、まぶしいほどだ。Cave anの魅力的な取り組みを応援していきたい。

基本情報

名称株式会社 Cave an
所在地〒405-0031
山梨県山梨市万力756-1
アクセス山梨市駅徒歩10分
HPhttps://cave-an.com/

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