日本のワイナリーの皆様へ:第2回 「サロン・デ・ヴァン・ジャポネ」開催 岩﨑元気氏

皆様、こんにちは。今回は「サロン・デ・ヴァン・ジャポネ」を主宰する岩﨑元気氏より、日本のワイナリーの皆様に向けてのメッセージをお届けします。

岩﨑さんはフランスで7年間ワイン造りを学び、2024年に帰国。現在は地元である栃木市大平町にて、ぶどう栽培・ワイン醸造を手がけています。また、2023年11月には、日本ワインに特化した試飲会「サロン・デ・ヴァン・ジャポネ」をフランス・ボーヌで開催。史上初となる日本ワイン専門の試飲会に、現地の愛好家とプロフェッショナル450名が詰めかけました。

2025年2月9日には「第2回 サロン・デ・ヴァン・ジャポネ」を開催し、日本全国から50軒のワイナリーが出品。提供されたワインは139種で、会場には約600名が来場して大成功を博しました。初回を上回る規模での開催であり、現地メディアの注目度も増したことから、「日本ワインが世界へ進出する大きな一歩になりました」と、大いに手応えを感じているそうです。

それでは、岩﨑さんからの熱いメッセージをお楽しみください。

『サロン・デ・ヴァン・ジャポネの根底にあるもの』

岩﨑さんを突き動かすのは、日本ワインの未来に対する、ある種の危機感だ。「国内消費だけではなく輸出に目を向けることが、日本ワインが生き残っていく道」だと言う。

▶︎日本ワインの生き残りをかけて

「国内市場を軽視しているわけでは、決してありません。しかし、日本の人口は減り続けているため、飲み手が少なくなってくることは疑いようもない事実です。さらに、若者のアルコール離れが進んでいることも、国内のアルコール消費の減少に拍車をかけています。そのため、日本ワインが生き残るためには、輸出量を増やすことも視野に入れていく必要があるでしょう」。

日本ワイン産業を発展させることは、日本の農業を守ることにもつながると話す岩﨑さん。

「輸出に目を向けることは、日本の農村風景を守ることにも繋がります。私はぶどう農家の出身ですので、『ぶどう畑のある風景をどのように守っていくか』ということを考えた時に、日本のワイン産業を発展させることが、結果的に日本の農業を守ることにもつながると考えているのです」。

日本ワインを盛り上げ、国外における立ち位置も明確にしていくことで、「日本の農業を守る」ことの助けにもなりたいという切実な思いが、サロン・デ・ヴァン・ジャポネ開催の根底にあるのだ。

▶︎フランスが有する「日本を受け入れる『素地』」

岩﨑さんは「フランスには、日本ワインを受け入れる『素地』がある」と話す。フランスにはすでに多くの日本文化が溶け込んでいるからだ。

「フランスには、日本の映画や漫画、ゲームといったジャパニーズ・カルチャーが深く浸透しています。日本文化はとても身近な存在なのです」。

フランスに受け入れられているのは、ポップカルチャーだけではない。日本が誇る「食文化」も着実に浸透してきた。寿司をはじめとする和食は人気が高く、ジャパニーズ・ウイスキーの人気はすでに確立されている。また、日本酒もパリを中心に広がりを見せているそうだ。

「日本文化に親しんできたフランスに『日本ワイン』という新しい選択肢を提案した時から、抵抗なく受け入れられるだろうとの期待はありました。第1回開催時から感じていた手応えが、今回さらに確かなものになりましたね」。

『サロン・デ・ヴァン・ジャポネの役割』

サロン・デ・ヴァン・ジャポネは、単なる「フランスでおこなわれる日本ワイン試飲会」ではない。岩﨑さんは、サロン・デ・ヴァン・ジャポネが担う役割を3つ挙げた。

1.  日本ワインのPRと輸出の促進
2.  日本ワインに対するフランス人の意見を聞く機会の創出
3.  参加した日本のワイナリーによる現地ワイナリーの視察

「PRと学びが半々というのが、非常に大きなポイントです。日本ワインの輸出を促進するための足がかりであると同時に、本場の飲み手からフィードバックを受け、自らのワイン造りを見つめ直すための貴重な機会です」。

