『蒼龍葡萄酒』高品質なぶどうからできる、高コスパワインが魅力の老舗ワイナリー

「蒼龍(そうりゅう)葡萄酒」は、山梨県甲州市勝沼に位置するワイナリー。なんと100年以上もの歴史を持つ、日本ワイナリー界の老舗だ。

「人との絆」を大事に考える蒼龍葡萄酒は、契約農家や顧客との関係をとても大切にしている。昔から契約している地元の農家による高品質なぶどうを使い、顧客の幅広い要望に応えるワインを造り続けているのだ。

ワイナリーの歴史やワインへのこだわりについて、営業担当の伊藤さんと、工場長の中込さんにお話を伺った。

創業から変わることのない、人とワインへの真摯な姿勢。蒼龍葡萄酒というワイナリーの魅力を、余すところなく紹介していきたい。

『蒼龍葡萄酒、創業の歴史』

蒼龍葡萄酒の創業は1899年。ワイン造りの歴史がある勝沼の中でも「老舗」の部類に入る。
創業当初は、農家が共同で醸造を行う会社だった蒼龍葡萄酒。各農家が栽培したぶどうで自分たちのワインを造るために集まり、ブロック(地区)単位で仕込みを行っていたのだ。

その後1943年に、先代の鈴木重富さんが個人で会社を買い取り、ワイナリー事業を開始。2000年には「蒼龍葡萄酒株式会社」となり、現在に到る。

▶由来は中国の故事から、「蒼龍」に込めた意味

続いて尋ねたのはワイナリー名の由来についてだ。蒼(あお)い龍と書いて「蒼龍」。蒼龍という言葉に込められた意味とは、どういったものなのだろうか?

お話を伺ったのは営業担当の伊藤さん。「よくワイナリー名について、どういう意味ですかと聞かれます」と笑いながら答えてくれた。

ワイナリー名の「蒼龍」は、中国の故事が由来。東西南北の「東」を司る守護神の名前なのだ。蒼龍葡萄酒のぶどう畑が広がるのも、山梨の東部に位置する地区だ。

蒼龍は、繁栄や幸運をもたらす神。ぶどう畑に末永い豊穣がもたらされるようにと願って付けられたのが「蒼龍園」という名前だった。
ワインを市場に販売していく屋号として、その後「蒼龍」を使用し、「蒼龍葡萄酒」としたのが始まりである。

またワイナリー名に「葡萄酒」が付くのは、勝沼の中でも老舗のワイナリーに多い。ワイナリーへの願いと歴史の長さ、ふたつの意味が合わさった名前が蒼龍葡萄酒なのだ。

『契約農家と自社畑、蒼龍葡萄酒のぶどう栽培』

続いては蒼龍葡萄酒のぶどう栽培について、こだわりや苦労を紹介していきたい。

まずは自社畑で育てるぶどうについて見てこう。
およそ2haの自社圃場で栽培しているぶどう品種は、白ぶどう品種が「甲州」。
赤ぶどう品種が「メルロー」「プティ・ヴェルド」「甲斐ノワール」だ。

甲州を育てている理由は、代表的な日本固有の品種だからだ。山梨でワイナリーを営む以上、山梨を代表する品種である甲州の品質を上げていくことを、ひとつの目標にしている。

▶甲州栽培の挑戦

甲州については、実験的な取り組みにも積極的だ。5年前から行っている取り組みは、甲州の垣根仕立てで、50aの圃場で開始した。2020年には醸造に十分な収穫量を確保でき、「垣根甲州」のファーストヴィンテージワインが完成した。

棚仕立てで甲州を栽培するワイナリーが多いなか、どうして垣根仕立てを行っているのかについて話を伺った。

「垣根仕立てにすると、より凝縮感があって香りが芳醇になるのです」と工場長の中込さん。

凝縮感が出る理由は、棚仕立てでの栽培に比べて「房数が少なくなること」と「ぶどうが小ぶりになること」にある。ぶどうの収量が抑えられることでひとつひとつの房に養分が凝縮し、濃厚な味や香りが出るのだ。

垣根仕立てで育った甲州は、ライチやマンゴーといったトロピカルフルーツの様な風味が出るという。一般的な甲州のイメージといえば「和柑橘」にたとえられるすっきりとした味や香りが特徴だ。

