「サントリー登美の丘ワイナリー」見学ツアーが、本日9月19日からリニューアルされるとのことで、事前開催された見学ツアー体験会に参加しました。
「良いワインはよいぶどうから」の理念のもと、100年以上にわたり日本の風土と向き合い、ぶどう栽培・ワイン造りに真摯に取り組むサントリー。「サントリー登美の丘ワイナリー」は、自然の恵みとワインのおいしさを体験できるワイナリーとして、2022年より「すべては畑から」のコンセプトのもと立ち上がったブランド「SUNTORY FROM FARM」の魅力を伝え続けています。
今回リニューアルした見学ツアーのポイントは3つ。
①新たに建設された「FROM FARM醸造棟」を見学できる
②区画ごとに分かれた畑の特徴を体感できる
③畑から醸造・熟成までの一連のワイン造りの工程を体感できる
2024年9月より建設開始、今年9月からいよいよ本格稼働する「FROM FARM醸造棟」。時期によっては醸造作業の様子も見られるかもしれません。詳細はサントリー登美の丘ワイナリー公式HPをぜひチェックしてください!
それでは、サントリー登美の丘ワイナリー見学ツアー体験会の様子をご紹介します!
『JR「甲府駅」より車で約30分。金・土・日・祝日限定で無料シャトルバスが運行』
サントリー登美の丘ワイナリーは、JR中央本線「甲府駅」から車で30分ほどのところにあります。金・土・日・祝日には、甲府駅南口より無料シャトルバスが運行されるので、アクセスも便利です。
緩い傾斜にぶどう畑が点在し、その先に登美の丘ワイナリーがありました。お天気に恵まれ、目の前に広がるぶどう畑と甲府盆地、さらには富士山がお出迎えしてくれました。


『眺望台からの美しい眺めとぶどう畑を見学』
案内係の鈴木さんの誘導で専用バスに乗り、まずはワイナリーの敷地内で一番高い場所にある眺望台へと向かいます。眺望台の標高は600m。眼下に美しいぶどう畑が広がります。

▶︎約50区画に細分化された自社畑を管理
鈴木さんは、テロワールについて、ぶどうの仕立て方の違いについてなど、ぶどう栽培とワイン造りに関する話を丁寧にわかりやすく説明します。
登美の丘ワイナリーのぶどう栽培のこだわりとして「畑を約50の区画に分けて管理する」という取り組みがあります。斜面の向きや角度、標高、土壌など、複雑な地形が生み出す特徴をデータ化し、区画ごとに適した品種を見極め、区画ごとに栽培方法にも工夫を凝らし、栽培家は日々ぶどうと向き合っています。
▶︎プティ・ヴェルドの畑
眺望台から降りてすぐに広がるプティ・ヴェルドの畑を見学しました。夜の気温がぐんと下がる10月以降に成熟期を迎えるプティ・ヴェルドは、登美の丘の気候に合い、近年品質が向上し、登美の丘が期待する主力品種として成長しています。

「SUNTORY FROM FARM」ブランドの中でも最高峰のワイン「シンボルシリーズ」に君臨する「SUNTORY FROM FARM 登美 赤」は、プティ・ヴェルドが主体となり、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドされています。
プティ・ヴェルドを日本で栽培する利点は、晩熟で強い風味を持つこと。雨の多い日本の気候でも充分な強さを発揮し、登美の丘の気候にも合っています。
新ヴィンテージ「SUNTORY FROM FARM登美 赤 2021」は販売先限定で発売中。ぜひチェックしてください!
サントリー登美の丘ワイナリーでは、プティ・ヴェルドの他に、タナ、マルスランなど暑さに強い品種も順調に生育しているとのこと。今後の「シンボルシリーズ」にも期待が高まります。