▶︎「たったひとりのフランス人の意見」に左右されていないか

第2回 サロン・デ・ヴァン・ジャポネの来場者は、約9割がフランス人だった。半数が一般のワイン愛好家で、残り半数はプロフェッショナルという内訳だ。プロにはブルゴーニュのドメーヌ関係者が多く、ソムリエやワインショップのバイヤーなども含む。

さまざまな立場の人に日本ワインに触れてもらうことが、イベント開催の目的のひとつだ。

「フランス人ワインジャーナリストに、自社ワインを飲んでもらったら酷評されてしまった」という経験から輸出に前向きになれない生産者が複数いるが、それはとてももったいないことだと岩﨑さんは語る。

「有識者の意見は受け入れるべきですが、6,000万人いるフランス人のうち、たったひとりの意見を鵜呑みにして輸出を諦めるのは残念なことです。評価者の立ち位置によって、ワインの評価は異なります。また、提供するシーンが星付きのフレンチレストランなのか、街のビストロなのか、あるいは和食店なのかなど、ターゲットによって求められるワインは全く違うのです」。

仮にたったひとりに酷評されたとしても、自社ワインが「刺さる」場所は必ずあるはずだ。「パリの自然派ワインバー」など、ピンポイントで狙えば道が開ける可能性は十分にあるだろう。サロン・デ・ヴァン・ジャポネが、そんな造り手たちに勇気を与えるものになるはずだと岩﨑さんは確信している。

一方で、サロン・デ・ヴァン・ジャポネの評価を絶対視することに対しては、岩﨑さんは注意を促す。開催地がブルゴーニュであったため、あくまでも「ブルゴーニュやリヨン周辺の人々の嗜好」を反映した評価となっているからだ。

「例えば、より濃いワインが好まれると思われるボルドーなどでは、ブルゴーニュのワインですら『薄い』と言われることもあるでしょう。そのため、軽やかな日本ワインは好まれない可能性もあるのです。輸出するにあたっては、地域差を踏まえた戦略が必要となるでしょう」。

『フィードバックデータから読み取る、日本ワインの可能性』

サロン・デ・ヴァン・ジャポネでは、来場者に「コメントシート」を配布し、各ワインへのフィードバックを求めた。さらに、「美味しかったワインにチェックを入れる」というシンプルな形式を加え、「お気に入りポイント」による定量化も試みた。

「半数は一般の愛好家のチェックなので、コンクールとは異なり『個人的な好み』が反映されている点には注意が必要です。しかし、ワインの国でワインに慣れ親しんだ人たちの『生の声』として、参考になるデータだと言えるでしょう」。

フィードバック結果を分析し、今後の日本ワインの方向性を決める上で極めて重要なポイントを多数見つけることができたということなので、ぜひとも紹介したい。

▶︎一番人気の品種は「マスカット・ベーリーA」

ひとつ目は、「お気に入りポイントの数」から判明した、「人気の品種」とその傾向についてである。

「サロン・デ・ヴァン・ジャポネ実施前は、『日本品種のワインでは世界には通用しない』という意見や、逆に『ヨーロッパに出すなら日本品種を使うべきだ』と、参加ワイナリーから様々な意見が出ました。しかし、集計結果から分かった『一番人気の品種』はなんと、マスカット・ベーリーAだったのです」。

さらには日本品種だけでなく、アルバリーニョやピノ・ノワールなど、ヨーロッパ系品種のワインも高く評価されていた。結局のところ、日本品種であれヨーロッパ系品種であれ、「美味しいものが評価される」ということなのだろう。

▶︎ブルゴーニュ周辺には「フォクシーフレーバー」という概念は無いか

続いて、ナイヤガラ、デラウェア、スチューベンなどのアメリカ系品種が持つ「フォクシーフレーバー」への興味深い分析結果を紹介する。

「フランス人には、そもそも『フォクシーフレーバー』という概念が無いようですね。過去2回開催したサロン・デ・ヴァン・ジャポネのフィードバック結果としては、『フォクシーフレーバー』という言葉はほぼ出てきませんでした。アメリカ系品種が持つ特徴的な香りの要素は、ブルゴーニュ、リヨン周辺エリアでは恐れる必要はないと言えそうです」。

フォクシーフレーバーといえば「マイナス評価」を思い浮かべるかもしれない。しかし、フランスにおいては、むしろ「面白い個性」として好意的に受け入れられる傾向が強かった。

