北海道の北西部に位置する余市郡余市町。積丹半島にある沿岸部の町である余市町は、北海道随一のワイン用ぶどうの産地として知られている。近年は地元産のぶどうを使ってワインを造るワイナリーも増えてきており、2024年時点で18のワイナリーがある。
今回紹介するのは、町内で3番目のワイナリーとして2013年に誕生した「リタファーム&ワイナリー」だ。
リタファーム&ワイナリーを立ち上げたのは、余市町出身の菅原由利子さん。もともと輸入ワインのインポーターとして活躍していたが、かつて飲んだナチュールワインの美味しさに魅せられてぶどう栽培とワイン造りをする道を志した。
菅原さんがワイン造りを始めたのは、ナチュールワインが日本に普及するよりも前のこと。そのため、ナチュールワインは受け入れられないどころか、批判されることも多かったという。だが、自分が信じた道を突き進んできた菅原さんの思いは、やがて多くの人を魅了することとなったのだ。
リタファーム&ワイナリーが醸すのは、手に取りやすい価格のナチュールワイン。普段はワインを飲まない人にも日本ワインを飲んで欲しいとの思いから、価格設定には一貫してこだわってきた。
そんなリタファーム&ワイナリーの設立までのストーリーと、その後の軌跡、ぶどう栽培とワイン造りにおけるこだわりについて、醸造を担当する菅原さんに詳しく伺うことができた。北の大地で奮闘する女性醸造家の、内に秘めた思いを紹介していきたい。
『リタファーム&ワイナリー 設立までの道のり』
大のお酒好きという菅原さんだが、初めからワインに興味を持っていたわけではなく、むしろその逆だったというのだから驚いてしまう。かつて、ワインを飲んで頭痛がした経験をしたことがあるため、お酒を飲むのは大好きだが、ワインだけはダメだと思っていたそうだ。
「若い頃に、飲み放題で提供される安いワインを飲んで、ワインは体に合わないと感じていました。しかし、あるとき友人にすすめられたナチュールワインを飲んで、ワインに対する印象が大きく変わりましたね」。
友人が「騙されたと思って飲んでみて」とすすめてくれたワインはフランス産のナチュールワインで、シャルドネ100%のスパークリングだった。そのワインを飲んで、大いに驚いた菅原さん。味が美味しかったのはもちろん、具合が悪くなるどころか、お腹の調子までよくなったのだ。まるで化粧水が肌にすっと浸透するような感覚だったという。
これまで自分が飲んだワインとは全く違うと感じ、それ以降、すっかりナチュールワインに夢中になってしまった。
▶︎ぶどう栽培とワイン造りを志す
ナチュールワインの魅力を知った菅原さんは、ナチュールワインのみを取り扱うワインショップをオープンすることはできないかと考えた。だが、2010年頃といえば、日本ではまだナチュールワインは普及していないばかりか、濁りや澱(おり)があるワインに拒否反応を示す人も多かった時代だ。
当時、菅原さんはワインのインポーターとして働いていたため、国内外のワイン業界の状況を把握していた。そのため、ナチュールワインだけを販売するショップの経営は難しいだろいうと考えて断念した。だが、夢を諦めたわけではない。
「ワインショップは難しくても、何らかの方法でナチュールワインに関わりたいと思っていました。そこで、主人とも相談して、ナチュールワインを造るという方向に舵をきることにしました。人生は1回きりなのだから、好きなことをやろうと考えたのです」。
しかし、幼い娘たちを育てる若い夫婦にとって、夢を叶えるための道は決して平坦ではなかった。
「まずは事業に必要な資金準備をするところから始めました。子育てをしながら一生懸命働いて、主人ともすれ違いの日々が続きましたね。人生に疲れてしまい、これでは家族になった意味がないと話し合ったこともあります」。
くじけそうになりながらも、それでも夢を諦めきれなかったという菅原さん。そんな時間を夫婦で協力してなんとか乗り越えてきたからこそ、夢を叶えた今があるのだ。

