こんにちは!山梨県甲州市勝沼町にて130年以上の歴史ある老舗ワイナリー『丸藤葡萄酒工業』が主催する「蔵コン」に参加しました。
蔵コンとは、1986年に東京駅で開催された「エキコン」からヒントを得て、「ワイン蔵でコンサートができないか」という発想から誕生した、丸藤葡萄酒工業恒例のワインと音楽の融合イベントです。
「日本のワインがまだ売れない時代、37年前から蔵の情報発信としてはじまった蔵コンです。震災やコロナで4回ほど中止しましたが、今年で34回目を迎えることができました。今回は希少なオールドヴィンテージワインのご提供や無料送迎バスの導入など、グレードアップした蔵コンをお楽しみいただけます。ぜひお出かけください」。
丸藤葡萄酒工業株式会社 代表取締役 大村春夫さんより招待いただいた今回の蔵コン。事前に案内状とチケットが自宅に郵送されました。イベント当日が待ち遠しくて仕方ありません!
蔵コンは例年、桃の花が美しく咲き誇る4月10日前後の土曜日に開催されますが、2025年は6月14日土曜に開催されます。
蔵コンは二部構成です。第一部はワイナリー内でのワインパーティー。特製オードヴルと共に、ワイナリーの敷地内で丸藤葡萄酒工業のワインを存分に楽しみます。第二部は地下貯蔵庫でのコンサート。歴史と趣ある地下貯蔵庫が、その日はコンサート会場に大変身。ステージと客席の距離が近いので、アーティストとの一体感を楽しむことができます。
ジャンルにとらわれず、毎年さまざまな演者が登場する蔵コン。注目の2025年出演アーティストは、このあと発表します!
『無料送迎バスで丸藤葡萄酒工業に到着!』
今回の蔵コンでは、JR塩山駅より丸藤葡萄酒工業まで無料送迎バスが導入されました。往路が5号車、復路が4号車あり、事前予約制となっています。塩山駅に降り立つと、丸藤葡萄酒工業のスタッフがバスまで案内してくれました。イベントはここからスタート!ワクワク感が高まります。
バスが丸藤葡萄酒工業に到着すると、大村代表が笑顔で迎えてくれました。この日の天気はあいにくの雨マーク。「皆さんの日頃の行いがいいから、きっと雨は降りませんよ」。参加者と大村代表の行いのよさにあやかって、雨が降りませんように。

第一部ワインパーティーの会場は2か所。こちらはR棟会場
手書きのウェルカムボードにほっこりと癒されるそれでは、第34回「蔵コン」の出演者を紹介します!
THE BOOMのヴォーカルとして活躍した宮沢和史さん、ピアノの鬼武みゆきさんです!
宮沢和史さんはなんと、山梨県甲府市出身。そこで今回の蔵コンのタイトルは「ふるさと山梨の音と香り…」です。宮沢和史さんから、山梨の思い出についてどんな話が聞けるのか楽しみです。

『受付を済ませ、ワインパーティー開始までワイナリーを見学』
受付で事前に郵送されたチケットを渡し、本日の流れが書かれたパンフレットと、ワインパーティーで使用する試飲券を受け取ります。試飲券はなくさないように、しっかり首から下げておきます。

「2012シャルドネ」と「2011プティヴェルド」が今回特別に用意されたワインワイナリー内に併設された売店は、ワインを購入する人であふれています。お土産用にワインを購入する人の中に「今すぐ飲むのでカップをもらえますか」という声が。なんと、「蔵コン通」は、ワインパーティーが始まる前に売店で購入したワインで乾杯するのです!「イベントを思う存分楽しむぞ!」という「蔵コン通」の参加者の粋なはからいが、さらにイベントを盛り上げます。

たくさんのワインが販売されいるので迷ってしまう
丸藤葡萄酒工業は、「日本遺産構成文化財(伝統あるワイナリー)」に認定されているのをご存知でしょうか。2020年、甲州市は「日本ワイン140年史〜国産ブドウで醸造する和文化の結晶〜」として、日本遺産に認定されました。構成文化財(伝統あるワイナリー)として、くらむぼんワイン、原茂ワイン、勝沼醸造、丸藤葡萄酒工業が認定されています。
さらに、丸藤葡萄酒工業にある白壁の旧醸造蔵と瓶貯蔵庫は、2019年に国の登録有形文化財に登録されています。ぜひ見ておかなければなりません!ワインパーティーが始まるまで時間があったので、ワイナリー内を見学することにしました。