▶︎メルローの畑
小道を挟んで反対側にはメルローの畑が広がっています。
現在、早熟タイプのメルローとシャルドネを「副梢栽培」で栽培しているサントリー登美の丘ワイナリー。副梢栽培とは、その年に主枝となる「新梢」の芽を摘み、その後生まれる「副梢」をあえて活かす栽培方法のこと。ぶどうの成熟期を涼しい晩秋に遅らせることができ、ぶどうの色付きも格段によくなったそう。
副梢栽培は粒が小さくなるために収穫量が減り、「新梢」の芽を切るなどの手間もかかるけれど、品質はかなりよくなっていると鈴木さんは自信を持って話してくれました。
副梢栽培の特許を持つ山梨大学と共同研究しながら、気候変動にも果敢に挑戦し続けるサントリー登美の丘ワイナリー。「SUNTORY FROM FARM 登美 赤 2021」では、初めて副梢栽培のメルローがブレンドされています。「SUNTORY FROM FARM 登美 赤 2021」がますます楽しみですね。


成熟のスピードの違いがわかる
▶︎甲州の畑
バスに乗り込み、続いて甲州の畑へと向かいます。
昨年開催された「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード2024」において、「SUNTORY FROM FARM 登美 甲州 2022」が世界のワインのTOP50に入る「BEST IN SHOW」を受賞したことは、記憶にも新しいのではないでしょうか。

糖度が上がりにくい品種といわれる甲州。「甲州の良さを活かしながら凝縮感を高めることが、世界の白ワインと肩を並べる鍵だ」と研究を重ねてきたサントリー登美の丘ワイナリー。
「世界品質の甲州を生み出す」ことを目指し、適した圃場を選び、2015年から山梨県選抜の「高糖度が期待されるクローン」を植樹。区画によっては垣根仕立ても採用し、さまざまな取り組みに挑戦しました。
2023年、サントリー登美の丘ワイナリーは甲州で初めて糖度20度を達成し、無補糖での醸造に成功。和柑橘の香りだけでなく、メロンなど多彩な果実や花、スパイスなどの複雑で上品な香りを放ち、甲州の渋さを持ちながらもエレガントな質感と余韻あるワイン「SUNTORY FROM FARM 登美 甲州 2023」が誕生したのです。
「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード2024」にて「SUNTORY FROM FARM 登美 甲州 2022」が「BEST IN SHOW」を受賞したことで、長きにわたり受け継がれたサントリーのものづくりの精神が、世界で花開きました。
新ヴィンテージ「SUNTORY FROM FARM 登美 甲州 2023」。ぜひサントリー公式HPをチェックしてください!

樹齢47年の古木の甲州を労いながら紹介する案内係の鈴木さん
『いよいよ新醸造棟 FROM FARM醸造棟へ』
ふたたびバスに乗り、いよいよこの秋から醸造が開始される「FROM FARM醸造棟」を見学します。


FROM FARM醸造棟に入ると、階段の両サイドにはタンクがずらりと並んでいました。FROM FARM醸造棟には、繊細な温度調整が一機ごとにオート制御可能な小容量サーマルタンクが26台置かれ、ぶどうの個性を最大限に活かした多彩な原酒の造りわけが可能になりました。タンクは最大40台まで設置可能とのこと。
また、新たにPAI型のプレス機を日本でいち早く導入し、搾汁後すぐに果汁を冷却し、酸化を防ぎ、クリーンかつ果皮にやさしい果汁を獲得することができます。

階段を昇ると、ガラス張りの解放的な空間の、床にはタンクの蓋が並んでいるという不思議な光景が広がっていました。

なんと、タンクの蓋の先にはエレベータが設置され、階下で圧搾されたぶどうがエレベータで運びこまれ、ポンプを使わずにタンクへとやさしく運ばれる仕組みになっていたのです。

ぶどうとワインを丁寧に扱う、サントリーのワイン造りの思想に基づいたアクションのことを「ジェントルハンドリング」と表現するサントリー。FROM FARM醸造棟では究極の「ジェントルハンドリング」が実現し、高品質な果汁が得られ、ぶどうに合わせた最適な仕込みが実現し、酸素接触を低減した瓶詰めが可能になります。
『歴史を感じる熟成庫へ』