蒼龍葡萄酒で扱う棚仕立ての甲州は、レモンやグレープフルーツといった柑橘類の香りが多い。一方、垣根仕立てにすると、トロピカルフルーツが全面に出た、より凝縮感のある仕上がりになるというのだから不思議だ。

ただし垣根仕立ては、日本ならではの難しさもある。雨が降ったときの泥のはね返りで、病気になりやすい面があるのだ。
「しかし実際にチャレンジしてみると、面白いものができました」と伊藤さん。

甲州の新たな可能性を探る蒼龍葡萄酒。いずれ、世界が持つ「甲州」のイメージを変えることになるかもしれない。

▶赤ぶどう品種の栽培と歴史

自社畑で育てる赤ぶどう品種は、3種類。まずはフランス、ボルドーの王道的品種であるメルローとプティ・ヴェルド栽培の歴史から紹介していく。

メルローとプティ・ヴェルドの栽培が始まったきっかけは、1997年に遡る。1997年は山梨県に大きな雪害があった年で、近隣のぶどう畑に大規模な被害が出ていた。

被害に遭ったぶどう農家に対し、甲州市が新たな苗を配布。その時に配布されたのが、メルローとプティ・ヴェルドだった。
メルローとプティ・ヴェルドは、ワイン専用のぶどう品種栽培を広めるために提供してもらった苗だったのだ。

続いて甲斐ノワールを栽培する理由や経緯を説明したい。甲斐ノワールは山梨県の試験場でカベルネ・ソーヴィニヨン種とブラック・クイーン種の交配により生まれた品種だ。

個性的でクセがあるとも言われており、スパイシーな香りを持つ甲斐ノワール。蒼龍葡萄酒で栽培しているのは少量だが「甲斐ノワールの味をお求めのお客様もいるのです。そういった方のために、栽培しています」と話してくれた。

▶歴史ある契約農家のぶどう栽培

蒼龍葡萄酒では生産量の9割程を契約農家によるぶどうが占めている。契約農家によるぶどう栽培が多いのは、ワイナリーの歴史に関係がある。
蒼龍葡萄酒の始まりは、農家による共同醸造だったからだ。

「主となる原料は契約農家や農協から仕入れており、チャレンジングな試みは自社農場で行っています」。蒼龍葡萄酒と契約する農家は、なんと100件以上にのぼる。
「歴史のあるワイナリーのよいところは、農家とのつながりが強い点」だという伊藤さん。よいぶどう栽培をする農家から、品質の高いぶどうが手に入る点が強みだという。

基本的なぶどう栽培は、ベテランである契約農家に栽培を任せている蒼龍葡萄酒。代々ぶどうを栽培している人々が造るぶどうの品質は、非常に高い。蒼龍葡萄酒と農家との強い信頼関係が築かれているからこそである。

「結果的に毎年素晴らしいぶどうが入ってきます」。蒼龍葡萄酒と地元農家は、歴史ある深い絆で結ばれている。

▶ボルドー液を使わないぶどう栽培と「シトラスセント甲州」

基本的には農家に任せているぶどう栽培だが、一部の契約農家のみ「ボルドー液を使わない」ことをお願いしているのだという。いったいどういうことなのか、話を伺った。

ボルドー液は、多くのぶどう栽培で使用されている殺菌剤だ。蒼龍葡萄酒には、ボルドー液を使用しないぶどうから造った「シトラスセント甲州」というワインがある。
柑橘系の香りが魅力的なシトラスセント甲州は、2021年のサクラアワードでゴールドを獲得した人気のワインだ。シトラスセントのために行われるボルドー液を使わない甲州の栽培は、防除の仕方を蒼龍葡萄酒から指示している。

「シトラスセント甲州」の味は、シトラスという名前のとおり「柑橘香」が印象的。グレープフルーツやレモンの香りがはっきりと感じられる。
香りの奥には、控えめに「すだち」「かぼす」といった和柑橘も隠れている。

柑橘風味を生かした料理との相性も抜群だ。和食であれば、柑橘をしぼって食べる食事と合わせたい。例えばポン酢でいただく「牡蠣鍋」。サクッとした天ぷらに、レモンを添える食べ方にもベストマッチだ。洋食なら、カルパッチョなどと合わせてさっぱりと。
柑橘系の薬味とのペアリングも最高のワインなので、ぜひ試してみて欲しい。