▶︎故郷・余市でのぶどう栽培をスタート
ワイナリーを始めるとはいっても、菅原さんは当初、故郷である余市町でのワイナリー経営は検討していなかった。当時、長野や山梨などでは個人経営の小規模ワイナリーが誕生し始めていたが、北海道には大手のワイナリーがいくつかあるのみ。小さなワイナリーが誕生する土壌などない時代だったのだ。
「余市の家族や親戚に、ここでワイナリーをやりたいと話したこともあるのです。しかし、絶対に失敗するからやめろと、猛反対されてしまいましたね。そこで、余市以外の土地を探して全国をまわり、フランスのロワール地方まで足を伸ばしたこともありました」。
その後、菅原さんが土地を探していることを知った北海道のある自治体から誘致を受けたが、すすめられた土地は水はけが悪くぶどう栽培に向いていなかったために断念。そんな紆余曲折があり、最終的にたどり着いたのが、故郷である余市町だったのだという。
「結局、地元に戻ってきてしまいました。ワイナリーがある場所は余市の中でもぶどう栽培に特に適した土地だと感じているので、今は満足しています」。
余市でのぶどう栽培を決めた菅原夫婦だったが、2010年当時は札幌在住。また、畑の開墾をスタートさせたのと同じ時期に、なんと菅原さんの3人目の妊娠も判明したのだという。やろうと決めて始めたものの、産前産後は体の負担が大きく、もちろん上の娘ふたりの世話もあった。
「業者を雇うお金を節約するために、夫婦で畑の開墾を始めました。しかし、あまりにも大変で、10年間あたためていた夢を叶えようという気持ちが3日くらいでポッキリと折れてしまいましたね」。
リタファーム&ワイナリーの自社畑は、もともとりんご畑だった土地だ。そのため、大きく育った樹の抜根作業が必要で、人力では対応が難しかったのだ。結局業者に依頼したが、整地までには3か月もかかったという。

▶︎念願のワイナリーをオープン
畑の整備には想定以上に時間がかかったため、開墾が完了するよりも前に、注文しておいた苗が届き始めてしまった。そこで、整地が終わった区画から順に植え付けを始め、スペースが足りなかったものは仮植えして次の年に植え替えをすることに。
「今は個人でワイナリーを立ち上げる人が増えたので、経験者に話を聞いてしっかりと準備をすることができるようになったようですが、私と夫は参考にできるモデルケースもないまま、行き当たりばったりでとにかくやってみるしかありませんでした。今考えると手際が悪かった点もたくさんありましたね」。
なんとか植え付けを済ませて畑の準備は整ったものの、ワイナリーを建設するための融資は銀行から受けることができなかった。そのため、ぶどう栽培をしながら、自己資金を準備するために3年ほどかけて夫婦でがむしゃらに突き進んだ。
2013年にようやく念願のリタファーム&ワイナリーをオープンし、夢にまでみたナチュールワインを造り始めた。しかし、売れ行きは伸び悩み、お客様からクレームを受けることもあった。
「無濾過ワインなので澱(おり)が溜まっているのですが、ナチュールワインに馴染みのない方からクレームをいただくこともありました。なんとかワインを売ろうと、北海道物産展に出店して全国各地を回りましたね。しかし、物産展では海産物やスイーツばかりが人気を集めていて、ナチュールワインは見向きもされませんでした」。

▶︎アメリカでの販路を確立
その後、リタファーム&ワイナリーのワインが売れ始めるまでには、実に2年を要した。好転のきっかけは、アメリカのインポーターの目に止まったことだったという。
アメリカで販売するため、和食に合う日本ワインを探してたインポーターが、千歳空港の売店に卸していたリタファーム&ワイナリーのワインを購入して、輸出に興味はないかと声をかけてくれたのだ。
「北海道のワインをいろいろと試した中で、うちのワインを気に入ってくれたそうです。アメリカやヨーロッパで販売することはひとつのゴールだと考えていたので、ぜひお願いしますと即答しました」。
アメリカへの輸出手続きには少々時間がかかったものの、現地で好評を博したリタファーム&ワイナリーのワイン。日本のナチュールワインが、日本以外の地で評価されたのだ。その後、海外での評判を聞きつけた日本国内でも、少しずつ受け入れられるようになってきたという。