「そもそもフランスには、『ナイヤガラ』などの品種はありません。『知らない品種』だからこそ、面白いと思ってもらえるのです。フォクシーフレーバーを過剰に恐れず、個性として打ち出していく視点を持ってよいのだと、日本の造り手の皆さんに伝えたいですね」。

美味しいものが正当に評価されるという結果は、品種だけでなく産地にも表れたという。高く評価されたワインの生産地域は日本全国にわたり、「日本ワインといえば◯◯エリア」といった、特定の地域に偏る結果ではなかったのだ。

以上のことから、「それぞれの土地ならではの美味しいワインを造る」という基本姿勢が、フランスでは正しく評価されることが再確認できた。

▶︎甲州の評価と、ペアリングの重要性

ここで、日本品種の代表格である甲州について触れておこう。今回のような試飲会形式では、甲州のポテンシャルが発揮されにくかった可能性があると岩﨑さんは分析する。

「甲州ワインは過小評価されてしまったかもしれません。甲州には『和食と合わせる』という強みがありますが、ワインだけを飲む試飲会形式のイベントでは、強みを発揮できなかったのではないかと考えています」。

実際にフランスなどへ輸出が決まる日本ワインには、甲州品種が多いそうだ。甲州への評価が高いのは疑いようもない事実である。また、2017年からパリで開催されているフランス人のための和酒コンクール「Kura Master(クラマスター)」においては、2025年から日本ワイン部門が新設され、対象品種が甲州に定められた。パリにおいては今後さらに、「日本ワインといえば甲州」というイメージが確立していく可能性があるだろう。

『多角的な分析で、課題を解決に導く』

サロン・デ・ヴァン・ジャポネのフィードバックデータの分析は、日本におけるワイナリーのビジネス戦略においても重要な気付きがあったという。

「小売価格」と「お気に入りポイント」における相関分析から、日本のワイナリーが抱える課題を見ていこう。

▶︎日本での評価とフランスでの評価は異なる場合もある

データ分析の結果判明したのは、日本での小売価格とフランス人が気に入ったワインとの間には、明確な相関関係が見られなかったという点だ。

「日本で日本ワインの試飲会をおこなうとき、来場者はワインの値段を知っていて、「これはあの高いワインだな」などと思いながら飲まれることもあると思います。フランスではほとんどの日本ワインは知られていないため、先入観なく飲んでもらえたのだと感じています」。

日本での評価と販売価格の影響を受けず、現地の人が試飲したワインの中で「お気に入りポイント」を最も多く獲得したワインは、日本での小売価格が4,000円台のワインだった。この結果は、各ワイナリーが自社ワインの客観的な立ち位置を知る上でも参考になりそうだ。

例えば、日本で評価されている高価格帯ワインでも、フランスでは販売価格を下げる必要が出てくるかもしれない。エチケットデザインを変更するなどの戦略や、輸出ワインとしては他の銘柄を打ち出すという判断が有効な場合もあるだろう。

反対に、日本では購入しやすい価格帯で提供しているが、フランスへの輸出時には価格を上げられるワインもありそうだ。

「第2回サロン・デ・ヴァン・ジャポネ報告書」より。「お気に入りポイント」は各ワイナリーに個別に伝えられる

▶︎よいものを高く売ることは社会貢献である

岩﨑さんは、日本では「清貧」を良しとする価値観が根強いのでは、と語る。

「日本では、よいものを安く提供することが美徳であるという考えが根強いのではないかと感じます。フランスの人が高く評価したワインには、2,000円台のものもありました。本当にこの価格が妥当なのか?と疑問を持ってしまいます」。

販売価格が安くても高い評価を得ているワインの場合、価格を上げることで利益率をアップできる。ワイナリーの利益が増えれば雇用や設備投資に回すことができ、さらに日本の経済を回すことにもつながる。

「自社ワインを正当な価値で販売することで、納税額も増やせます。つまり、日本という国全体の利益になるのです」。

美味しいワインを造るだけでなく、価値を適正に価格に反映させ、経済を回すことこそが、社会をよりよくし、持続可能なワイン造りにつながる。つまり、よいものを高く売ることは社会貢献なのだと岩﨑さんは力説する。