▶創業当時から持つ川沿いの畑

ワイナリーから歩いて10~15分のところに「日川」という名の川が流れている。蒼龍葡萄酒の自社畑は、日川の河川敷に沿って広がる。

土壌は水はけ良好な砂質。表面土壌は土だが、20cmほど掘ると砂や石が出てくる場所だ。

河川敷という環境のため、風通しのよい点が大きな特徴。夏の暑い時期であっても、東の笹子峠から川に沿ってひんやりとした風が吹く。
ぶどうの生育に欠かせない寒暖差を生みだし、特に着色系品種の栽培に向いている土地だという。

この土地を自社畑に選んだ理由を尋ねると「もともと地主である先代が持っていた土地」だったというのだ。伊藤さんは「歴史あるワイナリーだからこそ、ぶどうにとって最適な場所を引き継ぐことができたと思っています」と話してくれた。

▶栽培のこだわりは、健全なぶどう栽培で品質をあげること

ぶどう栽培のこだわりや気を付けていることを、工場長の中込さんに教えていただいた。「やはり一番は、品質を向上させたいという思いです」。

品質を上げるために行っていることは、ぶどうの収量制限で一粒一粒に凝縮感を出すことと、防除を徹底し健全なぶどうを作ることだ。
基本的な作業の積み重ねを繰り返すことで品質のよいぶどうを育てている。

加えて重視しているのが、ベストタイミングで収穫すること。ただし、収穫時期は繁忙期でもある。忙しい中でも、極力ぶどうの生育を考えた収穫を心がけている。

最後に2020年のぶどう栽培の様子を尋ねた。
雨が多かった2020年。蒼龍葡萄酒のぶどうはどのような状況だったのだろうか?

「雨は多かったですが、自社農園に大きな影響はなかったですね」と中込さん。理由はふたつあり、ひとつは防除を徹底していたことだ。もうひとつは、病気が発生する前に作業が完了できたこと。というのも2020年は、新型コロナウイルスの影響で、外回りができなかった営業部隊が収穫作業を手伝ってくれたというのだ。

「新たな経験ができてよかったです。自社ワインへの知識が広くなりました」と営業担当の伊藤さん。社員一丸となってぶどう栽培した2020年。お話を聞いていると、ぶどうやワインへの愛がこちらに伝わってくるようだった。

『もっと身近に、日常に。蒼龍葡萄酒のワインについて』

次は蒼龍葡萄酒のワイン造りやこだわり、ワインへの思いについて紹介していこう。

蒼龍葡萄酒がワイン造りで目指すのは、品質を向上させ続けること。そして更なる目標としてかかげているのが、テロワールの表現だ。
「ぶどう栽培や醸造に関するリサーチを徹底し、土地の特徴を生かしたワインを造っていけたら」と中込さん。

▶ワイン造りのこだわりと苦労

ワイン造りのこだわりについて尋ねた。一番のこだわりは、原料であるぶどうの持つ特徴を最大限生かしたワイン造りをしていることだという。そのうえで、土地の特徴を表現したワイン造りを目指しているのだ。

ワイン造りで一番苦労しているのは、繁忙期の対応だ。ワイン造りで一番忙しい9月の上旬にもなると、さまざまなぶどう品種が一斉にワイナリーへ運び込まれてくる。多くの契約農家を抱える蒼龍葡萄酒は、毎年運び込まれるぶどうも大量だ。
全てのぶどうを、スピーディーで丁寧に、しかも無駄なく処理していくのは非常に大変な作業なのだ。搾汁の予定など、醸造スケジュール管理には、毎回頭を悩まされている。

醸造スケジュールを立てることの難しさは、温暖化の影響も関わっているのだという。というのも、近年は気候の変動により、ぶどう品種によっては収穫時期が早くなったり遅くなったりしているというのだ。

「今までは、例えばデラウェアが運ばれてきて次に巨峰、アジロン・ダック、マスカット・ベーリーA、甲州などと、品種ごとの収穫時期がはっきりと分かれていました。そのため現在より対応しやすかったのです。しかし今は温暖化などの気候変動で、色々な品種が一気に運ばれてくることが増えました。収穫時期が前後することもあり、作業が大変になっているように感じます」。