『リタファーム&ワイナリーのぶどう栽培』
リタファーム&ワイナリーが栽培している品種は、白ワイン用品種がシャルドネとソーヴィニヨン・ブラン、赤ワイン用品種がメルローとピノ・ノワールだ。
近隣にはドイツなど冷涼な地域が原産の品種を栽培する人が多い中、菅原さんは自分が好きなフランス系品種を栽培することを選択した。自分が飲みたいワインを造ることを決めたのは、自身が大のお酒好きである菅原さんらしい選択だ。
リタファーム&ワイナリーの自社畑の様子と、ぶどう栽培におけるこだわりに迫っていこう。
▶︎自社畑で栽培している品種
ワイナリー立ち上げ当初は、北海道らしいキレのある酸を生かした白ワインとスパークリングワインを主力商品にすることを決めていた菅原さん。
赤ワイン用品種であるメルローとピノ・ノワールは赤ワインとしてではなく、スパークリングワインの味わいに厚みを持たせる目的で使用するつもりだった。また、リタファーム&ワイナリーがぶどう栽培を始めた2010年頃は、温暖化の影響がそれほど進んでいなかった。そのため、メルローやピノ・ノワールを赤ワイン用として仕込めるほどの成熟は期待できなかったのだ。
だが、実際に栽培を始めてみると、嬉しい誤算があった。菅原さんの予想とは異なり、赤ワイン用品種がしっかりと熟したのだ。リタファーム&ワイナリーの自社畑は西向きと南向きの斜面に位置しており、周辺のぶどう畑に比べて1か月ほども雪解けが早いという特徴があるためだった。植栽から5年経った頃には、赤ワインとして十分に仕込めるまでにしっかりと熟した果実が収穫できるようになったという。
「初めはスパークリングワイン用として使っていたメルローやピノ・ノワールですが、赤ワインとして仕込んだところ、お客様にも好評でした」。
あえてフランス系品種を植えたことに対して、周囲からはさまざまな意見を聞くこともあったが、挑戦してみてよかったと話してくれた菅原さん。よいぶどうを栽培し、美味しいワインを造ったことで、自分の選択が間違っていなかったことを証明してみせたのだ。

▶︎ぶどう栽培と子育ては同じ
力を合わせ、3人の娘たちを育てながらワイナリーの立ち上げと経営を経験してきた菅原さん夫婦。
「ぶどうは、手をかけて愛情を注いだだけ応えてくれるので、なんてよい子たちなのだろうと思いながら栽培管理をしています。子育てとぶどう栽培の両方に言えるのは、細部にこだわりすぎず、手をかけすぎないのがコツだということでしょうか」。
状況に応じて柔軟に対応する姿勢を持ち、芯は強く持ちながらもガチガチに凝り固まってしないことが大切だと話してくれた。ワインは楽しいお酒なのだから、ちょっとゆるいくらいがちょうどよいのだ。
「畑に出ている時には、子どもを見守るような気持ちでぶどうを観察しています。ぶどうと対話していると、『水が欲しい』『葉が多すぎるから整理して』など、ぶどうが必要としていることがわかってきます」。
ただし、ぶどう栽培は自然相手の仕事だ。どんなに努力しても、日照りや長雨などの影響を完全に避けることはできない。また、ワイン醸造においても、野生酵母での発酵の状態は常に変化するため、人間がコントロールできない部分も大きい。
そんなときこそ、菅原さんが子育ての経験で培ってきた「なるようになる」という達観した心構えで乗り切る能力が効果を発揮する。リタファーム&ワイナリーの強みは、そんな「ゆるさ」だと明るく笑う菅原さん。
「私自身は思いついたらぱーっとつき進んでしまうタイプです。いろいろと取りこぼすので、主人やスタッフさん達が、ホウキとチリトリでかき集めてくれているといった感じでしょうか。私の思いつきやイメージを具体化して実行してくれる『総合プロデューサー』的な存在の主人には、いつも感謝しています」。
▶︎風通しのよい自社畑
リタファーム&ワイナリーの自社畑では、農薬などを使わず自然な方法でのぶどう栽培をおこなっている。だが、こだわりがあって農薬を使わないというわけではなく、必要に迫られての選択だったと菅原さんは話す。
「今はもう娘たちも大きくなりましたが、以前はぶどう畑を遊び場にしていました。週末は決まって、娘たちを畑で遊ばせながら夫婦でぶどうの手入れをしていたのです。子供の健康を考えて、農薬はできるだけ使用しないと決めていました。幸いにも、うちの畑は風の通りがとてもよいので、農薬を使わなくても健全なぶどうを栽培することができたのです」。
リタファーム&ワイナリーの自社畑は、その名も「風のヴィンヤード」。雨が降っても湿気がすぐに抜けてしまうほど強い風が常に吹き抜けるため、畑で蚊に刺された経験は全くないそうだ。斜面にある畑の標高は40mほどで。土壌は砂よりも細かい「火山灰質シルト」。水はけがよいのが特徴だ。
もともとりんご畑だった自社畑は、開墾時には肥料過多だったため、2〜3年間は施肥をおこなわず、無駄な栄養分を土から取り除く必要があった。その後、鶏糞などの肥料を少量使い、バランスのよい土壌として整えてきた。
また、鶏糞の他にも、近所の農家手作りの有機肥料も畑に使っているリタファーム&ワイナリー。ぶどうの搾りかすと余市の海のヒトデや貝殻など混ぜて作っているという肥料は、地球にも人にもやさしく、栄養たっぷりだ。

