住宅街にひっそりと佇む都市型ワイナリー『清澄白河フジマル醸造所』

東京の下町、清澄白河は、美術館や個性的なギャラリー、そしてお洒落なカフェが点在する最近注目の町。
清澄白河フジマル醸造所があるのは、そんな清澄白河の駅から徒歩5分の住宅地の中。そこにワイナリーがあると知らなければ、うっかり通り過ぎてしまいそうな場所です。

一般的に「ワイナリー」と言えば、ぶどう畑があって、その敷地内に収穫したぶどうを醸造する施設があるというイメージですが、こちらは、生産地からぶどうを仕入れ、消費者に近いところで醸造を行っている、「都市型ワイナリー」なのです。

本日は、そんな清澄白河フジマル醸造所さんの併設レストランへおじゃましました。

3階建ての建物の1階部分が醸造所、2階がワインとイタリアンが楽しめるレストランになっています。
外階段を2階に上がると、とてもシンプルな水色の鉄の扉が・・・。まるで会員制のバーのような雰囲気です。

そんな扉を恐る恐る開けると、温かみのある木と白いタイルのカウンターに囲まれたキッチンが、目の前に飛び込んできました。
コンクリート打ちっぱなしの壁に、木のテーブル、アルミ製の椅子。
お洒落だけどシンプルでカジュアルな雰囲気のお店です。金曜の夜ということもあって、お店は多くの人で賑わっていました。

▶気になるワインとお料理は?

まず初めにオーダーしたのは、醸造所直送生樽ワイン。
ビールサーバーから炭酸ガスの圧力で提供される名物ワインだそうです。
ぶどうの香りが存分に楽しめる、フレッシュなワインでした。

お料理は、「山形県産庄内柿とモッツァレラの白和えプロシュート添え」。
プロシュートのしょっぱさが、柿の甘さを引き立て、モッツァレラチーズとお豆腐のクリーミーな味わいが楽しめるお料理です。
見た目もかわいらしく、とっても美味しい一皿でした。
きっと季節によって、合わせるフルーツが変わるのでしょうね。

「旬の魚のコンフィーきのこと蓮根のすり流し」。
お魚はふっくら、きのこと蓮根のすり流しは柑橘系の風味が香るさっぱりとした味付けで、白ワインによく合います。

「鳥取県産猪のラグーと貫井園さんの原木椎茸フジッローニ」。
猪肉と聞くと臭みがあるイメージでしたが、全くそんなことはなく、濃厚なソースが太めのショートパスタとよく絡み、食べ応えのある一皿。
これは赤ワインだな~。

最後は「山形牛のグリル」。
このお料理は写真を見ていただければ説明は要りませんね(笑)。
しっかりとした歯ごたえがあり、シンプルな味付けでお肉そのものの味が楽しめました。

お料理はどれも美味しく、大満足!
ワインはフジマル醸造所さんで醸造されたワインを中心にオーダーしましたが、どれもフレッシュで繊細な味わい、飲みやすくてお料理との相性も良いワインでした。

▶まるで秘密基地のような空間

レストランを利用すると、醸造所見学をさせていただけると言うことで、食後、スタッフの方に1階の醸造所を案内していただきました。

2階のお店の中から階下に続く階段へと出られます。
降りたところは通路のような場所で、木樽やコンテナ、除梗機などが所狭しと置かれていました。
奥の部屋にはステンレスのタンク等が並んでいるようでしたが、そちらは見せてはもらえず・・・。
写真撮影も不可とのことで、ちょっと残念。

案内してくださったスタッフの方によると、この時期、仕込みなどは全て終わっており、今年醸造を行ったワインは既に瓶詰めされているとのこと。
「フレッシュさ」が売りなので、長く寝かせたりはせず、仕込みから2か月ほどで出荷されるのだと言います。
醸造所のスペースも限られるため、早飲みタイプのワインに特化しているのでしょう。

仕込みの時期には、レストランのスタッフも総出で作業を行うのだとか。
重労働な部分も多そうですが、ワイン造りに関われるのは楽しそうですよね!

フジマル醸造所が目指すのは「気軽に楽しんでもらえるワイン」。
都会の真ん中でワインが造られ、その造りたてのワインがそのまま階上のレストランでいただける。
都会に住んでいる人たちにとっては、わざわざ地方に足を延ばさなくても、「気軽」にその味わいを楽しめるというのは、とても素敵なことだと思いました。

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今回訪問したワイナリー
東京都江東区にある街中ワイナリー「清澄白河フジマル醸造所」。

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