『都農ワイン』「オンラインワイナリーツアー」~ピノ・ノワール&テンプラニーリョ編~

2021年9月に開催された、都農ワイン『オンラインワイナリーツアー』~ピノ・ノワール&テンプラニーリョ編~に参加しました。
今回はその中の「ワイナリーツアー」にあたる部分を中心にその様子をレポートていきます!

都農ワインさんといえば「キャンベル・アーリー(ロゼ)」が「Wine Report2004」のThe 100 Most Exciting Wine Findsに選ばれたことで知られているワイナリーです!

宮崎県という不利な気候条件下で、マスカット・ベーリーA、シャルドネやシラーなどの品種がどのように栽培されているのか…。
そしてワインはどのように造られているのか?

実際の現場を見せていただきながらお話を聞けるとのことで、とても楽しみにしていました!

どんな90分間になるのか…、わくわくです!

ということで、まずはその畑の様子を見せていただきました!

ワイナリー紹介記事より

案内していただいたのは、シラーと甲州、ピノ・ノワールとテンプラリーニョが栽培されている2か所の圃場。

シラーと甲州が栽培されている圃場の奥には、なんと海が見えるんです!
オンラインツアー当日は残念ながらすっきりとした晴れ模様ではなかったのですが、うっすらと水平線が見えました♪いいところですね。

今回ご紹介いただいた圃場がある土地は「牧内台地」と呼ばれている場所で、1500万年前に鈴尾山の溶岩が飛んできてできた土地なんだそうです。
(土地ってそうやってできるんですね!(笑))

また、なんと35万年前は海だったという地層も見つかっているそうです。
なんだか地球の長い歴史を感じました。

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今年のピノ・ノワールの収穫は8月ですでに終了していたため、実際にぶどうがなっている様子は見ることができませんでしたが、どんな場所で育っているのかをじっくりと見ることができました!

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そして、都農ワインさんの圃場は「火山灰土壌」で水はけがよいというのが特徴なんだそうです。

年間降水量が3,000㎜を超える宮崎県では、水はけのよさはとても重要なポイントになりますね!ただ、火山灰土壌にもデメリットはあるようで…。

その一つが「カルシウム」の含有量です。

都農ワインさんで栽培されている「テンプラリーニョ」は特にカルシウムを欲する品種なのですが、火山灰土壌にはカルシウムが多く含まれていないため、色や渋みをのせるのに苦労されているとのことでした。

ぶどう栽培って土ひとつとっても、本当に奥が深いです…。

また、台風の多い宮崎県では栽培する品種も慎重に選択する必要があるようで、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの晩成種は栽培が難しいとのことでした。

都農ワインさんでも、カベルネ・ソーヴィニヨンを過去に栽培していらっしゃったのですが、現在は早熟品種のピノ・ノワールやテンプラリーニョに切り替えられたとのこと。

台風が来る前に収穫ができる品種にした、ということですね。
その土地の気候に合ったぶどうの選択・栽培もとても重要な要素の一つなのですね。

ワイナリー紹介記事より

ちなみに2021年は8月の成熟期に雨が多く降ってしまったため、熟度が上がらなかったそうです。また、長雨によって病気が拡大。

これにより、2021年のテンプラリーニョはほとんどが収穫できなかったようです…。
天候、こればかりは人間にはどうしようもないことなのですが。

心を込めて栽培してきたぶどうが採れないのはお話を伺っているだけでも悲しいです…。
来年こそは天候にも恵まれた年になることを微力ながら祈っております!

またぶどうのみならず、そのぶどうを育てる地層についても詳しくお話をしていただきました!

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都農ワインさんの圃場の土壌は、表面の草が生えているところは黒ボク土、その下には溶結凝灰岩が通過してできた粘土質土壌となっているそうです。

また、その更に下にはチャートと呼ばれる白い丸い石の層が。これは35万年ほど前に海の底だったという証拠になるものなんだそうです!すごい!

実際の地層を拝見しながらご説明頂いたのですが、わずか3mほどの高さの地層の中に歴史と重みを感じました。

毎年根を伸ばすぶどうの樹。
これまでとは違う地層にその根が伸びたとき、ぶどうはどのような味に変化するのか…。

これもまた楽しみですね!
そして工場内もご案内いただきました!

発酵中のシャルドネなどを実際に見せていただきましたが、画面越しでも香りが伝わってきました~。現場ではとってもいい香りがするんだろうな…と感じつつ、また現地でその香りを感じたくなりました。

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すでに仕込みもかなり進んでおり、キャンベル・アーリーやシャルドネなどがすでにタンクの中に入って眠っているとのこと。

どんなワインになるのか、とても楽しみですね。

都農ワインさんには見せていただいた範囲だけでもたくさんのタンクがありましたが、中でも一番大きなタンクは、18,000リットルも入るんだそうです!

数字が大きすぎて「このくらい」という想像が難しいですね…(笑) 
また、タンクの周りに氷をまとっているものもありました。

貯蔵温度を低くしたいからなのか?とも思いましたが、理由はそれ以外にも!
実はこの氷が周りについたタンクの中身は甘口ワイン。

なんと、甘口ワインは冷やすことで酵母の働きを止めるのだそうです。
いろんな手法があるんですね…。勉強になります!

そして最後に樽庫も見せていただきました!

ワイナリー紹介記事より

都農ワインさんで使っている樽は、ほとんどがフレンチオーク。
毎年数樽は新しいものを購入しているんだそうです。

樽の使い方にも様々な工夫をされていて、要所要所にこだわりを感じました。

このワイナリーツアーのほかにも、対談や質問コーナー、クイズコーナーなどもあり、とても濃い、楽しい90分間でした。

また是非次の機会があれば参加したいと思います!

そして最後になりましたが、今回の都農ワインさんのオンラインツアーに先立ち、こちらのワインを事前に購入し、ツアーのお供でいただいていました。

まずはこちら。
『プライベートリザーブ ピノ・ノワール 2020 赤 辛口』(@3,300円)

そしてもうひとつがこちら。
『プライベートリザーブ テンプラリーニョ 2020 赤 辛口』(@3,300円)

どちらもリリースされたばかりのものをセットで購入させていただきました!

ピノ・ノワールのワインといえば、今日本で最も人気のあるワインといっても過言ではないのではないでしょうか。

とてもコアなお客様は、産地を絞って探している方もいらっしゃるそうです。

また、比較的栽培が難しい品種とも言われていますが、どの国の生産者も「栽培してみたい!」という人気品種になってきているようです。

そんなピノ・ノワール、実は私、とある理由からなかなか飲まない品種なのですが…。
都農ワインさんのピノ・ノワールをいただいてびっくり。

今までのピノ・ノワールの印象をいい意味で崩してくださいました!

とっても飲みやすく、優しい味わいなのにピノ・ノワール特有のエレガントさを残している、何とも言えない味わいでおいしい!是非飲んでみてください♪

そんな都農ワインさんのピノ・ノワールには、出汁のきいた料理(和食)に合わせるのがおすすめだそうです!

ぜひお試しくださいね。

そして、もう1本のテンプラリーニョはまだいただいていないので、またじっくりと味わってみたいと思います!

ワイナリー紹介記事より

都農ワインさんでは、定期的にオンラインツアーを開催されていますので、気になった方は是非参加してみてください!

最新情報は都農ワインさんのHPやSNSで都度公開されています♪

また、都農ワインさんのワイナリー紹介記事が本メディアにも掲載されていますので、是非ご一読ください!


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