ゲストルームで売店を背景にくつろぐ大村代表
登録有形文化財に登録されている白壁の旧醸造蔵コンサート会場となる地下貯蔵庫の脇の通路を進むと、ギャラリーがあります。

まるでタイムスリップしたかのような錯覚におちいるギャラリーさらに進むと、両サイドにワインボトルがぎっしり並んでいます。こちらはコンクリートタンクが配置されていた場所を1994年に瓶貯蔵庫に改修し、見学通路として解放しています。


当時の面影を現在に残す見学通路
樽貯蔵庫 現役の樽が並ぶ
ステンドグラスが施された出口扉
ぶどう栽培とワイン造りの四季が描かれているワインパーティーの前に、ワイナリー内をじっくり見学できました。地上に出ると、待ちに待ったワインパーティーが始まりました!
『特製オードブルの入ったペアリングボックスと共に乾杯!』
パーティー会場は、白壁前会場と上段R会場の2か所です。どちらもテントや屋根があり、時おりパラパラと降る雨も全く問題ありません。
今回提供されたワインはこちらです!
・2024 クレマンドルバイヤート ロゼ 泡
・2024 ルバイヤートアートラベル 甲州 白 辛口
・2024 ルバイヤートアートラベル マスカット・ベーリーA 赤 ミディアム
・2023 ルバイヤート甲州シュールリー 白 辛口 「勝沼町産ぶどう」
・2012 ルバイヤートシャルドネバレルセレクト 「旧屋敷収穫」 白 辛口 《完売品》
・2011 ルバイヤートプティヴェルド 赤 ミディアム 「自園収穫ぶどう」 《完売品》
・ぶどうジュース赤 もしくは 桃ジュース白
ワイングラスと共に提供された、ペアリングボックスを紹介します!
〜ワインに合う MOG Bistro 特製オードヴル〜
・自家製スモークサーモンと地場野菜のピクルスとクスクス
・鮎のコンフィのフリット焼きナス添え山椒風味
・地場野菜の柑橘マリネ
・甲斐甘み豚のコンフィ 黒にんにくとトリュフ風味のソース
MOG Bistro は甲府駅から徒歩3分にある、山梨県産の食材と山梨県産ワインをはじめ、こだわりのワインが堪能できるビストロです。さらに、塩山駅から徒歩1分にある WASHOKU 大澤 より、ルバイヤートワインを使った特製カラスミも提供されました。WASHOKU 大澤 は地産地消にこだわり、店主自ら厳選した食材を仕入れ提供する和食店です。

ルバイヤートの「R」マークが入ったテイスティンググラスは持ち帰り可能
「2011 ルバイヤートプティヴェルド 」とカラスミのペアリングを堪能
白壁前会場でのワインパーティーの様子歴史と趣きを感じる丸藤葡萄酒工業の敷地内には、カメラを向けたくなるスポットが至るところにあります。

1962年に導入され、現在も活躍する赤ワイン発酵用コンクリートタンクの前で
ワインは特別ヴィンテージ「2012 ルバイヤートシャルドネバレルセレクト」『いよいよコンサートが始まります!ドキドキしながら地下貯蔵庫へ移動』
ワインパーティーを満喫したあとは、ワイナリーコンサートが始まります!200名の参加者が移動中に混乱しないよう、整理券の番号順に地下貯蔵庫へと移動します。

「蔵コン」会場となる、1980年完成の地下貯蔵庫《画像は丸藤葡萄酒工業HPより》

右手に舞台が設置されている。開演が待ち遠しい
丸藤葡萄酒工業専務取締役、大村澄也さんの進行でコンサートが開演しました!舞台にはカラフルなワインボトルが配置され、ワイナリーならではの演出が施されています。続いて、大村代表の挨拶です。