『日本ワインならではの魅力を読み取る』

次に、サロン・デ・ヴァン・ジャポネのフィードバックデータの中から、「アルコール度数」に着目してみたい。

データからは、ワイン造りの技術的な側面に関する仮説が浮かび上がった。アルコール度数とワインの評価に関する関係と、低アルコールワインの可能性に触れていこう。

変化するフランスの食文化と共に、日本ワインがフランスにおいて市場を開拓する可能性を探っていく。

▶︎アルコール度数に対する固定観念

フィードバックの結果から、アルコール度数と「お気に入りポイント」にも相関は見られなかった。また、来場者のコメントでも、アルコール度数に言及している例は少なかった。つまり、アルコール度数はワインの評価においてそれほど重要視されていない可能性が浮上したのだ。

例えば、仕込んだワインのアルコール度数が10%未満の場合、そのままリリースできないと感じる造り手もいるだろう。しかし、補糖してアルコール度数をどこまで上げるかというのは悩ましい問題だ。

しかし、今回の結果を見る限り、アルコール度数を高めることは必須ではないと読み取ることができそうだ。一定以上のアルコール度数にしなければという固定観念から解放された場合、収穫タイミングの判断や補糖の有無など、ワイン造りのアプローチ自体が変わってくることもあるのではないだろうか。

▶︎軽やかなフランス料理と、日本ワインの親和性

岩﨑さんは、近年のフランス料理の劇的な変化にも言及する。この変化こそが、日本ワインがフランス市場に受け入れられるための鍵になるかもしれないというのだ。

「かつてのフランス料理は、バターやクリームを多く使う、こってりと重い味わいの料理でした。しかし最近は、和食の影響を大きく受けて、フランス料理自体が和食化しているという話もよく聞きます」。

星付きのフレンチ・レストランでも、前菜に抹茶の風味を足したり、海藻で旨味を加えたり、メイン料理に味噌を使ったりといったアプローチが珍しくなくなってきた。オーセンティックなレストランでも見られる傾向だという。「苦味」「旨味」といった和食特有の要素がフランス料理に取り込まれてきているのだ。また、調理に使用する油分が減ったことから、全体的に軽やかな味わいになってきた。

「一方で、フランスのワインは以前よりも『重く』なっています。温暖化による影響で冷涼感が薄れ、ボディや果実感が強くなっているのです。その結果、軽やかな料理と重い味わいのワインに、ミスマッチが生まれてきました」。

この問題を解消するために、フランスでは工業的に脱アルコール処理を施したワインも生まれつつある。日本ワインが選ばれる可能性が、まさにここにあるのだ。

「日本ワイン特有の、軽やかでアルコール度数も低めという特徴こそが、実は強みになりうるのです。『軽やかなフランス料理に合う日本ワイン』を提案できるチャンスを、ぜひ生かしていきたいですね」。

『現地に参加するからこそ得られる貴重な体験』

サロン・デ・ヴァン・ジャポネがおこなったのは、データを活用した日本ワインのマーケティング分析だけではない。現地でのリアルな交流が、日本から参加したワイナリーに意識変革をもたらしたことも大きな成果だった。

▶︎現地で学び、刺激を受ける機会を提供する

現地に赴いてサロン・デ・ヴァン・ジャポネに参加したワイナリーは、イベント終了後、ブルゴーニュの有名ドメーヌを視察できるというたいへん貴重な機会が得られる。

「ブルゴーニュの有名ドメーヌは、通常は訪問予約が取れません。世界中から訪問希望が殺到するからです。しかし、『日本から造り手が勉強に来ます』とアポイントを依頼したところ、快く受け入れてもらえました」。

造り手同志の絆が、国境を越えた学びの機会を生み出した。本場の哲学や技術に触れることは、日本の造り手にとって大きな刺激となったことだろう。フランスにて7年もの間ワイン造りを学び、生産者との交流を大切にしてきた岩﨑さんがアテンドするからこそ体験できることだ。

▶︎現地参加のワイナリーの方がフィードバックを多く得られる

第2回 サロン・デ・ヴァン・ジャポネでは、現地に赴いて参加したワイナリーと、ワインのみを送付したワイナリーがあったが、両者に対するフィードバック数の違いに大きな開きがあったという。

「来場者は、実際に造り手と対話することで、ワインに対する印象をより強くしたのだと思います。ワインのコメント数を見ても、ブースを出しているワイナリーの方が圧倒的に多くのフィードバックを得られていました」。