『リタファーム&ワイナリーのワイン造り』
続いて紹介するのは、リタファーム&ワイナリーのワイン造りについて。菅原さんはどんな思いを込めてワインを造っているのだろうか。
醸造する上で大切にしていることや、目指すワイン像について尋ねてみた。また、おすすめワインと一緒に味わいたい料理についても聞くことができたので、余すところなく紹介していこう。
▶︎体に染み渡るワインを造りたい
リタファーム&ワイナリーのワインは、造り手である菅原さん自身が美味しいと感じるワインだ。そもそも、ワイン造りに興味を持ったのは、かつて自分が飲んだナチュールワインに感動した経験がきっかけ。そのため、自分もそんなワインを造りたいと考えているのだ。
「私が最初に出会ったナチュールワインと同じように、体に染み渡る味わいのワインを目指しています。女性や、普段はワインを飲まない方にも味わっていただきたいですね」。
飲んだ途端にすっと染み込むような味わいを目指してワインを造る菅原さん。最も嬉しいのは、お客様からの「美味しい」という言葉だ。今までワインは苦手だったという人に気に入ってもらえると、ナチュールワインならではの魅力と素晴らしさへの確信が、さらに強くなるという。
醸造におけるこだわりは、細かいフィルタを使った過度な濾過はおこなわないことである。
「濁りにも旨味が含まれていると思うので、できるだけ残すようにしています。以前は北海道のワインは糖度が上がりにくかったため、フィルターをかけると薄くなってしまうと思っていました。しかし、最近はぶどうの熟度が上がってきたので、仕上がりによって濾過をするかどうかを決めています」。
ワインを造る上でも、ぶどう栽培におけるのと同じく、柔軟な姿勢で取り組むリタファーム&ワイナリー。ワインの状態に合わせて最適な方法を模索していく。