「1986年に『東京駅でコンサートが開催された』というニュースを知りました。駅でコンサートができるなら、ワイナリーの蔵でコンサートするのも面白いかもしれないと思いつき、1988年から『蔵コン』を始めたのです。当時はまだ、国民一人あたり年間500ccくらいしかワインを飲まない時代でした。そんな『蔵コン』も、今回無事34回目を迎えることができました。
コロナが終息した後も、『地下貯蔵庫で開催して震災などが起きてはいけない』と、売店横のホールで60名ほどのお客様にお集まりいただき、小規模で開催していました。だけどやっぱり面白くないよね、ということで、今年、久しぶりにこの地下貯蔵庫に戻り、蔵コンを開催することができました。
200名の皆さんにご参加いただき、無事開催できましたことを大変嬉しく思います。今年の蔵コンは、募集から申し込みまでインターネットを駆使したり、塩山駅からワイナリーまでの無料運行バスを走らせるなど、新たな取り組みをおこないました。ルバイヤートワインの蔵コンは進化しています!
私どものワイナリーの近況も少しお話させてください。今まで発酵と貯蔵に使っていた18本の「グラスライニングタンク」を退役させ、新たに22本のステンレスタンクを導入しました。これにより、現場スタッフの仕事が随分楽になったと思います。これから益々美味しいワインができることを期待して随分借金をしてしまったので、皆さんどうか、応援をよろしくお願いいたします!
本日は、山梨県甲府出身の宮沢和史さん、ピアノの鬼武みゆきさんにコンサートにご登場いただきます。タイトルは『ふるさと山梨の音と香り…』。最後までゆっくりとお楽しみください!」
会場内は大村代表の話にドッと笑いが溢れたり、「社長ありがとう!」という声援が聞こえたりと、あたたかな雰囲気に包まれています。
いよいよ、宮沢和史さんと鬼武みゆきさんが登場しました!

はじめはギターを弾きながら、その後三線に替えて、1時間半の間に「島唄」「風になりたい」など代表曲を含め11曲が演奏されました。
宮沢和史さんは沖縄県立芸術大学の非常勤講師も務めています。沖縄の伝統的な弦楽器「三線」は、さおの部分に「くるち」という沖縄県産の黒木が使われています。「くるち」は生育が非常に遅く、成木になるまで、なんと100年以上もかかるそう。
「私は『くるち』の保存活動に取り組んでいて、実は今日コンサートが終わったらそのまま沖縄に飛んで、翌日みんなで『くるちの杜』の草刈りをするんですよ」。
宮沢和史さんは沖縄の辛い歴史について柔らかい言葉で語りました。その後演奏した「島唄」は、心がじんわりと熱くなり、今、生きていることへの感謝が湧き起こるような感覚を味わいました。
山梨県甲府市出身の宮沢和史さん。高校まで過ごした山梨について、こう語りました。「当時は早くミュージシャンとしてデビューしたくて、早く東京に行かなければ、ここはなんにもないから、と思っていました。でも、子どもが生まれてから気がついたんです。山梨は空気がキレイで、秋から冬になると月や星が手に届きそうなくらい近くにある。子どもの頃は当たり前だと思っていましたが、当たり前ではない大切なものが山梨にはあるのだと。山梨県民であることを誇りに思います」。
最後に、二人に「花束」ならぬ「ワイン」が贈呈されました。「我々も早く美味しいワインを飲みたいです!」と、大切そうにワインを抱える姿が微笑ましかったです。

今回の蔵コンは、丸藤葡萄酒工業の愛好者、さらには宮沢和史さんの支持者も参加し、ステージと客席が一体となり音楽を楽しむ様子が印象的でした。大村代表の言葉通り、天気は大きく崩れることなく、無事蔵コンは終了しました。
『まとめ』
2026年には35回目を迎える、丸藤葡萄酒工業のワインと音楽の融合イベント「蔵コン」。日本ワインのイベントとして、これほど歴史あるイベントはあまりないのではないでしょうか。
美味しいワインとオードブルを楽しめるワインパーティーと、アーティストの息遣いを感じる地下貯蔵庫でのコンサート。
蔵コンの魅力は、歴史と趣のあるワイナリーでワインと音楽を楽しめること、そして、丸藤葡萄酒工業のスタッフ全員の温かいおもてなしを体感できることです。
丸藤葡萄酒工業では、土曜、日曜、祝日に、随時ワイナリー見学を実施しています。ワイナリーを訪れれば、丸藤葡萄酒工業が歩んだ歴史を追体験することができますよ。
これから益々パワーアップする蔵コン。来年の開催が待ち遠しくて仕方ありません。今後の情報は、丸藤葡萄酒工業のHP、Instagramをぜひチェックしてください!

基本情報
| 名称 | 丸藤葡萄酒工業 |
| 所在地 | 〒409-1314 山梨県甲州市勝沼町藤井780 |
| アクセス | https://www.rubaiyat.jp/access/ |
| HP | https://www.rubaiyat.jp/ |