各ブースには、ブルゴーニュ在住の日本人通訳が配置された。ワイン関係者が多い土地柄上、専門用語も的確に通訳が可能だったため、ワイナリーの信念や哲学を正しく伝えられたという。

「せっかくワインを出品していただいたのに、有益なコメントを得られなかったワイナリーに対しては大変申し訳なく思っています。この点は大きな課題として、次回以降に生かしていきたいです」。

『サロン・デ・ヴァン・ジャポネのこれから』

第2回の開催も成功をおさめたサロン・デ・ヴァン・ジャポネ。第3回は、2027年の開催を予定している。開催時期についても検討を重ねているそうだ。

第1回は11月、ボーヌの一大イベントであるワイン祭り「栄光の3日間」の直前に設定し、世界中から集まるインポーターやソムリエへのアプローチを狙ったところ、狙い通りの最適な客層が集まった。

続く第2回は、日本の造り手が参加しやすいことを優先して、2月に設定した。今後も引き続き、日本のワイナリー関係者が参加しやすい2〜4月頃の開催を考えているそうだ。

▶︎日本政府の施策にも注目

日本ワインの未来のために輸出は不可欠だが、個々のワイナリーにとっては輸出のハードルが高いことも十分に理解していると話す岩﨑さん。日本政府も日本ワインの発展を後押ししようと動いているので、国税庁の取り組みにも注目していきたい。

「国税庁が主催している『「日本産酒類輸出促進コンソーシアム(SAKE-CONSO)」』というポータルサイトがあります。登録すると定期的に海外の展示会の案内などが送られてきます。日本の全ワイナリーが登録すべき、有益なポータルサイトですので、ぜひ活用していただきたいですね」。

政府が提供するサポートも最大限に活用し、輸出に向けた具体的な行動を起こす助けにしたい。

また、これからは「みんなで力を合わせて強くなる」という発想が絶対に欠かせないと岩﨑さんは言う。例えば、行政単位で取り組み、各ワイナリーが切磋琢磨し、地域全体でプロモーションをおこなっている北海道・余市のような取り組みが必要だ。産官学が力を合わせ、地域でブランドを確立する動きを加速していくべきだろう。個々のワイナリーの努力だけでなく、地域と産業全体で連携し強くなっていくことが、持続的な発展の鍵となる。

「長期的な発展のためには、環境・社会・経済の全てが連携しなければなりません。環境や社会への配慮は受け入れられやすいですが、各企業が持続可能な経営をおこなうことも、SDGsの達成のためには不可欠であると考えます」。

『まとめ』

フランス・ブルゴーニュというワインの本場で、日本ワインの可能性を証明した「第2回サロン・デ・ヴァン・ジャポネ」。岩﨑さんの情熱と戦略的な視点は、今の日本ワインが抱える課題と、日本ワインならではの唯一無二の強みを明確にした。

第2回 サロン・デ・ヴァン・ジャポネの報告書は一般公開可能だ。また、詳細なデータを見たいというワイナリー関係者は、ぜひ岩﨑さんに直接連絡していただきたい。

「みんなで知見を共有し、日本ワインを盛り上げていきたいと考えています。今後は輸出も視野に入れて、力を合わせて動いていきましょう」。

日本ワインの未来は明るい。


「Terroir.media」は、これからも日本ワインの普及を目指して、日本全国のワイナリーの紹介記事を掲載して発信していきます。
今後の記事もどうぞお楽しみに!

関連記事

  1. ワイン造りを技術・環境面で支え、コンサルティングで日本ワインの質を底上げする『MOTHER VINES(マザーバインズ)』

  2. 日本ワインを愛するすべての人に届けるサービス「日本ワインにしよう」主宰 宮坂佳奈氏

  3. feel terroir!日本ワインを味わってみよう!『了美 vineyard & winery』「ゼフィール シャルドネ 2020」〜上品な樽香が華やかな場面を演出してくれる白ワイン〜

  4. feel terroir!日本ワインを味わってみよう!『サンクゼールワイナリー』「長野ルージュ2018」~メルロー主体のまろやかなブレンドワイン~

  5. 特集記事:発表!!SNS別反応数ランキング~Instagram編~

  6. 日本のワイナリーの皆さまへ:日本ワイナリーアワード協議会 代表理事・審議委員長 遠藤利三郎氏インタビュー