ぶどう栽培は自然相手だからこそ、温暖化による気候の影響が大きい。気候が変わってしまうと、今までの経験則から外れることが多々起こる。そのため、毎年臨機応変な対応が必要になるのだ。

農家や造り手の苦労ももちろんだが、ワインの販売を担当する営業サイドへの影響も大きい。理由は発売日が不透明になってしまうことだ。収穫時期のずれにより、今までは顧客に伝えられていた発売日をはっきり伝えられなくなってしまったのだ。

「10月発売といったのに、高温による着色障害により、9月になってもまだぶどうに色が付いていない!なんてことも起こっている。余裕をもって発売日を伝える必要が出てきたのです。前にはなかったことなので、苦労しています」。

▶高品質でありながらも、特別ではないワイン

蒼龍葡萄酒のワインを、どんな時にどんな場面で飲んで欲しいと考えているか伺った。
「家族や友人と、日常酒として食卓で飲むワインが大切だと思っています」と伊藤さん。

蒼龍葡萄酒は、地元民の消費量が多いのだそうだ。地元客が購入するのは「一升瓶ワイン」。6本入りをケース買いする人も多いという。地元ではどのようにワインを楽しんでいるのか。
なんと、晩酌や食卓で湯飲み茶碗やビールのグラスに注いで、気軽に飲んでいるのだという。

地元客のように、多くの人に日常酒としてのワインのよさを知ってもらいたいと考えている蒼龍葡萄酒。想定しているシチュエーションは、家族での夕食で日常のワインとして飲まれることだ。

「ワインって、みんなで飲むと楽しいじゃないですか」。蒼龍葡萄酒では、ワインを「高級なもの」というよりも、身近に感じて欲しいと願っている。日常酒としてのワインを浸透させるべく、蒼龍葡萄酒では高品質なワインを、低価格で提供しているのだ。

▶一升瓶ワインの魅力

蒼龍葡萄酒では多数の一升瓶ワインをそろえている。「山梨県の大半のスーパーには、一升瓶ワインが置いてありますよ」。
山梨県民以外にとってはあまり一般的ではない「一升瓶ワイン」。

一升瓶ワインは、過去のワイン造りの工夫から生まれたものだ。山梨県勝沼では、日本の中でも古くからワイン造りが行われていた。
しかし当時は、一般的なワインボトルが日本国内に存在しなかった。ワインボトルの代わりに「一升瓶」にワインを充填したことが、一升瓶ワインが生まれたきっかけなのだ。

「ワイン造りの歴史が古い山梨には、その名残が残っているのでは」と中込さん。一升瓶ワインの生産自体は減っている。しかし山梨では一升瓶ワインが今でも日常に溶け込んでいるという。山梨のスーパーには必ず置いてあり、冠婚葬祭でも振る舞われる。まさに「日本酒感覚」の日常酒という立ち位置だ。

蒼龍葡萄酒では、一升瓶ワイン以外にも古いワイン造りの名残がある。例えばワインを熟成させるタンク。一部、昭和40〜50年製のホーロータンクを使っているが、これは清酒由来のタンクなのだとか。
神戸など、日本酒の醸造が盛んな場所で製造されているタンクだ。今は最新の温度調整のできるステンレスタンクへの変更を進めているとのこと。

日本文化とワインの融合ともいえる一升瓶ワイン。ワイナリーに行った際のお土産には、ぜひ一升瓶ワインを手に取ってみてはいかがだろうか。

▶たくさんのワインから、必ず見つかる自分の1本

蒼龍葡萄酒のパンフレットを見ると、ワインの種類の多さに誰もが驚くだろう。ラインナップされている銘柄は30以上。新酒や期間限定のワインも合わせると、それ以上の数になる。

こんなにも多くのワインを造る理由とはいったいなにか。
「お客様のニーズに応えていった結果、自然と多くなっていきました」と伊藤さんは笑う。蒼龍葡萄酒のワインが増えていった経緯は次の通りだ。

辛口ワインを出したところ、客が「もっと甘口がいいな」と言えば、社長が「じゃあ甘口を造ろう!」。「もうちょっと辛い方がいいな」と言えば「じゃあ中口を造ろう!」。このようにして増えていったというのだ。

現在ある30種類のワインは、ワイナリーの長い歴史のなかで、客との対話から増えていった30種類なのだ。最近は訪問客の好みも変化しドライにシフトしているが、当然甘口が好きな顧客もいる。