見学ツアーのしめくくりは熟成庫へ。暗くて湿度をしっかり保てる場所に建てようと、1950年代に山をくり抜いて建てられた歴史ある熟成庫です。

一歩足を踏み入れるとひんやりとしてまさに別世界。湿度がしっかりと保たれている証拠に、壁にはカビがアートのように生えています。225ℓのフレンチオーク樽がずらり。この日は、これからの醸造シーズンに備えて樽の入れ替え作業が行われていました。
たわわに実ったぶどうを見ながら登美の丘のテロワールを体で感じ、最新の設備が整う醸造棟と歴史を感じる貯蔵庫を見学。盛りだくさんの見学ツアーを満喫しました。
『お楽しみのテイスティングタイム』
今回の体験会の最後は、お楽しみのテイスティングタイム。今回テイスティングしたワインはこちら。

SUNTORY FROM FARM 登美の丘 赤 2022 /SUNTORY FROM FARM 登美の丘 甲州 2023
現在、サントリーの中でも最高峰ワインである「シンボルシリーズ」に君臨する登美の丘ワイナリーのワインは「SUNTORY FROM FARM 登美 赤」「SUNTORY FROM FARM 登美 甲州」「SUNTORY FROM FARM 登美 白(2023VTより SUNTORY FROM FARM 登美 シャルドネ」へ名称変更)の3種類。
「登美」と「登美の丘」の飲み比べができるという、贅沢な機会でした。
『登美の丘ワイナリー2025 イベントご紹介』
2025年に開催が決定している登美の丘ワイナリーのイベント情報をご紹介します。最新の情報は、サントリー登美の丘ワイナリー公式HPをぜひチェックしてください!
▶︎FROM FARM ワインフェスティバル 2025
日時:9/27(土)〜9/28(日)
▶︎サントリー登美の丘ワイナリー収穫感謝祭り2025
日時:11/8(土)
11月3日にリリースされる、今年収穫したてのぶどうからつくったFROM FARM新酒2025を飲みながら、登美の丘ワイナリーの美しい景観と食事を楽しめるイベントです。食事はなんと、地元有名店が集結!事前予約をすればワイナリーツアーにも参加できます。
今年のぶどうの収穫の喜びと感謝をみんなで分かち合う貴重な機会です。ぜひお見逃しなく!

『まとめ』
本日9月19日(金)より、装いを新たに一般公開されたサントリー登美の丘ワイナリー見学ツアー。ワイン愛好家はもちろん、ワインを普段飲む機会がない方にとっても、新たな発見がある見学ツアーであることは間違いありません。
1909年に登美農園を開園してから今日まで110年以上の歴史を大切にしながらも、常に果敢に挑戦し続ける登美の丘ワイナリー。
「ジェントルハンドリング」と呼ばれる、ぶどう・ワインに負荷をかけず可能な限り丁寧に扱うサントリーの思想は、SUNTORY FROM FARMのロゴに現れていました。日本の豊かな風土でつくられたぶどうが、造り手の「ジェントルハンドリング」によって、大切にワインに醸されていくのです。
新たに「FROM FARM醸造棟」が稼働を開始し、日本ワインのさらなる向上を目指し、サントリー登美の丘ワイナリーの勢いは止まることを知りません。
この機会にぜひ登美の丘ワイナリーを訪れ、日本ワインの新たな兆しを体感してください。見学ツアーの詳細はサントリー登美の丘ワイナリー公式HPをチェックしてくださいね!

基本情報
| 名称 | サントリー登美の丘ワイナリー |
| 所在地 | 〒400-0103 山梨県甲斐市大垈(おおぬた)2786 |
| アクセス | https://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/access/ |
| HP | https://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/ |