▶︎おすすめ銘柄の紹介
リタファーム&ワイナリーからリリースされているワインの中で、おすすめの銘柄を教えていただいた。
「あまり押し付けがましいのは好きではないので、お客様から尋ねられた時には、普段どんなワインを好んで飲んでいるのかを確認した上でおすすめしています。特に人気の商品は、ピノ・ノワールのワインですね。イギリスでおこなわれた国際ワインコンクールで銀賞を受賞しました」。
銀賞を獲得したのは「風のヴィンヤード ピノ・ノワール 2019」である。余市はピノ・ノワールの栽培が盛んな土地だが、面白いことに、ピノ・ノワール100%のワインは同じ余市町内のものでも造り手の個性が表れやすい。リタファーム&ワイナリーの「風のヴィンヤード ピノ・ノワール 2019」は、女性的なニュアンスがあるのが特徴だ。
おすすめのペアリングは紫蘇やゴーヤ、山菜など、濃い味わいでややクセのある風味の野菜類。「風のヴィンヤード ピノ・ノワール 2019」を合わせることで、よりいっそう風味が増すのが感じられる。
また、同コンクールで銅賞を獲得した「風のヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2021」は、白ワイン好きである菅原さん自身も好きな銘柄だという。
リタファーム&ワイナリーのソーヴィニヨン・ブランは、年ごとに仕上がりが大きく異なる。トロピカルな味わいや草の香りのようなニュアンスなど、年ごとの気候をしっかりと映し出し、リタファーム&ワイナリーの畑を象徴する味わいとなっている。
「風のヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2021」は、野菜の旨みとともに味わうのがぴったり。北海道産のジャガイモやフレッシュチーズを使った料理と合わせて楽しみたい。

▶︎手に取りやすいワインを
ファッションと同じように、ワインにもトレンドがある。年ごとに流行るスタイルを少しずつ取り入れることも大切だと語る菅原さんだが、実は最もこだわっているのは「価格」だ。
リタファーム&ワイナリーのワインの主な価格帯は2,000円前後。日本ワインとしては購入しやすい価格だろう。
「価格を上げないように努めています。日本ワインは少し高いですよね。私自身、3,000円以上のワインを買うのには勇気がいると感じることがあるので、手に取りやすい価格にしているのです」。
だが、個人経営のワイナリーが低価格でワインを提供するためには、並々ならぬ努力と工夫が欠かせない。リタファーム&ワイナリーが採用しているのは、自社栽培のぶどうだけではなく、地元産の生食用ぶどうを使ったワインも数多く造る方法だ。
小規模ワイナリーながら、年間醸造量は実に35,000本。また、主流商品の価格を酒販店や飲食店がリピート買いしやすい価格設定にしていることも工夫のひとつだという。
自らがワイン好きで、かつてはワインの流通に携わっていた経験と感覚を生かし、手に取りやすいワインを造って多くの人にワインの魅力を伝えている。

『まとめ』
ワイナリー名を決めるにあたって、自分たちの名前を付けることは避けたという菅原さん。自分たちの名前や顔をワインに結び付けるのではなく、むしろワインにひとり歩きしてもらいたいと考えたのだ。
リタファーム&ワイナリーの「リタ」とは、ニッカウヰスキー創業者の妻である「竹鶴リタ」さんのこと。実は、菅原さんたちのワイナリーのすぐ前にある畑の以前の持ち主は、竹鶴夫妻と生活を共にし、ドラマ「マッサン」の脚本作りにも協力していた人物だという。
「90歳になるおじいちゃんは、竹鶴夫婦に可愛がられて5年間一緒に暮らしていたそうです。おじいちゃんを大層可愛がってくれたという竹鶴リタさんのお話をたくさん聞いて共感を持ち、余市を象徴する女性の名前でもあるので、ワイナリー名としてお借りしました」。
リタファーム&ワイナリーでは、以前からワインだけでなくビールも醸造していたが、2024年からはグラッパ、ウイスキー、ブランデーの醸造もスタートさせた。日本におけるウイスキーの聖地でもある余市で、女性醸造家が活躍するワイナリーがウイスキー造りに乗り出すことには、やはり何かの縁を感じてしまう。
さまざまな種類のお酒を造ることで、地域を盛り上げることにも貢献していきたいと考えているリタファーム&ワイナリー。人が集まる場を作り、日本ワイン業界全体の発展にも貢献していく心づもりだ。
何よりも自分自身が美味しいと感じるワイン造りを追求し、夫婦ふたりでこれからも歩んでいくリタファーム&ワイナリー。菅原さんが醸すワインを口に含めば、包み込まれるようなおおらかさとあたたかさ、北海道の大自然が育んだ滋味深い美味しさが感じられるだろう。

基本情報
名称 | リタファーム&ワイナリー |
所在地 | 〒046-0002 北海道余市郡余市町登町1824番 |
HP | http://www.rita-farm.jp/ |