また、顧客のご要望から誕生した「酸化防止剤無添加ワイン」。今ではひとつのジャンルとして確立しているが、1996年に蒼龍葡萄酒が「酸化防止剤無添加赤わいん」を発売したのが元祖といわれている。
発売から20年以上経つ今も、「酸化防止剤無添加赤わいん」は多くの顧客に支持されている。

訪問客との会話の中からニーズをくみ取りワインに反映させる。数多くのワインが生まれたのは、創業から毎年、顧客との対話を積み重ねていった結果だ。

「あまりにも増えすぎてしまったので、ラインナップによっては少しずつ終息させています。またニーズに合わせた新しいワインを造っていく作業をしているところです」。
行けば、必ず要望に応えられる1本がある。蒼龍葡萄酒はそんなワイナリーだ。

▶コストパフォーマンスの高さも自慢

蒼龍葡萄酒ならではの強みについて尋ねた。

中込さんは「多くのお客さんにフィットしたワインを提供できるところが強み」だと話す。そしてもうひとつの強みとして話していただいたのが、圧倒的コストパフォーマンスの高さだ。
ベテラン契約農家の良質なぶどうからできる高品質なワインが、低価格で飲める点が大きな強みなのだ。

「品質がよい原料を確保しながらコストを下げられるのは、契約農家を持つワイン造りならではの強みです」と伊藤さん。契約農家は生食品種を作りながら、その技術を使い、ワイン用ぶどうも栽培している。
良質なぶどうを手軽な価格で提供していただき、契約農家のぶどうによるワイン造りで、よいものをリーズナブルに提供する。顧客のことを第一に考えた結果だ。

「老舗だからこそ多くの農家と契約し、質の高いぶどうを作れる農家と契約できている。生産量の多さも、コストを下げられる理由のひとつ。農家との強いつながりが、うちのアドバンテージです」。

『新しい貯蔵庫を使い、新しいワイン造りを』

最後に伺ったのは、蒼龍葡萄酒の将来の展望について。ワイナリーが未来に向けてチャレンジしていること、取り組んでいることについて伺った。

挑戦したいことは新しいワイン造りだ。オレンジワイン、瓶内二次発酵のスパークリング、そして長期熟成に耐える甲州ワインの醸造にチャレンジしてみたいそうだ。

特に長期熟成ワインの醸造は、現実味を帯びている。というのもワイナリーに新しい低温倉庫ができたのだ。長期間低温で保管できる場所を造ることで、長期の熟成が可能になるという。
新しい倉庫の名前は「蒼龍ぶどう橋ワインセラー」。ぶどう橋とは、日川にかかる橋の名前だ。

中込さんも、新しい貯蔵庫について「せっかくいい倉庫や設備ができたので、より高品質なワインを造りたいです。熟成に耐えうるワインを造ること、ポテンシャルのあるワインを造ることこそ、造り手の楽しみであり醍醐味だと思っています」と決意を話してくれた。

未来の蒼龍葡萄酒では、5年熟成、10年熟成の甲州が棚に並び、飲み比べで楽しむことができるだろう。
「当時の気候を思い出しながら『あの時は雪が降ったよね』など話しながら、ワイナリーで飲んでもらえたら」。蒼龍葡萄酒のワイン造りは、「熟成」という新しいステージに到達した。
これからも魅力的なワインが次々と生まれ、私たちを楽しませてくれることだろう。

『まとめ』

蒼龍葡萄酒は、歴史が長く、しかもチャレンジ精神溢れるワイナリー。顧客との対話を通し、創業から新しいワインを次々と造り続けて今に至る。

新しい貯蔵庫「蒼龍ぶどう橋ワインセラー」も完成し、ワイナリーとしての魅力はより一層輝きを増している。

ワイナリーに行けば、何十種類もあるワインに目移りしてしまうかもしれない。「どれにしようか」と時間をかけて迷う、贅沢な悩みを味わってみてはいかがだろうか。

基本情報

名称蒼龍葡萄酒
所在地〒409-1313 
山梨県甲州市勝沼町下岩崎1841
アクセス
勝沼ICより車で約7分
電車
JR勝沼ぶどう郷駅より車で約5分
HPhttp://www.soryu-wine.co.jp/

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